【コラム】俳優・大泉洋 笑いの根底にある「優しさ」と「真面目さ」

2019年1月4日 / 12:00

 俳優・大泉洋の勢いが止まらない。昨年は『恋は雨上がりのように』、『焼肉ドラゴン』、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』などの出演映画が相次いで公開された他、テレビドラマ「黒井戸殺し」(フジ系)、「あにいもうと」(TBS系)にも出演するなど多忙を極めた。25日からは、北海道映画シリーズの第3弾となる『そらのレストラン』も公開される。

(C)2018映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 (C)2014 眉月じゅん/小学館

 そんな大泉は、報道陣にも受けがいいことで知られる。イベントでは、そのマシンガントークで必ず会場を盛り上げてくれる。ただ、その面白さを漏れなく伝えようと、コメントをそのまま書き起こすと、とんでもない文字数になるので記者泣かせでもあるのだが…。

 実際、周囲の記者に聞くと、「大泉さんが好き」「インタビューするのが楽しみ」という人はとても多い。その人たらしぶりはすさまじいばかり。一体その魅力はどこからくるのかを、舞台あいさつなどから探ってみた。

 大泉が、イベントなどでその才能を最も発揮するのは「トーク力」だ。舞台あいさつでは、初めの一言あいさつでドカンと一発かます。観客から笑いが起きると、それを新たなエネルギー源としてどんどん調子づく…といった具合だ。

 笑いの基本は「ぼやき節」。大泉がぼやけばぼやくほど観客は喜ぶ。共演者からの大泉に対するクレーム、あるいは失言が飛び出そうものなら、「待ってました!」と言わんばかりに大泉は憤慨して騒ぎ出す。まるで水を得た魚のように…。

 映画『恋は雨上がりのように』で共演した小松菜奈との、舞台あいさつでの掛け合いでも、そうした光景が見られた。

 この映画で大泉が演じたのは、小松演じる女子高生から片思いされるファミレスの店長役。実際の年齢差は「23歳」という2人。イベントで、「年の差のギャップを感じたことはあった?」と聞かれた小松が「1回もない」と答えると、途端に大泉が「なきゃないで、それも問題。23歳差があるわけだから」とぼやき始めた。

 さらに「相手の話が理解できない瞬間があった?」と聞かれた小松が「イエス」と本音を漏らすと、すぐさま大泉が食いついた。「一体いつのことか?」と詰め寄る大泉に、小松は「大泉さんが昔の番組のことを話されたとき、とてもうれしそうにされていたので、『分からないです』とは言い出せなくて…」と告白。すると大泉は「めちゃくちゃ気を使わせているじゃないですか」と大声で嘆いて、笑わせた。

 2017年公開の『探偵はBARにいる3』のイベントの際も、大泉は相棒役の松田龍平と見事なコンビネーションを見せた。

 イベントでは、東映の岡田裕介会長から届いた手紙がサプライズで読み上げられた。それは「『一生、バーにいる宣言』をお待ちしております」という、映画の長期シリーズ化を熱望する内容だった。

 「もちろん続けますよ!」とやる気満々の大泉に対し、松田は「1回、ちょっと(話を)持ち帰らせてください」とまさかの保留。大泉は「おまえ、事務所の人間か? 『一度持ち帰らせてください』って、マネジャーの常套句だよ。俳優の言う言葉じゃない。いやいやいや、東映さんが続けてくださいっていっているじゃない!」とまくし立てた。

 もちろん、こうした「憤慨」や「ぼやき」は、相手との信頼関係があればこそ成立しているのは確かだ。

 また、吹き替えを務めたアニメーション映画『グリンチ』(公開中)の製作発表で、自身の幼少期について聞かれた大泉は、以下のようなエピソードを語った。

 「記憶にある限り、人を笑わすことが好きで、そればっかり考えていた子どもでした。ひょうきん者というか、他のことには何も興味がなかった。昆虫採集や、ガンダムのシール集めもしなければ、プラモデルにも興味がない。お笑い番組ばっかり見ていました」

 「高校のときの芸術鑑賞で落語を聞きに行ったのですが、他の連中が全くテンションの上がっていない中、俺だけが盛り上がっていた。『師匠が来るぞ~!』ってね」

 
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