「私はこんなに小悪魔じゃないと思っていますけど」竹内結子(茶々) 【真田丸 インタビュー】

2016年4月8日 / 15:04

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、豊臣秀吉(小日向文世)の側室となる茶々を演じる竹内結子。人質として大坂城で秀吉に仕える主人公、真田信繁(堺雅人)ら家来たちを振り回す茶々の思いを語る。

 

茶々役の竹内結子

茶々役の竹内結子

-オファーを受けた時の感想は?

 やった、ついに大河に出られると思いました(笑)。

-撮影前に準備は?

 着物に慣れるために、改めて着付けを勉強中です。

-今回の台本で三谷幸喜さんらしいと感じるところは?

 思っていたより、せりふや言葉の運びが今どきの部分もあって、とても耳に入りやすいんです。登場人物たちの言葉のやりとりを聞いているだけでも面白いです。それに、三谷さんはどの人にもスポットが当たるように書いている。台本を読んでいる段階で、それぞれの方の声が聞こえてきます。ただ(あて書きだとしても)私はこんなに小悪魔じゃないと思っていますけど(笑)。そこは疑問ですね。

-三谷さんから茶々役について具体的なアドバイスはありましたか。

 茶々はどこか無邪気な人なので、言葉に裏を持たないでほしいと言われました。きっと生い立ちや感情をまた違った形で表そうという狙いがあるんじゃないかなと、私なりの想像ですが。まずはその時々の状況を面白がっている茶々であってほしいと言われています。

-茶々を演じるお気持ちは?

 気の強さだけがイメージとして確立されているのが私にとってはしゃくですが。いい意味での強さ、女として母としてのたおやかさがある女性になるといいなと思っています。

-現時点で、茶々をどういう女性だと捉えていますか。

 もし自分だったら親兄弟の敵のような秀吉さんとずっと一緒はつらいです。でもそういう時代だった、そういったものも受け入れられる強さを茶々は持っていると思います。生き延びようという気持ちを自分の中に養うために(努めて)笑顔でいる部分もあるでしょうしね。

-演じてみて気づいた茶々の魅力は?

 次から次にいろんな人が好きになってくれるところですね(笑)。でも危ない人でもあります。茶々の行動は一見火遊びのような、秀吉さんに対するゆがんだ当てつけのような感じもありますから。(人の心を惑わすような)蠱惑(こわく)的な女性ですし、周りの男性がなぜか放っておけないような感じがあります。

-茶々から見て信繁のどういうところが魅力的ですか。

 茶々から見ると毛布かな(笑)。持っていると落ち着く安心材料みたいな存在。甘えられる理想の兄のイメージなんでしょうかね。信繁さんはふわふわと温かくてお人好しですが、秀吉さんみたいに絶対的な力や言葉でひっぱってくれるわけではない。それでもこの人には何かをゆだねてみたい思わせるところですね。

-撮影時の堺さんの様子は?

 冷静に全体を見ています。撮影後にモニターで映像確認をする時、みんな自分の演技を見ていますが、堺さんはいろんな人のことをつぶさに見ています。リーダーだなと思いました。

-茶々の人生は作者の創作意欲をかき立てるほどドラマチックですね。

 自分が生まれた浅井(あざい)家の血が最後に残ればいいというだけではない何かがあると思います。でも野心家だったとは思わなくて。必然的にそうなってしまった人。茶々が行動を起こしたというよりは、彼女も何かに巻き込まれたうちの一人なんじゃないかと思うようになりました。でもその渦に振り回されずに中に入っていけるだけの精神的な強さはあると思います。

-最後に視聴者にメッセージを。

 敵を作りやすい女性と言われていますが、茶々なりの一途さも出てきますので、もし良かったら共感してほしいです。

 


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】“原爆の父”と呼ばれた男は一体何者だったのか『オッペンハイマー』/80年代と現代が交錯しながら合体している『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

映画2024年3月29日

『オッペンハイマー』(3月29日公開)  才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、第2次世界大戦中、核開発を目的とした米政府のマンハッタン計画において、原子爆弾開発プロジェクトの委員長に任命される。  だが、実験での原爆の威力 … 続きを読む

岡本圭人、岡本健一と2度目の親子共演への思い 「成長した姿を見せられたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年3月27日

 若村麻由美と岡本圭人、岡本健一が出演する舞台「La Mère 母」と「Le Fils 息子」が2つの劇場で同時上演される。同作は、劇作家フロリアン・ゼレールによる家族三部作のうちの2作で、若村が主演する「La Mère 母」は日本初上演、 … 続きを読む

「光る君へ」第十一回「まどう心」互いの思いとは裏腹に、さらに開くまひろと道長の距離【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年3月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。3月17日に放送された第十一回「まどう心」では、藤原兼家(段田安則)によるクーデター“寛和の変”の事後処理、およびそれに伴う主人公まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)の行動が描かれた。  兼 … 続きを読む

【週末映画コラム】4K復元版で「ドル3部作」を一挙上映『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』

映画2024年3月22日

 監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネ、主演クリント・イーストウッドという伝説のトリオが放った「ドル3部作」(「ドル箱3部作」と表記されることも多い)が、マカロニ・ウエスタン誕生60周年を記念し、4K復元版として3月22日から一 … 続きを読む

「生への回帰というのがこの映画の目指したところです」荒木伸二監督、若葉竜也『ペナルティループ』【インタビュー】

映画2024年3月21日

 朝6時、いつものように目覚めた岩森淳は、恋人の砂原唯(山下リオ)を殺した溝口登(伊勢谷友介)を殺害する。翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、なぜか溝口も生きている。そして今日もまた、岩森は復讐(ふくしゅう)を繰り返していく。荒木伸二監 … 続きを読む

Willfriends

page top