エンターテインメント・ウェブマガジン
徳川が今川領に進撃を開始する中、徳川家重臣の本多忠勝が登場する。後に家康に仕える井伊家の跡取り・万千代(=虎松)と共に「徳川四天王」の1人に数えられ、数多くの合戦に参加しながらも、傷一つ負わなかったという武勇を誇る武将である。演じるのは、戦国時代好きを公言し、これまでも「独眼竜政宗」(87)、「利家とまつ 加賀百万石物語」(02)などに出演してきた高嶋政宏。愛着のあるよろいかぶとに関する話題から忠勝役の見どころまで、思い入れたっぷりに語ってくれた。
そうです。最初に出てきた時は20歳ぐらいですから、そこにいる出演者の誰よりも若い役ということで、テンションを上げて若々しく演じました。実はこの作品にお声を掛けていただく直前、千葉のいすみ鉄道の沿線を旅する民放の番組に出演したんです。そうしたら、どこに行っても藤岡弘、さんの本多忠勝の写真があるんですよ。聞けば、本多忠勝ゆかりの地ということで、「俺もやりたかったな」と思っていたら、この作品の出演依頼が来たんです。奇跡のような巡り合わせに、びっくりしました。
忠義の人ですよね。あと、繰り返し合戦に出ながらも、一つの傷も負わなかったということで、すごい人だったんだろうなと。今回は「スポーツマンみたいな感じ」というお話だったので、最初のうちは若さ故の勢いみたいなものが出ています。
万千代との関係は、体育会系のいい先輩みたいです。周りはいじめるんだけど、忠勝だけは「頑張っていれば、誰かが見ているから」と励ましたり。菅田くんは以前、ある番組で一緒になったことがあって、その時は体が細かったんですが、今回会ったら、すごく体付きが良くなっていて、相当鍛えたなという印象を受けました。男っぽくなっていましたね。悔しさをにじませながら大声で「日本一の草履番を目指す!」と言う場面も、血管が浮き上がるぐらいのテンションの高さで演じていて、とても魅力的でした。
普段、歴史の本などを読んでいるわけではないのですが、よろいかぶとが好きなんです。下に“満智羅”(まんちら)という鎖かたびらみたいな物も着けるので、重量が20キロぐらいになります。みんな「重い、暑い」と言うんですけど、男が最もかっこよく見えるコスチュームで、究極のコスプレですよね(笑)。ロケに行った時も、暑くてジンジンしてくるぐらいですけど、絶対によろいは脱ぎません(笑)。
やっぱりこの、ひもで締め上げていった時のフィット感ですよね。僕は結構体が大きいのですが、今回はサイズもしっくりきていい感じです。慣れていないころは、普通に着せてもらっていたんですけれど、そうすると手が上がらなくなってしまうんです。だから、よろいを着る時は、必ず殺陣のポーズになってひもを結んでもらわないといけません。それを、初めて着る人のためにトリビアとして伝えたいですね(笑)。
もう、とにかく暑かったです。敵将の首を取る場面の撮影は、段取りやテストを含めても2時間弱ぐらいだったのですが、最初のテストの時、よろいの重さと暑さで息切れしてしまい、目の前が真っ暗になるかと思いました。でも、その心臓のバクバク感すらも、「今、俺はよろいを着けている!」と、喜びに変えて頑張りました(笑)。ポイントはやっぱり水分と塩分でしたね。自分で作ったミネラルや乳酸菌を入れた水に加えて、心配りの行き届いたスタッフが、たえずスポーツドリンクや麦茶を出してくれたので、何とか切り抜けられました。
長さは九尺もあります。普通は六尺、つまり180センチぐらいなのですが、九尺だからもう自分の身長を遥かに超えた長さで。本当は頭の上で大きく振り回そうとしたんですけど、かぶとにトナカイのような角が付いていて当たってしまうので、やり方を変えました。昔『燃えよドラゴン』でブルース・リーが、棒を持って敵と戦う場面があったのですが、構えた時に先がブルルン!と揺れるんですよ。今回、僕もやりを構えた時、同じように揺れたのが快感でしたね(笑)。
今は車にはほとんど乗らず、現場まで自転車で行くようにしています。車に乗りっ放しだと、体が衰えていきますから。あとは、ジムや道場に通ったり。体が資本なので、そういったところには気を付けています。それは、合戦シーンのためだけではなく、普段の撮影でも最高のパフォーマンスを発揮できるようにするためでもあるんです。撮影ではカメラの位置を変えたりして、時間をかけて同じ場面を何度も繰り返します。その時、集中力を維持するためには、体力が必要なので。監督が一番いい顔を撮ろうとしてくれているのに、途中で息切れなんかしたら、後で自分が後悔するだけですからね。
昨年は弟とシルビアが出ていたので「いいなあ」と思っていたら、その後に出られたので良かったです。でも、「やってやる」と思うとロクなことがないので、台本と監督の演出に乗っていくことだけを心掛けています。昔、美輪明宏さんに言われましたから。「それ思ったら、あなた終わるから」って。それがずっと心に響いています。
シルビアにはずっと「いいなあ」と言っていました。木刀を使う場面の稽古では、自分の木刀を使って付き合ってあげて、ちょっと大河に関わっている気分になったりして(笑)。だから本当に良かったです、「直虎」に出られて(笑)。
(取材・文/井上健一)
舞台・ミュージカル2024年11月20日
ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む
ドラマ2024年11月17日
毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む
映画2024年11月15日
韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。 地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む
ドラマ2024年11月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。 病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む
映画2024年11月15日
古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む