【映画コラム】二律背反する思いを抱かされる『すばらしき世界』

2021年2月10日 / 06:30

 不遇な生い立ちを背負った一匹おおかみの元やくざ三上。複雑でコロコロと態度が変わるこの男を、役所は、表情やしぐさ、あるいは口跡を変化させながら見事に演じているが、仲野や六角が示した変化に富んだ演技とのコントラストもまた見事だった。彼らからこうした演技を引き出した西川監督の手腕も大いに認めたいと思う。(田中雄二)

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