「三谷さんから『うちの母が、あの女が一番悪いと言っていた。大成功ですね』ってメールがありました」峯村リエ(大蔵卿局)【真田丸インタビュー】

2016年12月1日 / 00:00

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、浅井家のころから茶々(竹内結子)の乳母を務め、大坂城でも茶々や豊臣秀頼(中川大志)を支えた大蔵卿局を演じている峯村リエ。大切な人を守りたいがゆえの行動が、牢人たちの自由な発想をはねつける結果となった大蔵卿局のじくじたる思いを語る。

 

大蔵卿局役の峯村リエ

大蔵卿局役の峯村リエ

-大河ドラマは初めてですか。

 初めてです。三谷(幸喜)さんが同じ事務所なので、どこかで1話ぐらい出してくれないかなと思っていたのですが、背も高しい無理だろうなと思っていたら、オファーがありました(笑)。所作も全く分からなかったので、出演者の中で一番最初に所作の指導をしていただきました。それぐらいプレッシャーと舞い上がりがすごかったです。

-三谷さんからの要望は?

 ヒラリー・クリントン、土井たか子さん、三原じゅん子さん、井脇ノブ子さん、それと三谷さんと私が今所属している事務所の社長、この5人を足して5で割ったような感じだと言われました(笑)。人に対する話し方が少し強い感じの女性ということではないでしょうか。

-何か反応はありましたか。

 三谷さんから「大蔵卿局がすごく良くなってきていますね。うち(三谷)の母から電話があって『あの女が一番悪い』と言っていた。大成功ですね」ってメールがありました(笑)。うれしかったです。間違ってなかったんだなと安心しました。

-ヒール(悪役)ですね。

 茶々さまと秀頼さまをお守りするが故に、そうなってしまうというところを大切にしています。そういう理由がないと、ただの嫌なきつい人になってしまいますから。

-ヒールを演じるのは役者にとっては喜びでもありますが。

 監督(演出)からSNSは見ない方がいいと言われていたんですが、この間見たら案の定、大蔵卿に対する書き込みがすごくてちょっとへこみました(笑)。「そう思われているなら大正解だ」と友人に言われて、その通りだと思うんですけど、やっぱり嫌われるのはちょっとね…。

-大蔵卿に権力欲はあったのでしょうか。

 大蔵卿はとても聡明な女性だとも言われていて、それなら権力欲もあったと思いますけれど、今回の大蔵卿局は「あっ間違えちゃった」とか「こういう言い方しなければ良かった」とか、ある意味ちょっと魅力的な浅はかさもあるので、権力欲があったかどうかはよく分からないです。

-強くなることで意見も通りやすくなる、その結果としての権力ということですか。

 そちらの方が強いですね。

-大蔵卿にとって、茶々や秀頼はどういう存在なのでしょう。

 幼少時からいろいろ見てきた茶々さまには「もう怖い思いはしなくていいのよ」と思わせたいでしょうし、茶々さまが守っている秀頼さまは、私の宝物が生んだ宝物みたいなもので、さらに愛情深い感じです。豊臣の家臣が次々といなくなって、私が守らなければという思いがすごく強くなっていったんだと思います。牢人を信じないのも、彼らが入ってくることによって守りが浅くなり、私たちの大坂城が取られてしまうという恐怖感があったのではないでしょうか。

-真田幸村(堺雅人)に対しては?

 茶々さまがとても信頼しているから、ジェラシーから敵対しているんじゃないでしょうか。

-舞台では「抜目のない未亡人」で三谷脚本を経験していますが、ドラマでは初めてですね。

 微妙な“間”で本当に面白くなるせりふが多いです。緊張します。でも、その微妙な“間”がはまるとすごく面白い。

-所属する劇団「ナイロン100℃」を率いるケラリーノ・サンドロヴィッチさんの芝居との共通点は?

 無表情でコミカルなことを言う、みたいな演技でしょうか。今回はそれが役立っています。

-大坂方の人々に対しては、どんな思いを抱いていますか。

 今回は大蔵卿が負けに導いているような感じになってしまっているので、申し訳ないという気持ちがあります(笑)。秀頼や茶々や大蔵卿らが自害したとされている場所にある殉死の碑やほこらに「こういう感じで演じさせていただきました」と報告しに行こうと思っています。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】黒人がKKKに入団!? うそのような潜入捜査を描いた『ブラック・クランズマン』

映画2019年3月23日

 実際にあったうそのような潜入捜査の様子を、コミカル味を交えながら描いたスパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』が公開された。  舞台は、1970年代半ばの米コロラド州コロラドスプリングス。この町で黒人として初めて刑事になったロン・ス … 続きを読む

【インタビュー】「連続ドラマW 絶叫」尾野真千子「台本を読んで『私もこうなっていたかも…』と思い、ゾクッとしました」

ドラマ2019年3月22日

 3月24日からWOWOWで放送が開始される「連続ドラマW 絶叫」は、貧困や無縁社会、ブラック企業という現代社会の闇に切り込む社会派サスペンス。平凡な家庭に生まれながらも、家族の不幸をきっかけに人生を踏み外して転落、やがて犯罪に手を染めてい … 続きを読む

【インタビュー】『ソローキンの見た桜』阿部純子「人と人とが別れるときの痛みや感情の流れは、今の私たちにも共通すると思います」

映画2019年3月20日

 日露戦争下、松山に実在したロシア兵の捕虜収容所を舞台に、日本人看護師の武田ゆいと、ロシアの将校ソローキンの許されない愛の行方を、現代のテレビディレクターの高宮桜子が探る。日露合作の『ソローキンの見た桜』(3月22日公開)で、ゆいと桜子の二 … 続きを読む

【インタビュー】『ダンボ』ティム・バートン監督「他者からは欠点に見えることを肯定的に捉えてみれば、それは美しさに変わるのです」

映画2019年3月20日

 1941年製作のディズニー・アニメ映画『ダンボ』を実写化したファンタジーアドベンチャー『ダンボ』が3月29日から公開される。サーカス団に飼われ、大きな耳を使って空を飛ぶことができる小さなゾウの子どもが、サーカス団の家族の力を借りて引き離さ … 続きを読む

【インタビュー】『バンブルビー』ヘイリー・スタインフェルド「チャーリーを演じながら開放感を得ることができました」

映画2019年3月19日

 『トランスフォーマー』シリーズの起源にさかのぼった『バンブルビー』が3月22日から公開される。1980年代を舞台に、心に傷を抱えた少女と地球外生命体バンブルビーとの関係に焦点を当てた本作で、主人公のチャーリーを演じたヘイリー・スタインフェ … 続きを読む

page top