【映画コラム】どちらも“全力疾走”が見せ場の『駆込み女と駆出し男』と『ラン・オールナイト』

2015年5月16日 / 20:14
(C) 2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会

(C) 2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会

 そのタイトル通り登場人物たちの“全力疾走”が大きな見せ場となる『駆込み女と駆出し男』と『ラン・オールナイト』が16日から公開された。

 『駆込み女と駆出し男』は、江戸時代、幕府公認の縁切り寺である鎌倉・東慶寺に駆け込んださまざまな事情を持った女たちを描く群像時代劇。彼女たちの身柄を一時預かり、離縁の調停を行う御用宿の居候で戯作者見習いの信次郎(大泉洋)が語り部的な役割を果たす。

 原案は井上ひさしの『東慶寺花だより』だが、監督・脚本の原田眞人はタイトルを大胆に改変。東慶寺に向かうじょご(戸田恵梨香)が足を痛めたお吟(満島ひかり)を大八車に乗せて疾走、その後を追う信次郎というシーンや、大泉をはじめ、登場人物が早口でせりふをまくし立てるシーンにタイトル通りのスピード感を出した。

 その反面、市川崑の諸作や黒澤明の『赤ひげ』(65)からの引用を行いながら“静かなシーン”もきっちりと見せる。動と静の対照の妙が楽しめる一編になっている。 

 

 
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