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NHKの大河ドラマ「真田丸」で、徳川家康(内野聖陽)の側室、阿茶局を演じている斉藤由貴。常に家康のそばに仕え、豊臣家との和議にも奮闘した阿茶の真意について語った。
家康には正室はいますが、ずっと阿茶局がかわいがられます。私は、阿茶は武将というより一人の男としての家康にほれて、全身全霊で尽くす女性だと考えて演じています。精神安定剤的な役割もあって、阿茶がそばで薬を煎じているというだけで、家康は気持ちがほっとしているんでしょう。
小心者だし、小ずるくて、二枚舌的なところがあるにもかかわらず、いざという時の行動力がすごい人。時の情勢をものにする強運があります。それに、ちょっと駄目なところがある男はかわいいものじゃないですか(笑)。
「私が(正室、側室の中で)一番なのよ」と押し売りするわけでなく、淡々と情勢を見詰めている。家康は、阿茶が自分のことを「天下を取れる人だ」と信頼してくれていると信じている。そんな関係性に描かれていると思います。
可能性があるのであれば、自分の愛する男に天下人となって世を統べてほしいという気持ちが大きかったと思います。ただ家康の小心さも知っているから、不安の気持ちも多少持ちつつ、それでも女としてのエゴで、自分の男に天下を取ってほしいという気持ちを通しているところもあると思います。
寧(鈴木京香)と茶々(竹内結子)に仕える身として阿茶は豊臣方に行き、茶飲み話をしながらも、たぶん「今だ」というタイミングを独特の嗅覚みたいなもので探っていたはずだと思うんです。
それにきりを演じている長澤まさみちゃんとフォーショットで写真を撮って三谷(幸喜)さんに送りました。三谷さんは台本執筆に没頭していて宮崎駿さんそっくりになっているという話を聞いていたのですが、返信には本当に激似の写真が添付されて返ってきました。「この女優4人で芝居とか書いたら面白いと思うんですけど」って返信したら、返事は来ませんでした(笑)。
圧倒的に制約のある立場で、いかにして自分の考えを表現していくかは知恵の絞りどころです。あの時代も女性の創意工夫や機知を結構試されたんじゃないかなと思います。
そうですね。彼女が積み上げてきた信頼や実績によって、自分を生かす場を与えられたということかなと。
実は何にも考えていなかったのではないでしょうか。大事なのは殿(家康)と一族で、豊臣の人たちがどうなるかは、ある意味冷酷なぐらい客観的に捉えていたと思います。
みんな、面白い芝居をしたいという共通項があって、私も自分らしく振る舞えます。内野さんは徹頭徹尾、芝居のことしか考えていない人。この3人でいて面白いのは、誰かがせりふの練習を始めると、ジャズで楽器がだんだん重なってセッションになっていくのと同じように、いつの間にか自然と自主練習になること。せりふを合わせているうちに、この感じも面白いかもね、というのが出てくる。それが演じる側としては純粋に楽しいです。
ええ、「過酷だったけど、私は倒れなかったなあ」とか、「はね駒」をやっていた時の感じはまざまざと思い出します。NHKに来るといつも自分のホームに帰ってきたという感じがします。
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