激動の幕末を刀一本で生き抜き“人斬り抜刀斎(ばっとうさい)”と呼ばれた伝説の男・緋村剣心を描き、大ヒットを記録した『るろうに剣心』。シリーズ完結作となる『京都大火編』と『伝説の最期編』が2部作連続で8月1日と9月13日から公開される。
本作で主役の緋村剣心を演じた佐藤健がインタビューに応じ、作品に対する熱い思いや見どころを語った
―続編製作の決定を聞いたときの感想は。
また見たいと思ってくださる方がいるというのは、ありがたいしうれしかったです。でも、その分越えなければならないハードルも高くなると思いました。
―クランクインの前後で心境に変化はありましたか。
クランクインの前は不安な要素もありましたが、クランクインしてからは「こうやりたい」と思うことを(大友啓史)監督と話し合い、台本に付け足していくという作業もさせていただきました。半年間の過酷な撮影を経てクランクアップした時は「いけた」という手応えがありました。
―剣心を演じる上で気を付けたことはありますか。
剣心は仙人とか達人のような感じで人間っぽくないんです。だから無駄な動きをしないようにしました。それと原作のファンの方にも納得していただけるような作品にしたかったので、常に「ちゃんと原作の魂をくんでできているか」ということを意識しながら演じていきました。
―作品の中でお気に入りのキャラクターは。
やっぱり剣心です。“最強”なところはもちろん、剣心は敵味方にかかわらず出会った人に対して正しい言葉を掛ける人だと思うので、人生の師匠みたいに思っているところがあります。でも、実は過去にすごいトラウマ(心的外傷)があって、心に大きな傷を負っているんです。そんな人間的なところも好きです。
―剣心と自分が似ていると思うところはありますか。
剣心が話すことに共感できるので、思想は似ているのかなって思います。プライベートでも「こういうときに剣心だったらどうするんだろう」と思ったりもします。本当は「自分も全部剣心みたいにできたらいいのに」と思うけど、なかなかできないです(笑)。
―剣心のまねをしたいと思う一番の部分は。
何をされても怒らないところ。剣心の全ての行動理念は「人のため」なんです。
―剣心は佐藤さんご自身にとってはどんな役になりましたか。
いろいろな先輩の俳優さんから「俳優はヒット作と代表作の二つがなければ駄目だ」というお話をしていただいたので、自分にとっての代表作と呼べる作品ができた気がしてすごくうれしいです。
―剣心以外のキャラクターについてはどう思いますか。
僕は原作の「時代に順応できず不器用に生きる悲しい男たちの物語」というところが好きです。その点、今回演じてくださった方は皆さん素晴らしくて、原作の一ファンとして見ても、本当に完璧なキャスティングだと思いました。
―敵役の藤原竜也さんとは初共演でしたが、何か影響は受けましたか。
藤原さんとは散々アクションをやりましたが、クライマックスのアクションシーンの終わり方が全然見えてこなくて、「戦いをどう終わらせるか」という話し合いをたくさんしました。一週間の撮影でしたが、最後の日のギリギリの時間まで答えが出なかったので話し合いを重ね、その中でたくさんの刺激を受けました。
―一番好きなシーンと一番大変だったシーンを教えてください。
好きなシーンは『京都大火編』の冒頭のシーンです。開始5分ぐらいで「この世の終わりみたいなクライマックスが来ちゃってる!」と思いました。大変だったのは『伝説の最期編』のラストシーン。なのでぜひ両方を見ていただきたいです(笑)。
―長い撮影を終えて、今思うことは。
最後まで撮り切れたことが奇跡だと思っています。本当に危険なアクションシーンの連続だったので常に集中を切らさないようにしながら撮影しました。
―最後に、映画をご覧になる方にメッセージをお願いします。
自分が出ているからということではなく、この映画は今まで見たことのない革命的なソードアクションで、日本映画の歴史を変える作品になったと思います。“日本人なら見ておくべき映画”の一本になったのではないかと。監督が「ステーキにトリュフを乗せて、その上にふかひれスープを掛けるみたいな、とにかくすごいことをしたかった」とおっしゃっていましたが、まさにそんなすごい映画になっています。本当に一人でも多くの方に見ていただきたいです。
公開情報
『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』
8月1日(金)、9月13日(土)二部作連続全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画