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第三十八回で、信長からもらったマントを身につけた光秀を囲むほほ笑ましいやり取りも記憶に新しいところ。そのだんらんの様子も、もう見られないのかと思うと、緊迫感が増し、大詰めが近づいていることを実感させられる。
また、戦国時代と現代を比べるのは安易かもしれないが、その後に待ち受ける運命を知らずに生きる岸やたまの姿は、コロナ禍という予想外の困難に直面した私たちにも通じる部分があるようにも思える。
「岸やたまの子は、戦を知らずに育つでしょうか」。これは、劇中で熙子が最後に残した言葉だが、そんな彼女たちに思いをはせてみると、物語がより深く味わえるのではないだろうか。(井上健一)