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結婚詐欺師と、彼にだまされる女性たちの姿を通して、男女の孤独や欲望、結婚をめぐるうそと真実を新感覚の映像で描いた映画『結婚』。本作で、ある秘密を抱えながら、完璧なビジュアルと知性、匂い立つ色気で女性たちをとりこにする結婚詐欺師・古海健児(うるみ・けんじ)を見事に演じ切り、観客をも魅了するディーン・フジオカ。主題歌も担当した本作の見どころ、そして役者としての今後のビジョンを語った。
自分との共通項を探します。あとは、こういうシーンでこういう表情だったら役が成立するかな、こういう小道具があればキャラクターの深みが出るだろうな、なんてことを考えます。そうやってスイッチが出来上がっていく感じです。
声のトーンや呼吸のスピード、歩き方、ポケットへの手の突っ込み方、髪を触るしぐさ、携帯電話などの小道具の扱い方…。そういうパーツがガチンとはまっていくに連れてキャラクターの輪郭がはっきりして、「古海健児スイッチ、オン!」みたいになりました(笑)。そうなれば、この場に古海がいたら何をするか?という即興的なことも、あまり迷わずできるようになります。
1人でいる演技がすごく難しいと思いました。詐欺師なので、ターゲットを思い通りにするという目的がある場合は、そこへ持っていくまでのアプローチもはっきりしますが、名前や職業などいろんなうそをつき通している人間が、1人になり、素の自分になった時にどういう時間の過ごし方をするのか…。ここはすごく難易度が高かったです。
そうですか(笑)。結婚詐欺師はクライアント(だます女性)によって(接する)スタンスが違うので、「そのバリエーションの変化を撮らせてもらいたい」というのは最初の段階で西谷(真一)監督から説明を受けました。だから、これまでできなかったようなことでも練習して成立させるという前向きなチャレンジができたので、いろんな姿が出ていると思います。
絶対に作品の一部として成立する、歌詞や音の世界観にしたかったんです。だから歌詞は、刹那に生きている古海の心理描写を独白させるとこんな感じなのかな?とか、古海自身も分かっていない自分の内面を掘り下げていきながら書きました。サウンドは、衝動感や焦燥感、狂気を感じさせるようなギザギザした感じを狙いました。タイトルは、ずっと本筋に行けずドロップアウトしたままの休暇状態というのは、古海の物語にぴったりかなと思って付けました。
萬田(久子)さんが「男性がだましたと思っていても、女性はだまされてやっているだけよ」と言っていたんですけど、そういう考えもあるのかと驚きました。女性はすごい…。奥が深いですね(笑)。
僕、役者の仕事はすごく受け身なんです。と言っても何もしないという意味ではなくて、受けて全力で打ち返して答えるというスタンスでやっているので、自発的に「役者としてこうなりたい」「こういう役を演じたい」とは思わず、むしろ「この役を面白そうと気付かせてくれてありがとう」という感じです。フィルムクルーの一員として、求められたことや期待に応えられるようなパフォーマンスをどの国でも、どんな作品でも、人との出会いや縁を大事にしながら今後もやっていきたいです。
器の大きな人間になりたいです。一つの特定のコミュニティーやジャンルにこだわらず、とにかく大きく広がって物事を発信したり、出会いの場を求めたりするということを大事にしていきたいです。
(取材・文・写真/錦怜那)
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