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NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。7月4日放送の第二十一回でついに主人公・渋沢栄一(篤太夫/吉沢亮)がパリ万国博覧会に派遣される幕府の使節団に加わり、遠い異国の地へ旅立つことになった。その使節団を率いるのが、将軍に就任した徳川慶喜(草なぎ剛)の名代を務める弟の徳川昭武だ。演じるのは、「花燃ゆ」(15)に次いでこれが二度目の大河ドラマ出演となる板垣李光人。パリ滞在中に栄一とも深い関わりを持つことになる昭武役に込めた思い、ドラマの見どころなどを語ってくれた。
正直、徳川昭武のことは知りませんでした。ただ、現代の中学生ぐらいの年齢で、「日本を背負ってパリに行く」という大役を引き受けるので、慶喜が「昭武に任せよう」と思うぐらいの品位やカリスマ性があったはず。お話を頂いたときは、そういうものを感じさせるたたずまいやしゃべり方が大事になってくるんだろうな、と思っていました。それから、写真を見たり、いろいろ調べたりする中で、「とても気高そうな人物」という印象を受けました。空気を含むような動きや柔らかさがありそうだったので、演じるに当たっては、そこから膨らませていきました。
時代劇で身分の高い役を演じる場合、所作もある程度決まったものになってきます。とはいえ、演じる際は役を自然に生きられるようにしなければならないので、そういう、決まった動きを自分の中でかみ砕き、昭武らしい動きに落とし込んでいく必要があります。時代劇ではそういうことが大事になってくるので、台本を読むときから所作を意識するようにしています。
ただ「行く」のではなく、「日本を背負って行く」わけです。日本の全てを背負って博覧会へ行き、「日本はこういうところだ」と示した上で、ナポレオン3世に謁見する。そこには、普通の13~4歳だったら感じることのないような圧があるはずです。でも、昭武はそれを押しのけて堂々とたたずむ。だから、演じる上では“強さ”とか“覚悟”みたいなものが一番大事になるだろうな、と。昭武がパリへ行ったのは、僕が初めて大河ドラマ「花燃ゆ」に出演したときと同じくらいの年齢ですが、僕にはとても昭武のように振る舞うことはできそうにありません。
これまでいろいろな作品を拝見してきましたが、実際にお会いしてみると、やっぱり目がすてきできれいだな…と。初めて見る世界に目を輝かせる子どものように澄んだ目をされるときもあれば、鷹のように鋭い目をされるときもある。一緒に芝居をさせていただき、それを実際に感じることができたのはうれしかったです。お芝居以外の部分でも、すごく優しいですし。以前、僕が朝の情報番組に出演していたとき、2時半起きでその番組をやった後、「青天を衝け」の撮影に来ていたことがあったんです。そうしたら、吉沢さんも以前、同じ番組に出られていたので、心配して声を掛けてくださって。あと、僕は少し変わった服が好きなので、そんな話でも盛り上がりました。
合成するためにパリの場面をグリーンバックで撮影したことです。例えば、ナポレオン3世に謁見するシーンでは、たくさんの人が並んでいる絢爛(けんらん)な宮殿を、正面のナポレオン3世に向かっておずおずと歩いていきます。実際にその場で演じるのであれば、人がいる緊張感や呼吸、宮殿内に響く足音など、周囲の環境に芝居が助けられたり、乗ってきたりすることもあります。でも今回は、事前にパリで撮影した映像を見せてもらってはいますが、演じる際にはそれを全部、自分の頭で想像しなければいけませんでした。そのため、ものすごく集中力が必要で…。それがとても印象的だったので、完成した映像を見るのが楽しみです。
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