「どうする家康」クランクアップの音尾琢真からコメント到着 「改めて殿って本当によく泣くなと思います。(笑)」

2023年11月5日 / 20:45

 嵐の松本潤が主演するNHK大河ドラマ「どうする家康」の第42回が5日に放送され、鳥居元忠役を演じクランクアップを迎えた音尾琢真からコメントが届いた。

「どうする家康」(C)NHK

-クランクアップを迎えた今のお気持ちをお聞かせください。

 次々と他の家臣団がアップしていったので、いつか自分もと思ってはいましたが、いざ迎えてみるとやっと抜け出せたような、寂しいような…。長いこと撮影していましたので、本当に終わったんだろうかと、実感が持てず不思議な気持ちです。でもこの作品に参加できて良かったなと、しみじみ感じております。

-千代と結ばれることについていかがですか。

 役について学ぶ中で、武田家の女性をちゃっかり自分の奥様にしていたというエピソードは知っていたので、今作でも描かれるのかなと気にはなっていました。結果的に千代さんを妻にするという思いもよらない形で描かれました。

 当初は想定されていなかったそうですが、ある日突然、監督から「千代と結婚することになりそうなんですけど、彦さんどうですか」「武田の女性を見つけ出して妻にしたという言い伝えとジョイントした形にはなるんですけど…」と言われました。相手がまさかの千代ということで、台本を頂く前はいつか寝首をかかれるのかなと想像しましたが、いざ台本が完成すると、彦さんはOKだけど周りの皆が反対するという形。なるほど、と思いました。

 このエピソードを描いてくれて良かったなと思いましたけれど、これは千代人気が高かったから再登場させたんじゃないか!?と個人的には訝しんでおります。(笑)

「どうする家康」(C)NHK

-第42回の台本を初めて読んだ時の印象は?

 伏見城の戦いといえば、“血天井”をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、配下の皆さんとともに戦い抜いて死ぬ、古風な時代の男らしさというか。壮絶で孤独なにおいがするイメージでした。でも今作では千代さんが側にいるので、妙に幸せなムードもあるというのが新しいなと思いました。

 伏見城で千代と最後に言葉を交わすシーンで、僕は遠くを見ていました。そのシーンの撮影後、監督から「あれはどういう表情だったんですか。殿を思っていたんですか」と聞かれましたが、改めて振り返ると「違うなぁ」と思って…。武士として殿のために死ねるというだけで幸せなのに、隣をみたら千代がいて最期まで一緒にいられてさらに幸せで。

 元忠さんにとっては、本当に幸せでしかない時間だったのかなと思いました。撮影が始まった頃には全く想像もしていなかった最期になりました。

 元忠さん一人で最期を迎えていたら、もっと混沌(こんとん)とした空気になっていたんじゃないかと思いますし、従来の戦国作品であればこういう描き方にはならないと思いますが、まだまだ幸せが続きそうとさえ思えるような、「どうする家康」ならではの新しい描き方になっていて良いなと思っています。

-第41回 殿と最後に言葉を交わすシーンについて(伏見城の留守を任される場面)。

 事前に台本を読んでいる時点では、お互い涙する場面なのかなと想像はしつつも、泣けるのかな…一気にそこまでいけるのかな…と一人で考えていました。でも殿とあらかじめ読み合わせをして、目を見た時、「これは泣けるな」とすぐに分かりました。殿にもそう伝えると、「俺もやばい、泣く場面のもっと前から泣きそうでどうしよう」と言っていまして。(笑) 戦のない太平の世を成し遂げるまでは涙の別れはしない、という思いでやっていたと思いますが、すぐ泣きたくなっちゃうらしいので。あの撮影の間、殿も泣かないように頑張っていたそうです。

 この作品を振り返ると、改めて殿って本当によく泣くなと思います。(笑) お芝居の中ですけど、松本潤という人は感情がピュアでよく泣けるというか。ストーリーの中にすっと入って涙を流される方で、いつもすごいなと思っていました。それがこのシーンでも、現れていたと思います。単純にセリフとセリフをぶつけ合うのではなく、役としての気持ちと気持ちの交換がきちんとできる人なんだなと思っていました。

「どうする家康」(C)NHK

-あらためて徳川家臣団の思いをお願いします。

 家臣団メンバー皆が、クランクインしてからずっと変わらず持ち続けていた共通の思いがあると思っていて。それは、役として徳川家康という人を支えたいし、役者として松本潤さんという人を支えたいという気持ちです。それを、一人一人が、それぞれのやり方で実行してきたという感じがします。

 誰もが自分勝手じゃなくて。自分が“こうしたい”“こう魅せたい”ということよりも、何より殿を支えたいという気持ちを持って作品に参加していたと思うので、それが素晴らしいし、良いチームだったなと思っています。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「場所と人とのリンクみたいなのものを感じながら見ると面白いと思います」今村圭佑撮影監督『青春18×2 君へと続く道』【インタビュー】

映画2024年5月9日

 18年前の台湾。高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)はアルバイト先で4歳年上の日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い、恋心を抱く。だが、突然アミの帰国が決まり、落ち込むジミーにアミはあることを提案する。現在。人生につまずいた3 … 続きを読む

田中泯「日本の政治に対する僕自身の憤りに通じる部分も多かった」世界配信となる初主演のポリティカル・サスペンスに意気込み「フクロウと呼ばれた男」【インタビュー】

ドラマ2024年5月9日

 あらゆるスキャンダルやセンセーショナルな事件を、社会の陰に隠れて解決してきたフィクサー、“フクロウ”こと⼤神⿓太郎。彼は、⼤神家と親交の深かった次期総理候補の息⼦が謎の死を遂げたことをきっかけに、政界に潜む巨悪の正体に近づいていくが…。先 … 続きを読む

海宝直人&村井良大、戦時下の広島を舞台にした名作漫画をミュージカル化 「それでも生きていこうというエネルギーをお見せしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年5月9日

 太平洋戦争下の広島県呉市に生きる人々の姿を淡々と丁寧に描いた、こうの史代氏による漫画「この世界の片隅に」がミュージカル化され、5月9日から上演される。主人公の浦野すず役をWキャストで務めるのは、昆夏美と大原櫻子。すずが嫁ぐ相手の北條周作を … 続きを読む

「ジョンは初恋の人、そしてかけがえのない友達」『ジョン・レノン 失われた週末』メイ・パン【インタビュー】

映画2024年5月9日

 ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が別居していた「失われた週末」と呼ばれる、1973年秋からの18カ月の日々。その時ジョンは、彼とヨーコの元・個人秘書で、プロダクション・アシスタントを務めていた中国系アメリカ人のメイ・パンと恋人関係にあった … 続きを読む

北村匠海「長谷川博己さんのお芝居は、やっぱり迫力がすごい」 日曜劇場「アンチヒ-ロ-」【インタビュ-】

ドラマ2024年5月8日

 長谷川博己が主演を務める日曜劇場「アンチヒーロー」(TBS系)が放送中だ。本作は殺人犯をも無罪にしてしまう“アンチ”な弁護士・明墨正樹(長谷川)の姿を描き、視聴者に“正義とは果たして何なのか? ”“世の中の悪とされていることは、本当に悪い … 続きを読む

Willfriends

page top