「相楽さんが伊藤さんをちょっとイジったりする姿を見ていると心が和みました」 吉本実憂(水田たまき) 【とと姉ちゃん インタビュー】

2016年9月27日 / 14:31

 高畑充希がヒロインの小橋常子を演じている連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の放送も残すところあとわずか。25週からは、常子の妹・鞠子(相楽樹)と水田(伊藤淳史)の長女・水田たまき役で吉本実憂が出演している。憧れの伯母・常子が社長を務め、父親の水田が経理を担当する「あなたの暮し出版」で働くことを希望したたまきは、厳しい入社試験を見事突破。編集者としての第一歩を歩み始める。朝ドラ初出演の吉本が、現場で感じた思いを語った。

 

水田たまき役の吉本実憂

水田たまき役の吉本実憂

-朝ドラへの出演が決まった時の気持ちはいかがでしたか。

 朝ドラに出演するというのが自分の中での目標の一つだったので、光栄でうれしく思いました。でも、出演できたことで目標達成ではなく、「とと姉ちゃん」の中でも自分なりの目標を決めて、その目標と向き合いながらやってきたつもりです。

-「とと姉ちゃん」での吉本さんの目標は?

 私は目標というのを人に言わないようにしていて、マネジャーさんすら知らないんです。ごめんなさい(笑)。実はすごく“ノート人間”で、「目標ノート」とか「挑戦ノート」があって、自分で文字を書かないと頭の中にも入らないし整理もできない。なので、毎回、必ず自分の思いをノートに書くようにしています。

-それはドラマに出演するたびにしているのですか。

 ドラマ出演もそうですが、何カ月後、何十年後に自分がどうなっていたいかという目標をノートに書いています。いつか見せられたらいいなと思うのですが、今はまだまだですね(笑)。

-「とと姉ちゃん」には途中からの参加になりましたが、ご苦労された点は?

 既に皆さんの行動パターンが決まっているので、そこに入り込むのはちょっと難しかったです。でも皆さん優しいし、現場も和気あいあいとしていたので、撮影が始まって3日ぐらいたったころには、結構、自分も楽しめる要素が出てきたのかなと思います。

-成長した21歳のたまきを演じる上で意識したことはありますか。

 たまきは、常子さんにすごく憧れを持っている役どころです。小さいころから常子さんの楽しそうに働く姿を見てきたので、常子さんが具体的にどんな仕事をしているのかということにもすごく興味があるんです。とにかく好奇心旺盛なたまきを演じるためにも、あらためて撮影前に1話の放送から見させてもらいました。

-何か発見はありましたか。

 そうですね。「こういう会社はいいな」とか「すごいな」とか思うたまきって実は一番視聴者に近い役なのかなって思いました。もし視聴者が「あなたの暮し出版」に入ったらどんな輝きを見せるのだろうとかと考えながら、念願の会社に入った時の喜びなどを一番意識するようにしました。また、当時は男性が働いて女性が家庭に入るのが当たり前の時代です。常子さんが時には悩みながらも勇気と努力で道を開き、楽しんで仕事をしている姿を見て、自分の好きなことを一生懸命やるって大事なんだなと改めて思いました。

-高畑さん、そして両親役の相楽さんと伊藤さんのそれぞれの印象を教えてください。

 高畑さんがお芝居されている姿は、本当に常子さんと同じような輝きを持っていたので、私自身、常子さんに憧れるたまきとして役への気持ちが入りやすかったです。相楽さん演じるお母さんは、きれいってすごく思いました(笑)。実際は2歳年上なだけなんですが、包容力もあるし、伊藤さん演じるお父さんとは本当にお似合いでした。現場で相楽さんが伊藤さんをちょっとイジったりする姿を見ていると心が和んで、なるほど、だからすごく優しくて絆の強い夫婦なんだなと思いました。

-撮影で特に印象に残っているシーンは?

 常子さんに「あなたの暮し出版」で働きたいと伝えるところですかね。たまきの思い、意志が詰まったシーンなので、視聴者の方にもきっと共感していただける部分があったんじゃないかと思います。あのシーンはせりふも長くて特に緊張しました。でもうれしくもありました。感情を爆発させるというか、感情を伝えるせりふというのは自分にとっても、非常に勉強になりました。

-そのシーンを演じるに当たり監督から何か指示はありましたか。

 駄目出しになってしまいますが、「熱が足りない」と言われて…。でも、その熱が一番大事なことなんですよね。それがたまきの意志につながってくるので。演じる上で感情って大事だなとは分かってはいたのですが、やっぱりそうなんだと再認識させられた現場でした。

-吉本さんご自身は、たまきをどんな女性として捉えていましたか。

 まずは元気。そして常子さんに似ていて、自分の気になったことはとことん追求するというところです。私自身、たまきの人柄が大好きなので、たまきをやれて本当に良かったなと思います。

-そんなたまきと吉本さんは似ていると思いますか。

 似てるのかな? 自分がこうと決めたことはとことんやるというのは似ているかもしれないですね(笑)。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「今回は、極上のエンターテインメントを作ったつもりです」 『悪は存在しない』濱口竜介監督【インタビュー】

映画2024年4月19日

 長野県の自然豊かな高原を舞台に、代々つつましい生活を続けてきた住民の、レジャー施設の開発をめぐる生活の変化を描いた『悪は存在しない』が、4月26日から全国公開される。本作で第80回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で銀獅子賞に輝いた … 続きを読む

【週末映画コラム】気持ちのいい人情喜劇『あまろっく』/山田太一の小説をイギリス人監督が映画化『異人たち』

映画2024年4月19日

『あまろっく』(4月19日公開)  理不尽なリストラに遭い尼崎の実家に戻ってきた39歳の近松優子(江口のりこ)は、定職に就くことなくニートのような毎日を送っていた。  ある日、「人生に起こることはなんでも楽しまな」が信条の能天気な父・竜太郎 … 続きを読む

小関裕太&岡宮来夢、念願のロミオ役に「プレッシャーも力に変えて頑張りたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年4月19日

 上演の度に大きな話題を呼ぶミュージカル「ロミオ&ジュリエット」の3年ぶり6度目の上演が決定。5月16日に東京・新国立劇場 中劇場で幕を開ける。  本作は、2001年にフランスで生まれ、世界20カ国以上で600万人以上を動員したメガヒットミ … 続きを読む

「自由に映像を撮れることを楽しんでいる作品だと思います」 山本奈衣瑠『走れない人の走り方』【インタビュー】

映画2024年4月18日

 映画監督の小島桐子はロードムービーを撮りたいと思っているが、限られた予算や決まらないキャストなど、数々のトラブルに見舞われる。理想と現実がずれていく中で、彼女はある選択をする。台湾出身で日本に留学し、東京藝術大学大学院映像研究科で学んだ蘇 … 続きを読む

若手注目俳優の佐藤瑠雅&坂井翔、「どこにでもいる男の子たちの何気ない生活を描いた」“じれキュン”ラブストーリー「彼のいる生活」【インタビュー】

ドラマ2024年4月18日

 「仮面ライダーギーツ」の桜井景和/仮面ライダータイクーン役で注目された佐藤瑠雅と、ドラマ「ジャンヌの裁き」に出演し高い演技力が話題となった坂井翔がW主演するドラマ「彼のいる生活」がTOKYO MX、ABEMA、各配信サイトにて現在放送・配 … 続きを読む

Willfriends

page top