【インタビュー】『全員死刑』間宮祥太朗「やってよかった」迷いを振り切って挑んだ実在する死刑囚がモチーフの連続殺人犯役

2017年11月17日 / 18:38

 『ライチ☆光クラブ』、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』、『帝一の國』、『トリガール!』など、昨年から話題の映画に出演し、ネクストブレーカーの筆頭に数えられる間宮祥太朗。日本人離れした圧倒的な美貌に加え、若干24歳で“カメレオン俳優”の異名を持ち、作品ごとに豹変する姿は他の追随を許さない。そんな間宮が、かつて福岡で発生し、被告である家族4人全員に死刑判決が下った異例の事件をモチーフにした『全員死刑』で、家族や彼女のために実行犯となって殺人を繰り返す次男タカノリ役で映画初主演を務めた。「やってよかった」と充実した表情を見せる間宮が、本作に込めた思いや役者としての今後の展望などを語った。

スタイリスト津野真吾(impiger) 衣装協力/KINSELLA(03-6447-4544)

-映画初主演作がかなりヘビーな作品になりましたが、オファーを受けたときの率直なお気持ちは?

 最初は、死刑囚になった人を基にした作品で主演を務めることや、その映画を背負って自分が立っていられるのかというところで迷いました。だから、二つ返事で「やりましょう」ということではなく、判断をしっかりしなければいけないと考え、まず(小林勇貴)監督に会っていろいろな話をさせていただきました。

-その中で、何が決定打となってこの役を引き受けたのですか。

 監督と事件との距離感です。監督が「絶対に許せない」という信念のもとで映画にするとしたら、僕はその気持ちに付いていく自信がなかったし、逆に、この事件を基にする必要があるのかどうか分からないような面白さだけで映画化しようとしているなら不安でした。でも、距離感が絶妙で、事件に対する考察もきちんと持っていらっしゃいました。あとは理屈ではなく、話をしている時の監督の姿を見て、信頼できるし、一緒に仕事がしたいと思いました。

-これまで携わってきた作品とは違うプレッシャーがありましたか。

 ベースが実際に起きた殺人事件なので、露骨に嫌悪感を示す人は出てくると思います。そういう作品だからこそ、自分が納得して胸を張り、タカノリを任せてもらってよかったと思えるところまで持って行かないといけないと思いました。

-その目標は達成できましたか。

 はい。できましたし、やってよかったと思います。

-役づくりでこだわった部分を教えてください。

 人殺しのシーンは残虐で残酷な描写もあるけど、タカノリ自身が相手に憎しみを持っていたり、快楽のためにやったりしているわけではないし、強盗も自分が遊ぶお金が欲しいわけではなく、あくまでも一家の借金の返済にあてようとしているんです。だから、家族や自分がやらなきゃ危険な目にさらされる彼女のために“義務感のある仕事として人を殺す”という、見ている人が少し不思議な感覚に陥るような感じを狙って演じました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

門脇麦、「芝居に対してすごく熱い」田中圭と夫婦役で5度目の共演 舞台「陽気な幽霊」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月2日

 田中圭を主演に迎え、若村麻由美、門脇麦、高畑淳子ら豪華共演者で贈る舞台「陽気な幽霊」が5月3日から開幕する。本作は、20世紀を代表する劇作家ノエル・カワードによるウェルメイド・コメディー。1945年にはデヴィッド・リーン監督により映画化も … 続きを読む

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

 3月31日から放送スタートしたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった朝田のぶと柳井嵩(北村匠海)の2人が、数々の荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『 … 続きを読む

坂本昌行&増田貴久がミュージカルで初共演「笑顔になって、幸せになって帰っていただけたら」 ミュージカル「ホリデイ・イン」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月1日

 坂本昌行と増田貴久をはじめとした豪華キャストが出演するミュージカル「ホリデイ・イン」が4月1日から開幕する。本作は、1942年に公開された映画『Holiday Inn』(邦題『スウィング・ホテル』)をもとに舞台化されたミュージカル作品。「 … 続きを読む

藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月29日

 2024年5月にスタートした、吉田鋼太郎が芸術監督を務める【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】。待望の二作目となる「マクベス」が、藤原竜也を主演に迎え、5月8日から上演される。藤原に初めて挑む「マクベス」への思いや吉田とのクリエイトに … 続きを読む

竈門炭治郎を演じる阪本奨悟が語る、舞台「鬼滅の刃」の魅力 「生身の人間が演じているからこそ、リアルに共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月28日

 「週刊少年ジャンプ」で2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴による大ヒット漫画『鬼滅の刃』。2020年に初めて舞台化されて以降、シリーズを重ね、4月11日からはシリーズ5作目となる、舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里が上演される。 … 続きを読む

Willfriends

page top