【インタビュー】『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』アリソン・スドル&ダン・フォグラー「ハリーたちからバトンを受け継いだ感じがする」

2016年11月28日 / 15:08

 『ハリー・ポッター』の新シリーズとなる『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が23日から公開された。全5部作になるともいわれるシリーズの1作目となる本作は、“魔法動物学者”のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)が、ニューヨークで魔法界と人間界との一触即発の危機に巻き込まれ、3人の仲間と共に繰り広げる大騒動を描く。本作で魔女のクイニーをチャーミングに演じたアリソン・スドルとノー・マジ(人間)のジェイコブを人間味たっぷりに演じたダン・フォグラーが映画について語った。

 

アリソン・スドル(左)とダン・フォグラー

アリソン・スドル(左)とダン・フォグラー

─お二人とも『ハリー・ポッター』の大ファンだったそうですが、実際にオファーを受けた瞬間はどこにいて、どんな感じでしたか。

ダン 僕は自分のコミックブックを売るためにコミコンにいたんだ。そこで、自分のキャリアを考えていた時に、エージェントからの電話でオファーを知って、「来年はコミコンが違ったものになるよ」と言われた瞬間、感激して足が宙に浮いたような気持になったよ。それでコミックもタダであげて歩いたんだ(笑)。

アリソン 自分のストーリーが一番エキサイティングだと思っていたけど、ダンの話を聞いたら彼ほどじゃなかったわ(笑)。私はデイビッド・イェーツ監督からとても長くて美しいボイスメールをもらったの。ただ、彼はイギリス人なので、丁寧で婉曲な言い回しだったの。5回ぐらい聞いても私が役をもらえたのか分からなくて。夜も遅かったので、翌朝「クイニー役を射止めたのが誰であれ、その人がいい人でありますように。おめでとうございます」とメールを送ったわ。そうしたら「君がクイニーだよ!」とボイスメールが来て、ショックで声も出ないほどうれしかったわ。すぐに責任の重さも感じたけど、2日後にはロンドンに着いていないといけなかったので、すぐに荷造りをしたの。この経験はずっと夢みたいだと思っていたけど、やっと今夢からさめたのかもしれないわね(笑)

─撮影現場で一番感動したことは?

ダン よく覚えているのが、セットに入ったらジョン・ボイトみたいな伝説の名優が一緒にいたことだよ。巨大なセットにはニューヨークの街がそのまま再現されていて、初めて入った時は「オー・マイ・ゴッド!」って驚いたんだ。しかも、ボイトやロン・パールマンみたいな名優も僕と同じぐらい驚いていて、あの瞬間は忘れられないよ。

アリソン 私は撮影初日に撮った最後のシーンのことね。セットに入ったら1920年代のニューヨークの街並みに当時の服装をビシッと着たエキストラの人がいて圧倒されたわ。そこにダンがジェイコブの役に成り切った衣装で来た時に感じたスペクタクルの強さは、一生忘れないと思う。

─原作者で本作では脚本・プロデューサーも務めているJ.K.ローリングも現場を訪れたそうですが、何かヒントをくれたりはしましたか。

ダン うん、もらったよ。

アリソン 彼女はセットに来て、「あなたたちが演じているキャラクターは大好きよ。ありがとう」って私たちをそれぞれハグしてくれたの。そして「本当は言っちゃいけないんだけど」って言いながら、それぞれのキャラクターがこの先どうなるのかをちょっと教えてくれて。それが演技のヒントにもなったし、ファンとしても次の章でどうなるかが分かってうれしかったわ。

─『ハリー・ポッター』から受け継いだ部分と、新シリーズとして加わった魅力はどんなところだと思いますか。

ダン ある種バトンを受け継いだ感じだね。『ハリー・ポッター』のハリー、ロン、ハーマイオニーのトリオが、今回は4人になっているんだ。ダークな部分もありつつアウトサイダーたちが何かの目的で出会って家族になるというのは『ハリー・ポッター』から受け継いでいるよ。そこに、時代をさかのぼった1920年代のニューヨークが舞台であることや、成長物語ではあるけどハリーよりも大人のキャラクターが主人公というのが新しいところだと思うよ。

(取材/文/撮影:中村好伸)

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』 (C) 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C) JKR.

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』 (C) 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C) JKR.


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

Willfriends

page top