真彩希帆、憧れの「モーツァルト!」でコンスタンツェ役 「この作品を見に来て良かったと感じていただきたい」【インタビュー】

2024年7月26日 / 08:50

 「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”の35年の生涯に迫る、ミュージカル「モーツァルト!」が、8月19日から帝国劇場にて上演される。2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた本作。約3年ぶりとなる今回の上演では、古川雄大と京本大我が、タイトルロールのヴォルフガング・モーツァルトをWキャストで務め、モーツァルトの妻となるコンスタンツェを真彩希帆が務める。真彩に公演への意気込みや役作りについて、さらには宝塚歌劇団在団当時から現在までの“演じること”への思いを聞いた。

真彩希帆 (C)エンタメOVO

 - 出演が決まったときの心境を教えてください。

 2002年の日本初演を拝見して以来、大好きな作品だったので、お話をいただけてとてもうれしかったです。初演では、井上芳雄さんと中川晃教さんがヴォルフガングを演じていらしたのですが、音楽とともに縦横無尽に舞台を駆け回る姿に感動しました。

-今回、演じるコンスタンツェという役柄について、今どのようにとらえていますか。

 (取材当時)まだ稽古が始まっていないので、漠然としたものになってしまいますが、やはり(初演で見た)松たか子さんのイメージが大きいですね。当時は、私はまだ子どもだったので“大人の女性”という印象を強く感じました。ただ、今、自分が演じるとなると、必ずしもそれだけではなくて。上の世代の方から見たら、コンスタンツェはまっすぐで不器用に映るかもしれませんし、逆に下の世代から見ると大人っぽいと思うのかもしれない。そうしたいろいろな表情を稽古を通して見つけていきたいと思っています。

-台本を読んでどんなことを感じていますか。

 実はまだ、サラッと読んだだけで、読み込んでいないんです。というのも、読み込んでしまうと自分の中のイメージが固定されてしまうように思うので。なので、役柄についてはあまり固めずに、今は漠然と読んで、古川さんや京本くんがどんなお芝居をするのかで変化させていきたいと思っています。

-なるほど。あえて漠然と役をとらえている、と。

 この作品だけでなく、いつもそうするようにしています。やはり稽古が始まって初めてそのカンパニーの空気感や演出家の方が求めていらっしゃる空気感が分かりますし、それによってキャラクターも大きく変わるものだと思います。今回も、本読みや歌稽古で合わせたときに見える景色を楽しみにしています。

-古川さんと京本さんの印象は?

 芸事にとても真っすぐなお二人だなと思います。そして、見に来てくださるお客さまのことをとても大事に考えていらっしゃることを感じます。古川さんとはミュージカル・ピカレスク「LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」でご一緒させていただきましたが、真摯(しんし)な姿勢で臨まれていて、役柄についてやお芝居についてのお話をたくさんさせていただきました。稽古が終わった後に一緒に自主稽古をさせていただくこともありました。

 京本くんとは、オリジナルミュージカル「流星の音色」という作品でご一緒させていただきましたが、稽古が夏で、毎日暑くて。稽古場にアイスが売っていたので、京本くんが私と後輩の子たちにアイスを買ってくれたことがありました(笑)。稽古では、どうやっていくかを時間も惜しまずに話してくださり、とてもありがたかったです。

 「LUPIN」も「流星の音色」も新作だったということもあり、考えれば考えるほど、どうしたら良いのだろうということが出てくるので、たくさんお話をさせていただき、良いものを作ろうと同じところに向かっていけたという思い出があります。

-今回の共演ではどんなことを楽しみにしていますか。

 お二人とも、ご一緒した作品ではデュエットが少なかったので、ハモるということがなかったんですよ。なので、今回、デュエットできることが1番の楽しみです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

吉田恵里香氏 憲法第十四条は「人間らしく生きるためのスタートライン」 「虎に翼」脚本家が作品に込めた思い(後編)【インタビュー】

ドラマ2024年9月15日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。女性として日本で初めて法曹界に飛び込んだ主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)の物語は、まもなくクライマックスを迎える。数十年前の戦前から戦後の昭和を舞台にした物語は、私たちが生きる現代にも重なり、大き … 続きを読む

吉田恵里香氏「みんなが自分の望む場所に立てることが大切」 「虎に翼」脚本家が作品に込めた思い(前編)【インタビュー】

ドラマ2024年9月15日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。女性として日本で初めて法曹界に飛び込んだ主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)の物語は、まもなくクライマックスを迎える。「女性の社会進出」や「女性の生きづらさ」を描いた物語は、数十年前の戦前から戦後の昭 … 続きを読む

「光る君へ」第三十四回「目覚め」一条天皇との関係に悩む中宮・彰子に訪れた変化の兆し【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年9月14日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。9月8日に放送された第三十四回「目覚め」では、興福寺の僧侶たちによる騒動や「曲水の宴」といった出来事を通じ、これまで、夫である一条天皇(塩野瑛久)との関係に悩む中宮・彰子(見上愛)に変化の兆しが … 続きを読む

【週末映画コラム】どちらもだまされる楽しさが味わえる『ヒットマン』/『スオミの話をしよう』

映画2024年9月13日

『ヒットマン』(9月13日公開)  ニューオーリンズで暮らすゲイリー・ジョンソン(グレン・パウエル)は、大学で哲学と心理学を教える傍ら、偽の殺し屋に扮(ふん)して依頼殺人の捜査に協力していた。普段はさえないゲイリーが、「顧客」に合わせたプロ … 続きを読む

鈴木伸之「何かを諦めてしまった人や挫折した人に響く作品にしたい」 戦力外通告を受けた元プロ野球選手役【インタビュー】

ドラマ2024年9月13日

 鈴木伸之が主演するドラマ「バントマン」(東海テレビ・フジテレビ系)が10月12日23時40分から放送スタートする。  本作は中日ドラゴンズの全面協力で実現したスポーツ・エンターテインメントドラマ。元プロ野球選手の主人公・柳澤大翔(鈴木)が … 続きを読む

Willfriends

page top