【インタビュー】『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』武井咲「剣心って本当にカッコいいなって思いました」

2014年7月28日 / 12:00

 激動の幕末を刀一本で生き抜き“人斬り抜刀斎(ばっとうさい)”と呼ばれた伝説の男・緋村剣心(佐藤健)を描き、大ヒットを記録した『るろうに剣心』。シリーズ完結作となる『るろうに剣心 京都大火編』と『るろうに剣心 伝説の最期編』が2部作連続で8月1日と9月13日から公開される。前作に続いて剣心に思いを寄せるヒロイン神谷薫を演じた武井咲がインタビューに応じ、本格的に稽古を積んで挑んだアクションシーンや撮影現場の様子などを語った。

剣心に思いを寄せるヒロイン神谷薫を演じた武井咲

―撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。

 「『るろうに剣心』を超えるぞ」というものすごいパワーと熱量のある現場でした。今回はみんなで食事に行ったりする機会はなかったんですけど、みんながどこかでつながっていて「一緒にものすごい景色を見よう」という勢いが感じられる緊張感のある現場でした。

―今回は武井さんも激しいアクションに挑んでいますが、ご苦労はありましたか。

  なぎなたを使うアクションをやるので、撮影の1カ月前からビデオを見て練習して臨みました。でも、実際に現場に行ったら環境も違うし、相手の方が「本気で殺すぞ」というような迫力でかかってくるので、怖くて必死でした(笑)。

―共演者の方とはどんな話をしましたか。

  現場ではみんながこの作品のことしか考えていなくてとても真剣だったので、あまり話はしませんでした。ただ冒頭のシーンの撮影のときに健さんや青木(崇高)さん、蒼井(優)さんと「またみんなで会えてうれしい。『るろうに剣心』の時がタイムスリップして戻ってきたようだね」という話はしました。

―今回も佐藤健さんが過激なアクションに挑んでいますが、佐藤さんの印象に変化はありましたか。

  健さんは、体力的にも精神的にもとても大変だったと思うんですけど、現場ではそういう姿は一切見せずに、ずっと剣心でいてくれました。『るろうに剣心』でもあれだけすごいアクションに挑んだのに、今回は「さらに高い壁を登りたい」という野望を持っていて、「剣心って本当にカッコいいな」と思いました。「そりゃあ薫ちゃんも付いていくわな」って感じです(笑)。

―薫の剣心に対する真っすぐな思いを表現する上で、意識したことはありますか。

  薫ちゃんは一生懸命な女の子。(大友啓史)監督とは「アクションシーンこそラブシーンだ」という話をしました。戦えば戦うほど剣心への思いが表れてくる気がするし、「アクションシーンが好きです」って言っているようなシーンにしたかったので思いっ切りぶつかっていきました。「剣心のためなら私は戦うんだ」という強い思いを持ってアクションシーンをやりました。

―佐藤健さんと一緒のアクションシーンでは、お互いに演技の話はしましたか。

  「本当に会わないね」「ずっと京都に(撮影に)行っちゃうから」という話はしました。「この間のアクションシーン見たよ、すごく良かった」と言ってくれたりもしましたけど、健さんは言葉を掛けるというよりも見せて示してくれる人なので、お互いに刺激し合って高め合うような関係です。

―武井さんと薫に共通する部分はありますか。

 本当にこの時代に生きていたらすごくいいなって思います。メールや電話やLINEなどで好きとか嫌いとかを言うのではなくて、自分自身で表現するというアプローチの仕方はとてもすてきだなって思うから、私も薫みたいな人でありたいなって思います。

―今回でシリーズは完結します。薫と離れることに寂しさは感じますか。

 この時代について知りたいことはまだたくさんあるし、薫ちゃんからピュアな気持ちをもらうと心が洗われるというか、これでいいんだって思える時間もあって…。彼女の性格がとても好きなので頻繁に会いたいです(笑)。薫ちゃんは「これぐらい真っすぐで素直な人が周りにいたら本当にいいなあ」と思える人です。

―大友監督から何か要望はありましたか。

 「前回よりも成長した薫でいてほしい」といつも言われていました。監督はあまり要望をおっしゃらないので、キーワードから自分で役柄を広げていくというスタンスでしたけど、私は剣心を思う気持ちの強さがあってこその薫だと思っていました。動乱の時代だからこそ強さが大事なのかなと。だから平和な今、このシリーズを見ると、とても新鮮で新しい世界のように感じるところがあります。でも「人間の本来の姿はこういうものなんじゃないかな」とも思います。

(取材・文/田中雄二)

 公開情報:『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』8月1日(金)、9月13日(土)二部作連続全国ロードショー。配給:ワーナー・ブラザース映画。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】『六人の嘘つきな大学生』/『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)

映画2024年11月22日

『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開)  大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。  全員での内定獲得 … 続きを読む

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

Willfriends

page top