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高田郁の同名小説を基に、天涯孤独な澪が料理の腕一本を頼りに大坂から江戸に行き、艱難(かんなん)辛苦を乗り越え、やがて一流の料理人になるまでの波瀾(はらん)万丈な人生を描いた、NHKの土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」。本作で、吹き替えなしで料理シーンに挑むなど、見事に澪を体現した黒木華が、役づくりの苦労について、また“昭和顔”と呼ばれることへの素直な思いや、師匠ともいえる演出家の野田秀樹から授かった女優を続ける上での金言などを明かした。
出汁の引き方やお米の炊き方などを基礎から教えていただきましたし、家では和包丁の使い方に慣れるために、大根を買い、何度もかつらむきをしました。教えていただいたことは普段から使えることばかりなので、勉強になりました。
やはり着物での所作には気をつけています。生活に染みついた、手慣れた動きに見えるようにするにはどうすればいいかを常に考えていますし、そのために料理のレッスンは着物でやっていました。
下がり眉が澪のアイデンティティーで、原作を読んだ時もそこがすごくチャーミングだと感じたので、鏡を見て練習をして、撮影では気持ちを大切にし、意識して眉を下げるようにしました。
澪は料理に対してですが、譲れない情熱や芯の強さを持っているところは似ています。と言っても、私の方は少しさぼりがちですけど(笑)。でも、真っ直ぐに何かと向き合う姿勢は尊敬できるし、自分もそうありたいと思います。
煮物や煮魚が好きなので、普段からよく作ります。以前は夜中にうどんを打っていましたが、最近は夜、シフォンケーキなどのお菓子を作っています。
無になりたい時や(心が)ザワザワしている時は眠れないので、別のことをしている方が生産的だと思って…。料理をしている時は仕事のことを考えなくていいんです。
母はすごく料理が上手で、何でもおいしいので…。強いて言えば、実家に帰ったら必ず家族で作るギョウザですかね。みんなで会話をしながら一緒に作るということも好きです。
今の時代はそんなに変わることもないと思いますが、東京の電車の中は割と静かだと思いました。あと、初めて渋谷に行った時に、駅でそばを食べたんですが、出汁のしょうゆの味が濃くて、本当に違うんだとびっくりしました。
本当に色っぽくて、時代劇をやったことがないというのが不思議なぐらい、たたずまいが美しいです。それは(ダンスで)体を使っているからなんでしょうか。舞台作品を見ていてもオーラや華やかさを感じます。
森山さんも絢斗さんも本当に格好良くて、時代物が似合うすてきな男性だと思って見ていますが、私は小松原さんが好きです。今回のドラマにはないのですが、原作には小松原が両思いの澪との恋を、彼女のために諦めるシーンがあって、その大人で切ない恋がすてきでキュンとしました。やっぱり大人な人がいいですね。
(昭和顔と言われて)すごくうれしい!とまではいきませんが、(その時代を生きている人として)視聴者にストレスなく見てもらえるだろうし、いろんな時代(の役)ができるとポジティブに捉え、ありがたいことだと思っています
「楽しむこと」を忘れないようにしています。それから、私の役者人生が始まったのは野田(秀樹)さんのおかげでもあるので、「女優は自分で考えなくちゃいけない」と言われたことも心にとめています。それはデビュー当時、他の人から「こうした方がいい、ああした方がいい」と言われ、どう演じていいのか分からない…と悩んでいた時だったんですが、結局、役者は自分自身でどう演じるかを選択しなきゃいけないし、その役の責任は自分にあることを教えられました。
撮影では3キロほどもあるカツオを一からおろすなど、有り難いことに料理のシーンは全部自分でやらせてもらいました。和包丁の持ち方や盛り付けにもこだわって撮ってくださっているので、そんな料理が出てくる場面をぜひ見てください。
(取材・文/錦怜那)
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