【インタビュー】『一週間フレンズ。』川口春奈「ストイックな山崎賢人さんに刺激を受けて挑んだ」 恋愛映画公開ラッシュに「絶対これが一番面白い!」

2017年2月1日 / 10:00

 1週間で友達の記憶を失くしてしまう藤宮香織と、そんな彼女と毎週友達になると決めた長谷祐樹の特別な恋物語を描いた、葉月抹茶氏のベストセラーコミックを基にした映画『一週間フレンズ。』。同時期に公開される話題の胸キュンラブストーリー映画はおよそ8本。その中で、「絶対これが一番面白い!」と声を弾ませる川口春奈が、山崎賢人 と丁寧に作り上げた本作に注いだ“本気”を語った。

 

藤宮香織を演じた川口春奈

藤宮香織を演じた川口春奈

-漫画が基の映画は原作と比較されることが常ですが、香織を演じるプレッシャーはありましたか。

 原作ファンのそれぞれが持つ香織のイメージの全てに沿うことはできないから、原作はあまり読まなかったし、意識しませんでした。映画は映画。生身の人間が演じる、原作とは全く違うものなので、プレッシャーを感じるよりも、どう届けられるかを考えながら撮影していました。原作ファンがどんな評価をしてくれるのか楽しみです。

-役作りのこだわりは?

 過去のトラウマがきっかけで記憶障害に苦しんでいる、という特殊な設定だったので、香織を理解して気持ちを作るまで時間がかかりました。それができてからは、祐樹や友達に出会って少しずつ前向きに変わっていく姿が、表情やしぐさ一つで伝わるよう丁寧に演じることを心掛けました。でも、多くを語らず、泣いたり笑ったりしない、常に一定なテンションの中で変化を見せることは難しかったです。

-“泣ける作品の名手”と言われる村上正典監督ですが、特別な演出はありましたか。

 全く何も言われなかったです。迷ったり悩んだりしても、「それも一つの答えだからそのままやればいい」と言ってくださいました。でも、髪形は譲らなかったですね。「これだけは漫画に寄せたい」とスタッフと髪の色や長さを話し合っていたので、髪を切る日はたくさんの人が来ました(笑)。衣装合わせも制服のスカート丈一つで「これでもない、あれでもない」ってとても時間がかかりました。

-祐樹役の山崎賢人さんとの初共演はいかがでしたか。

 山崎さんはストイックで、仕事や芝居に対する向き合い方が対照的でした。緻密な計算をするところが職人っぽくて、計算していないように見える芝居でも実はすごく考えているんです。私は感情で動きたくて、その時に上がってくる気持ちを優先しているので、そういうやり方もあるんだと勉強になりました。

-ダンス&ボーカルグループ「超特急」の松尾太陽、モデルの古畑星夏、若手注目株の俳優・上杉柊平ら、各方面で活躍する同世代キャストとの共演はどうでしたか。

 同年代で頑張っている人たちと仕事をするのは刺激的だし、自分にないところは吸収したいです。現場では、みんな若いので勢いやパワーがすごくて、ワイワイやりながらも一緒に探って、考えて、悩んで作っていくという感じでした。

-1週間で全てを忘れる香織ですが、好きな男の子・九条一(上杉)のことだけは記憶に引っ掛かっていました。川口さんにとって完全に失くせないであろう記憶は何ですか。

 家族です。そこが自分の原点なので、切っても切れない、忘れたくても忘れられない存在です。友達ももちろん大事だけど、それに勝るものはないですね。

-学生時代の心に残っている思い出を教えてください。

 友達や先生との出会いが一番良かったな。今も地元に帰ると会うし、ずっと応援してくれています。行事などは一つも出られなかったので、それも経験できたら良かったんですけど。

-苦い思い出はありますか。

 テスト…。仕事でほぼ学校に行けなかったので、テストの前日は寝る間もなく、先生にファミレスなどで教えてもらっていました。高校は単位を取らないと卒業できず、「ちゃんとみんなと同じことをして卒業しなさい」と言われていましたが、その面ですごく苦労しました。

-では、劇中の学校生活、特に文化祭は新鮮に感じたのではないですか。

 文化祭、体育祭、修学旅行の経験がないので、ほかの作品でもそうですが、疑似体験をして「高校生は本当にこんなふうに思うんだ」「こういうことをやるんだ」と分かることが多いです。共演者に「文化祭は本当にこういう感じなの?」と聞いて、「そうだよ」と返ってきた時には、「そりゃ楽しいよな」って思いました。いろんな人が集まって、出会いもあって、まさに今しかできないですよね。

-楽しみながらも熱意を持って取り組んだ作品。多くの方に見てもらいたいでしょうが、ライバル作品とはここが違う!というアピールどころは?

 絶対これが一番面白い! それぞれの映画に魅力はあると思うけど、これはみんなが全てを懸けて大事に撮った作品なので、内容はもちろん、生半可ではない本気度が伝われば光栄です。

(取材・文・写真/錦怜那)


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

門脇麦、「芝居に対してすごく熱い」田中圭と夫婦役で5度目の共演 舞台「陽気な幽霊」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月2日

 田中圭を主演に迎え、若村麻由美、門脇麦、高畑淳子ら豪華共演者で贈る舞台「陽気な幽霊」が5月3日から開幕する。本作は、20世紀を代表する劇作家ノエル・カワードによるウェルメイド・コメディー。1945年にはデヴィッド・リーン監督により映画化も … 続きを読む

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

 3月31日から放送スタートしたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった朝田のぶと柳井嵩(北村匠海)の2人が、数々の荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『 … 続きを読む

坂本昌行&増田貴久がミュージカルで初共演「笑顔になって、幸せになって帰っていただけたら」 ミュージカル「ホリデイ・イン」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月1日

 坂本昌行と増田貴久をはじめとした豪華キャストが出演するミュージカル「ホリデイ・イン」が4月1日から開幕する。本作は、1942年に公開された映画『Holiday Inn』(邦題『スウィング・ホテル』)をもとに舞台化されたミュージカル作品。「 … 続きを読む

藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月29日

 2024年5月にスタートした、吉田鋼太郎が芸術監督を務める【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】。待望の二作目となる「マクベス」が、藤原竜也を主演に迎え、5月8日から上演される。藤原に初めて挑む「マクベス」への思いや吉田とのクリエイトに … 続きを読む

竈門炭治郎を演じる阪本奨悟が語る、舞台「鬼滅の刃」の魅力 「生身の人間が演じているからこそ、リアルに共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月28日

 「週刊少年ジャンプ」で2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴による大ヒット漫画『鬼滅の刃』。2020年に初めて舞台化されて以降、シリーズを重ね、4月11日からはシリーズ5作目となる、舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里が上演される。 … 続きを読む

Willfriends

page top