エンターテインメント・ウェブマガジン
米ニューオーリンズの「アップステアーズ・ラウンジ」という同性愛者クラブで、1973年に実際に起きた未解決事件を基にしたミュージカル「The View Upstairs-君が見た、あの日-」が、2022年2月1日から上演される。現代から73年にタイムスリップしてしまう、若きデザイナーのウェスを演じる平間壮一と、ウェスに引かれていく若い男娼パトリックを演じる小関裕太に、本作への出演が決まった心境や、12年ぶりとなる舞台共演への思いを聞いた。
平間 僕は、意外でした。裕太との共演がうれしい気持ちはもちろんあったのですが、あまりにも久しぶりなので、2人が同じステージに立つとどうなるんだろうとも思いました。
平間 ライブ(AMUSE PRESENTS SUPER ハンサムLIVE)では、少し前にもありましたが、お芝居だとだいぶ前だよね。「BLACK&WHITE」(10年上演)以来かな。あれはいつだった?
小関 12年前です。僕も、今回ご一緒できるというので、昔のことを思い出していたのですが、僕は初めてご一緒した「FROGS」(07年上演)のことが印象に残っています。当時、僕はまだ小学6年生で、待機時間中に冷凍庫にぬれたティッシュを入れておいて、練習が終わって開けてみて凍っていることに喜んでいるような時期だったので(笑)、壮一さんをはじめとした共演者の皆さんはすごくお兄さんに見えました。その壮一さんとこういう形で共演できるということは、僕にはすごく感慨深いです。僕、当時、壮一さんが子どもたち皆にプレゼントしてくれたキャップはまだ実家に飾ってあるんですよ(笑)。
平間 それはうれしい!
小関 ドラッグをやっていてタイムスリップするという非現実的な設定ではありますが、実際に起こった事件を基にしているストーリーなので、説得力があると思いました。当時と今とではゲイカルチャーに対する世間の認識も違っていますが、それらも含めて、綿密に作られた作品で、個人的に歌の練習をスタートしてからは、歌詞の中にもたくさんのストーリーが描き出されているのを感じています。この作品には「芸術を取り戻そう」という大きなテーマがあります。「全てを肯定し、彼らの虚しい思いや悔しい思い、ハッピーな思いを今、自分たちの手で芸術として表そう」ということが描かれているので、コロナ禍の今と通じるところがあり、今上演することに意味がある作品だと思いました。
平間 日本でもゲイカルチャーやLGBTは徐々に受け入れられてはいますが、それでも決して完全ではないと思います。そんな今、このテーマの作品に出演することで、僕は何を伝えればいいのか、一番最初に考えました。(取材当時は)まだ日本語訳の台本を読めていないので、この作品がどんなテーマを持って、どこに向かっているのかは分かっていないのですが、「人はこうあるべき」ということをお見せできる作品になればいいなと思っています。今は、誰もが生きやすい世の中になるようにという思いを込めて演じたいです。
平間 (15年に上演した)「RENT」でエンジェルというゲイの役を演じることが決まったとき、僕自身は男性を好きになる気持ちがよく理解できませんでした。ですが、演出家の方やスタッフの方たちにいろいろと教えてもらい、そして、実際に演じてみて、男性が男性を格好いいと思う気持ちはなんとなく分かりました。うまく言葉では伝えられないのですが、「人としてみる」というか…、女性であっても、男性であっても、性別ではなく、人として出会ったことを大切にしているということを学んだので、今回もそこを大事にしたいと思っています。
小関 僕も、どうやってこの役に向かおうかというのはすごく悩みました。このお話を最初に聞いたときは、ちょうど「ハンサムライブ」をやっていたときだったので、(ハンサムライブの)振り付けを担当されていて、本作にも出演されるSHUNさんやスタッフさんなど、音楽に詳しい方たちにもお話を聞いたり、相談したりしました。この作品においては、いろいろな方を頼って、視野を広げていくことでより良い作品を作り上げられると思ったんです。なので、とにかく、お話をたくさん聞かせてもらいました。それから、もちろん、本作の演出家である市川(洋二郎)さんは、当時のニューオーリンズのゲイカルチャーに詳しく、この作品がどのような思いを持っているのかも知っているので、直接質問をさせていただいて教えてもらいました。ショーは行っていても、思った以上に迫害がすごかったから、普段は、リップ一つとってもバレないように気をつけて使っていたというような、リアルなお話を聞かせていただいたり、資料を見せてもらったりしています。
舞台・ミュージカル2025年10月13日
Travis Japanの川島如恵留が主演する舞台「すべての幸運を手にした男」が11月14日から東京グローブ座で上演される。世界を代表する劇作家アーサー・ミラーの初期の名作として名高い本作は、主人公デイヴィッド・ビーヴスに思いもかけない幸 … 続きを読む
ドラマ2025年10月12日
TBSでは、10月12日(日)午後9時から、妻夫木聡が主演する日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」が放送スタートする。本作は、競馬の世界を舞台に、ひたすら夢を追い続けた熱き大人たちが、家族や仲間たちとの絆で奇跡を起こしていく、人間と競走馬の … 続きを読む
ドラマ2025年10月10日
草なぎ剛が主演する月10ドラマ「終幕のロンド —もう二度と、会えないあなたに—」(カンテレ・フジテレビ系)が、13日から放送がスタートする。本作は草なぎが演じるシングルファーザーで遺品整理人の鳥飼樹が、遺品整理会社の仲間と共に仕事に向き合 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年10月10日
名匠・黒澤明と三船敏郎が初めてタッグを組んだ伝説の映画『醉いどれ天使』の2025年舞台版が11月7日に開幕する。本作は、戦後の混沌(こんとん)とした時代に生きる人々の葛藤を生き生きと描いた物語。映画が公開された1948年に、映画版とほぼ同 … 続きを読む
映画2025年10月9日
世界的映画スターのカトリーヌ・ドヌーヴが、日本を舞台にした映画に主演する。この言葉に心躍らぬ映画ファンはいないだろう。それが、10月10日から先行公開となる『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』だ。 来日したフランス人歌手 … 続きを読む