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そこに、この短い芝居を挟むことで、それが信長の望む通りに事が運んでいるからに他ならないことが分かる。もし、2人の考えにずれが生じ、光秀が信長の期待する行動を取れなくなくなったら…? 信長が見せた冷たい表情には、そういう事態を予感させる不穏な空気が漂い、物語全体を引き締めていた。
信長の一瞬の表情ににじむ光秀との微妙なすれ違い。この小さな隙間が「本能寺の変」に向けてどう広がっていくのか。他の場面での力強さとは異なり、「ひょっとしたら、信長自身も気付いていないのでは…?」と思わせる微妙な感情がにじむ染谷の演技も素晴らしく、その熱演に注目しつつ、物語の行方を見守っていきたい。(井上健一)