【インタビュー】『氷菓』岡山天音「共演が決まったことを賢人から聞いて、舞い上がりました」

2017年11月2日 / 12:00

 累計230万部を超える米澤穂信氏の学園ミステリー『古典部』シリーズの第1弾を実写映画化した『氷菓』が、11月3日から全国公開される。高校の古典部に入部した省エネ主義の天才探偵・折木奉太郎(山崎賢人)、謎解きが大好物のお嬢様・千反田える(広瀬アリス)たち個性的な4人が、学内で起きるさまざまな謎に挑んでいく物語。豊富な知識で謎解きをサポートする古典部のメンバー、福部里志を演じた岡山天音が、プライベートでも親友同士である山崎と共演した感想や作品の舞台裏を語った。

古典部のメンバー、福部里志を演じた岡山天音

-出演が決まった時の気持ちをお聞かせ下さい。

 めちゃくちゃうれしかったです。最初、(山崎)賢人から聞いたんです。夜、電話が掛かってきて「今度、一緒にやるの決まったよ」って。すごく舞い上がったのを覚えています。賢人とは10代の頃からずっと友達なので、電話を切った後、あまりにうれしくて大声で叫んじゃいました(笑)。

-最初に台本を読んだ時の感想は?

 難しいなと感じました。里志は高校1年生という設定ですが、達観したキャラクターなので、実際に演じる時、どうバランスを取ったらいいのか…。また、せりふや掛け合いで進んでいくミステリーというものをどう演じていったらより良い形になるのかなど、考えることが多かったです。

-福部里志というキャラクターの魅力は、どんなところでしょうか。

 人間くさいところです。今回の映画では、いつもニコニコしていて、人当たりがよくて、要領もいいといった印象ですが、原作ではシリーズが進むにつれ、実は奉太郎にコンプレックスを感じていたことが明らかになっていくんです。天才の奉太郎に対して、横にいる里志がどう感じていたのか…。僕もこの業界にいて、奉太郎のように、持って生まれたものが違うなと感じる人にたくさん出会いました。だから、里志の気持ちがよく分かるんです。そう考えたら、切なくてほっとけなくなりました。そういう部分に引かれたので、映画で描かれる、描かれないにかかわらず、そこは大事に演じたいと考えました。

-撮影に入る前、古典部のメンバーを演じる山崎さん、広瀬アリスさん、小島藤子さんと一緒にリハーサルをされたそうですね。

 恥ずかしかったですね。僕、リハーサルって苦手なんです。メークも衣装も無しで、会議室みたいなところで周りの視線を感じながらお芝居をするのは集中できなくて…。ただ、いろいろと超えなきゃいけないものがある役だなということは、リハーサルを通じて分かってきました。監督とは、原作で「常に笑っている」と書かれている里志を、現実的にどう成り立たせるかということも相談しました。

-親友の山崎さんと共演した感想は?

 笑っちゃいました(笑)。今までも現場が一緒になったことはあるんですが、一緒に芝居をしたことはなかったんです。それから何年かたって、いざ親友役をやるとなったら、なんだか不思議な感じで…。衣装合わせの時も、僕が部屋に入ったら、先にいた賢人と目が合ったんですけど、お互いにどんな顔をしていいのか分からず、しばらく見合った後、目をそらされたり…(笑)。昨日は普通に話していたのに…みたいな照れくささが、最初はありました。ただ、撮影に入ってからは、ホテルで賢人と読み合わせをして、「奉太郎的にはどう?」なんて相談もできたので、ずいぶん助けられました。

-現場での山崎さんの印象はいかがでしたか。

 やっぱりすごいですよね。賢人がどういう場所で戦っているのかというのを今回近くで見たのですが、主演ばかりやっていてよくうまくバランスを取れるなと思います。でも、賢人は街で人に気付かれるようになっても、根っこは全然変わらないんです。すごくフラット。スタッフさんたちに対しても、ちゃんと自分の方から近付いていって信頼関係を築ける。そういうところがすごく魅力的だと改めて感じました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】人気シリーズの最終章『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』/実際の元収監者たちが演劇メンバーを演じる『シンシン SING SING』

映画2025年4月18日

『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(4月11日公開)  ブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、4年前に最愛の夫マーク(コリン・ファース)を亡くし、深い悲しみを抱えながらシングルマザーとして2人の子どもを育てていた。自らの … 続きを読む

神山智洋&中村海人、ドラマ初共演で“ブラザーバディ”が誕生 神山、中村は「かわいい弟という感覚」

ドラマ2025年4月18日

 WEST.の神山智洋とTravis Japanの中村海人が出演する、土ドラ「ミッドナイト屋台~ラ・ボンノォ~」(毎週土曜23時40分放送/東海テレビ・フジテレビ系)の第2話が4月19日に放送される。  本作は、味覚を失ったスゴ腕フレンチシ … 続きを読む

三浦透子「その先で自分がどんな人間になっているのか、自分でも楽しみ」 舞台パルコ・プロデュース 2025「星の降る時」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月14日

 映画『ドライブ・マイ・カー』、舞台「ロスメルスホルム」で数々の賞を受賞し、さらに歌手としても第70回NHK紅白歌合戦に出演するなど、多才な活躍を見せる三浦透子。その三浦が、5月10日から上演する舞台パルコ・プロデュース 2025「星の降る … 続きを読む

石坂浩二 松平武元役は「渡辺謙さんと相談しながら、お芝居を工夫しました」【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年4月13日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。4月13日放送の第15回「死を呼ぶ手袋」では、次期将軍候補だった徳川 … 続きを読む

ラミ・マレック、レイチェル・ブロズナハン「主人公はいわゆるスパイスリラーには出てこないようなキャラクター」『アマチュア』【インタビュー】

映画2025年4月11日

 戦闘や暗殺については全くの素人であるCIA職員の男が、妻を殺したテロリストへの復讐(ふくしゅう)に乗り出す姿を描いたアクションサスペンス『アマチュア』が、4月11日から全国公開される。本作で内気な愛妻家の主人公チャーリー・ヘラーを演じたラ … 続きを読む

Willfriends

page top