「なんだかこいつ不思議で奇妙な男だなと思いながら演じています」坂口健太郎(星野武蔵) 【とと姉ちゃん インタビュー】

2016年5月10日 / 18:39

 連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で、ヒロイン常子(高畑充希)が東京で出会った、植物学者を目指す帝大生・星野武蔵を演じている坂口健太郎。2014年の俳優デビュー以来、ドラマや映画で活躍する坂口が、青春時代の常子にとって特別な存在となっていく星野をどう演じるのか。役柄への愛と朝ドラ初出演への意気込みを語った。

 

星野武蔵役の坂口健太郎

星野武蔵役の坂口健太郎

-朝ドラには初出演ですが、これまでの撮影を振り返ってどう感じますか。

 撮るスピードの速さと順番にびっくりしましたが、現場はすごく楽しいです。リハーサルやテストをモニターで確認する時も、結構みんなで大爆笑していて…。この感じで楽しく撮っていけば、絶対にすごく愛される幸せな作品になるなと感じています。

-高畑さんと共演した印象は?

 高畑さんとは、他のドラマ(「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」)でも共演しましたが 、“一緒にお芝居をした”と実感したのは「とと姉ちゃん」が初めてです。高畑さんはすごく自由自在な人です。僕が何か試したら、それに対してすごく面白く返してくれるし、いろんなお芝居の引き出しを持っている魅力的な女優さんだと思います。

-今回の武蔵は一風変わった役ですが、ご自身ではどう捉えていますか。

 武蔵は変なやつです。画面を通して見るから成立するキャラクターってありますよね。でも武蔵は画面を通してもまだ違和感がある(笑)。僕自身、なんだかこいつ不思議で奇妙な男だなと思いながらやっています。

-見た目もインパクトがありますね。

 はい。自分の中でも、眼鏡と学ランと帽子の“三点セット”ありきの武蔵でした。一つでも欠けると武蔵じゃなくなっちゃうんです。僕の今までやってきた作品のイメージからすると、もしかしたら(視聴者の中には)僕だと気付かない人もいるかもしれません。

-武蔵の性格についてはどう考えていますか。

 僕の中で、武蔵は一つのことに対する愛が強過ぎるちょっと変わった男の子。堅くもあるし、かといってただ緊張しているというのではなく、興味があることを見つけると突っ走ってしまう極端な性格です。

-そんな武蔵に共感する部分は? また、坂口さんの場合は何に対する愛が強いですか。

 僕自身は、そこまで物や人に対する熱量が出てこないんですよ。だから武蔵の“ここに共感できる”というよりは、武蔵を演じることで学んだことの方が多いです。「ああ、こういう気持ちの出方があるんだ」と知ったし、武蔵の植物に対する熱い思いはすごくすてきだなって思う。この先、もし僕にも新しい趣味とかができれば、その時はわれを忘れて没頭したいなと思っています(笑)。

-以前、坂口さんは役を演じる上で、台本に描かれていない、役柄のバックボーンも考えると伺いました。武蔵の場合はどうですか。

 今回はバックボーンを考えるというより、星野を一つのキャラクター、“出来上がった存在”として見ているかもしれません。星野のいろんなものに対する愛は、こういう環境で育ったから…とはなかなか説明がつかない性格なので。もう「星野くんはこういう人なんだ」と割り切っちゃった部分があります。

-ドラマのテーマに関連して、坂口さんが日常で大切にしていることを教えてください。

 人と会う時間を大切にしたいです。最近いろんな作品をやっていて、自分の時間がなかなか見つけられなくなる時があって…。そんな中、友だちと一緒にご飯を食べた時に「なんかこれってすごく幸せだな」って実感したんです。親や友だちとご飯を食べたりすることって、今まで特に気にしたこともなかった普通のことなんですが。どちらかというと、人と会うのが面倒くさいタイプだったのですが、最近少し性格が変わってきたのかもしれません(笑)。

-2014年に俳優デビューした坂口さんですが、快進撃が続きますね。

 最近、ちょっと「自分じゃない坂口健太郎のイメージが浮いているな」と感じることはありますね。もちろん、自分は自分でちゃんと存在しているのですが、“イメージの坂口”が自分が思っているよりも大きくなってきていて、自分でも“そういう人”がどこかにいるんだって、客観的に見ている時があります。

-“イメージの坂口”と本物の坂口さんはどう違うのですか。

 うーん。僕は、そんなにいい人じゃないよって思っています(笑)。僕が見るイメージの坂口はすごくいい人そうなので。

-自己評価が低いような気がしますが。

 でも本当にそうですよ。僕自身は、全然面白くない人間だと思うので。でも、今はそういう時期なんだなと思います。別に、フワフワしたもう一人の坂口が存在しても、僕が普通にしていれば、いずれ逆に僕がリアルになってくるでしょうし。僕からすると、“全部プラス”みたいなイメージを持たれるのも、ラッキーだなと捉えています(笑)。

-最後に、坂口さんから見た常子の魅力を教えてください。

 常子は多分、“走り続ける人”だと思います。抽象的な表現ですが、常子は幸せや愛を周りに落としながら走っている人だなって感じています。だから、常子が通った後の道には愛があふれていると。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

内野聖陽、念願のリア役にかける思いとは 「リア王 -KING LEAR-」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年7月17日

 シェークスピア四大悲劇の一つ「リア王」が内野聖陽の主演で9月21日から上演される。舞台、映画、テレビと各方面で活躍し、硬軟・老若を問わず多彩な役柄を演じ分ける実力派の内野。ドラマ「ゴールドサンセット」の劇中劇で「リア王」を演じた経験と熱い … 続きを読む

唐田えりか「染谷将太さんのお芝居が衝撃的でした」コンビニ店を舞台にした異色ホラーで初共演『チルド』【インタビュー】

映画2026年7月16日

 カンヌ国際映画祭に出品された『寝ても覚めても』(18)やNetflixの「極悪女王」(24)で注目を集め、今年も『恋愛裁判』、『モブ子の恋』など出演作の公開が相次ぐ唐田えりか。常に挑戦を続ける彼女の最新作が、コンビニ店を舞台にした異色ホラ … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第26回「信長を笑わせろ!」 人間ドラマと華やかなエンターテインメントが一体になった大河ドラマならではのエピソード【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年7月10日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。7月5日放送の第26回「信長を笑わせろ!」では、小 … 続きを読む

花總まりがアガサ・クリスティに 失踪の謎を追うミュージカル「AGATHA(アガサ)」で「ミステリーの世界を体感していただけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年7月9日

 イギリスを代表する推理小説家で“ミステリーの女王”と呼ばれたアガサ・クリスティが失踪した実話を元にしたミュージカル「AGATHA(アガサ)」が7月18日から上演される。本作は、アガサ・クリスティが失踪した11日間の謎を追う物語。現在(19 … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#セブチを見ていると分かる、韓国の年齢の不思議

2026年7月8日

   K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り … 続きを読む

page top