「スタジオに入ったら愛之助さんの目つきが違っていて…。役者さんってすごいですわ」桂文枝(千利休) 【真田丸 インタビュー】

2016年5月27日 / 14:55

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、堺の商人からわび茶の道を完成させた大茶人へと上り詰めた千利休を演じている桂文枝。豊臣秀吉(小日向文世)からも信頼を得ていたが、秀吉との間に確執が生じ、後に切腹することになる利休のプライドと無念を語る。

 

千利休役の桂文枝

千利休役の桂文枝

-利休の雰囲気を表現するために意識したことは?

 「内々のことは利休に、表向きのことは秀長に」という秀吉の言葉が残っているように、利休は秀吉にとっては(弟の)秀長(千葉哲也)に次ぐ存在。それなりの風格もなくてはいけません。政治にまで絡むほど上り詰める一方で、商人として堺の町を守る強い信念も持っている感じは出したいと思っていました。

-お茶のシーンは大変でしたか。

 特にお濃茶(こいちゃ)のシーンでは、手の動きではもうお濃茶ができあがっているのに、せりふは続いていたりしましてね。ディレクターは「時々休んで」って言うし、お茶の先生は「途中で休むということはしまへん。早くやってもらわないと湯が冷めてダマになります」と言うし(笑)。そのシーンが一番難しかったです。

-真田信繁役の堺雅人さんはいかがですか。

 「新選組!」のころからいい役者さんだなと思っていましたし、「半沢直樹」の時もファンでした。礼儀正しくて、慣れない私にも気を遣ってくださいました。大阪人としてはなんとか大坂冬の陣、夏の陣で徳川家康(内野聖陽)をやっつけてほしい。ぜひ生き残ってほしいです。

-ファンだったんですね。

 「半沢直樹」で、堺さん演じる半沢はねじをぎゅっと握って手が血だらけになっていましたが、あのねじを(自殺した父親役を演じていた笑福亭)鶴瓶さんからもらいました。それぐらいファンでした。ねじは鶴瓶さんが撮影セットのところから持ってきたらしいですわ(笑)。

-大谷吉継役の片岡愛之助さんとお話は?

 石田三成(山本耕史)との関係があったのかも知れませんが、まさかあの方(吉継)に切腹に追い込まれるとは…。控室では「食事行きましょう」とか言っていたのに、スタジオに入ったら目つきが違っていて(笑)。顔が怖かったです。役者さんってすごいですわ。

-演技の経験をしてみて、落語に何か影響はありそうでしょうか。

 落語は1人で、登場する全員の言葉をテンポ良く言わなくてはいけないのですが、演技には落語にはない人のせりふを待っている間(ま)というのがある。これは難しかったです。

-逆に出演が落語に生きたことは?

 僕の調べた利休で「茶聖・千利休傳」という創作落語を作りまして、もう高座にも2回かけました。蟄居(ちっきょ)を命じられて堺に行った利休を古田織部がなんとか慰めようとして、説教で面白い話をして回っていた安楽庵策伝という僧を連れて行くのです。策伝に利休を笑わしてくれと頼む、というお話。実は策伝は“落語の始祖”と言われている人でして、いろいろ関係深い。ですから すごく収穫のあった「真田丸」でした。

-切腹のシーンはいかがでしたか。

 桜の花が咲いている庭で、すごくきれいな切腹のシーンに作っていただきました。ただ、刀のところに手を当てて前を向きながら演じてくださいという指示に従ったら、手をぐっと入れた時に手のひらを突いてしまいまして、痛かったです(笑)。

-撮り終えた今の心境は?

 ほっとしたけど、もう少し利休が生きる方法はなかったのかなあとか、いろいろ考えます。利休が最後に茶会で会ったのは家康だと言われていますから、家康の回想シーンの中で出てこないかなあ(笑)。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

佐々木蔵之介「この映画を見た後で自分の気持ちがさまようようなところがあるので、誰かと一緒に見てほしいと思います」『名無し』【インタビュー】

映画2026年5月22日

 その男が右手で触れた瞬間、相手は消え、死が訪れる。世にも奇妙な凶器なき犯行と謎に包まれた動機とは…。俳優だけでなく、脚本家、映画監督としても活躍する佐藤二朗が、初めて漫画原作を手がけたサイコバイオレンスを、自らの主演・脚本、城定秀夫監督で … 続きを読む

宮野真守&神山智洋、初共演の二人が作り上げる、劇団☆新感線のドタバタ音楽活劇ミステリー 「多幸感にあふれた作品をお届けしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月22日

 宮野真守と神山智洋(WEST.)が出演する、2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」が、6月12日から上演される。本作は、脚本に劇作家の福原 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第19回「過去からの刺客」慶の心を動かした小一郎の言葉【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月21日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月17日に放送された第19回「過去か … 続きを読む

唐沢寿明「こんなにひどい男をやってよかったのかなという後悔はちょっとありました」『ミステリー・アリーナ』【インタビュー】

映画2026年5月21日

 推理力に覚えのある解答者たちが、国民的な人気を誇る推理ショーを舞台に、頭脳戦を繰り広げるさまを描いた深水黎一郎の同名小説を、堤幸彦監督が映画化した『ミステリー・アリーナ』が、5月22日から全国公開される。本作でクレージーな天才司会者・樺山 … 続きを読む

川島鈴遥、森田想「この映画は、ちょっと落ち込んだ時とかに見るといいかもしれません。きっと心が軽くなります」【インタビュー】『いろは』

映画2026年5月21日

 長崎で巻き起こる「ドロドロのダメ男巡り」と「ヒリつく姉妹の絆」を描いた青春ロードムービー『いろは』が5月22日から全国公開される。妹の伊呂波を演じた川島鈴遥と姉の花蓮を演じた森田想に話を聞いた。 -最初に脚本を読んだ時の印象から伺います。 … 続きを読む

page top