【ライブリポート】佐藤流司バンドプロジェクト、The Brow Beat初の日比谷野外音楽堂ライブで見せたロック魂

2018年5月13日 / 18:00

 アンコールでは、一転して、アコースティックタイムに。ツアー中から、アンコールでは気ままなトークが展開されて、ファンを楽しませていたが、この日は「子どもの頃の思い出」をトークテーマに話が進んだ。話題を振られた鳴風は、「猫を拾った。名前はミヤ。冬だったから、フードの中に猫を入れて連れていた」というほのぼのとした思い出を紹介。すると、猫好きとして知られるRyujiもたまらず「私も猫を飼っているんですけど…」と話し出し、「今日、出てくるとき、頑張れよって背中を押してくれました。爪が立っているんで血がちょっと(出た)」というエピソードを披露した。

 さらに、小学生のときの学芸会の話から「人とのつながりを再確認するライブにしたい」と締めくくると、中島みゆきの「糸」を情感たっぷりに聞かせる。そして、CHIROLYN、かどしゅんたろうが加わり、hide with Spread Beaverの「ROCKET DIVE」。会場にはファンのクラップが響き渡り、熱い一体感を感じさせた。

 歓声に応えて行われた2度目のアンコールでは、「新曲が1曲だけというのも味気ないと思うのでもう1曲」と「仮面の告白」がサプライズで演奏された。美しくも切なく、一度聞いたら耳から離れないメロディーが印象的な楽曲だ。王道ではあるものの、The Brow Beatにはこれまでなかったタイプの楽曲でもあり、新鮮さが際立つ。

 その後、ドンペリのピンク(高級シャンパン)を持って登場したHAKUEIが「The Brow Beatを応援してくださっている皆さんのために開けたいと思います」とシャンパンで恒例のお祝い。シャンパンを一気飲みしたRyujiは「せっかくなので野音をぶっ壊して帰りましょう! こよい、一つの歴史ある建造物がなくなります。ぶっ壊す、準備できていますか?」と客席を盛り上げると、ファンのテンションは爆発する。「日本」「アイリス」とラストまで一気に駆け抜けた。

 “俳優・佐藤流司”が「舞台」で見せるパフォーマンスでも歌でもない、ミュージシャン・Ryujiのロック魂が際立ったこの日のライブ。Ryuji自身が全力で楽しみ、ステージを堪能していることを肌で感じられ、観客たちも終始熱い思いがあふれ出していた。この夜の余韻は胸に残り続けることだろう。

(取材・文/嶋田真己)

The Brow Beatによる日比谷野外大音楽堂でのライブの様子


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】時空を超えた愛の行方は『楓』『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』『星と月は天の穴』

映画2025年12月20日

『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』(12月19日公開)  友人の結婚式で知り合ったデビッドとサラは、レンタカーのカーナビに導かれ奇妙なドアにたどり着く。そのドアの先は、それぞれの「人生で一番やり直したい日」につながっていた。“ … 続きを読む

北香那「ラーメンを7杯くらい食べたことも」天野はな「香那ちゃんのバレエシーンは見どころ」 「ラーメン」と「クラシック・バレエ」が題材のコメディーで共演 NHK夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」完成会見

ドラマ2025年12月19日

 12月19日、東京都内のNHKで、1月5日からスタートする夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」の完成会見が行われ、主人公・千本佳里奈(ちもと かりな) 役の北香那、佳里奈の親友・二木優美(ふたぎ ゆみ) 役の天野はながドラマの見どころを語ってくれ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(9)浅間神社で語る「厄よけの桃」

舞台・ミュージカル2025年12月18日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。  前回は、玉田家再興にあたり「三つ … 続きを読む

石井杏奈「人肌恋しい冬の季節にすごく見たくなる映画になっています」『楓』【インタビュー】

映画2025年12月17日

-実際に福士さんと共演してみていかがでしたか。  とてもすてきな方で、待ち時間にちょっとお話できたんですけど、すごく温厚な方でした。お芝居に関してはすごく真面目でストイックで、「このせりふはこうやって言ってみるのもありかも」というような優し … 続きを読む

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

-ご自宅でも絵の練習をされたそうですね。  台本が来るたびに絵を担当するチームとの打ち合わせがあり、練習用の絵が並んだ計算ドリルのようなプリントを数十枚いただくので、それを自宅に持ち帰り、宿題のように繰り返し描いて練習していました。 -歌麿 … 続きを読む

Willfriends

page top