【インタビュー】舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-、一期一振役・本田礼生 「今まで見たことがない一期一振の一面が見られる」

2021年1月8日 / 15:12

 名だたる刀剣が刀剣男士と呼ばれる個性豊かなキャラクターとして登場し、歴史上の戦場を駆けめぐりながら部隊を編成・育成するシミュレーションゲームを原案とした舞台『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)の最新作、舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-が1月10日から上演される。シリーズ初となる2作連続上演の先陣を切る本作で一期一振を演じる本田礼生に、シリーズ初出演への心境や意気込みなどを聞いた。

一期一振を演じる本田礼生 ヘアメイク:横山裕司(Lomalia)/スタイリスト:津野真吾(impiger)

-シリーズ初出演となりますが、出演が決まったときの心境は?

 シリーズが長く続いている作品は、ファンの方々と一緒に作り上げている部分が少なからずあると思うんです。その中に新しく参加するというのはとてもいいことでもあり、難しいことでもあると思っているんです。そして、それが一つの楽しみでもあり、不安でもありました。刀ステの魅力は殺陣だという印象もありますが、僕はドラマ(物語)が一番の魅力だと思っています。刀剣男士とその刀剣に関わっていたあるじとの関係や葛藤を演じられるのはとても楽しみです。

-一期一振に対するイメージと本作での見どころは?

 爽やかで落ち着きがあって、藤四郎兄弟の長兄としてたくさん弟がいるので「お兄ちゃんらしさ」があり、穏やかで優しく上品なイメージがあります。ただ、刀剣男士として強いところだけでなく、過去にはいろいろな出来事があり、抱えているものもあります。そういった人間らしいところも魅力だと思っています。本作では、豊臣秀頼が登場するので、一期一振も思うところが出てくることでしょう。今まで見たことがない一期一振の一面が見られると思います。

-ビジュアル撮影で衣裳に袖を通したときはどんな気持ちでしたか。

 やはり背筋が伸びました。ピンと(笑)。一期一振としてりんとしつつ、穏やかだけど、戦いになったときの強さや、キリッとする部分などいろいろな思いが入ってきて、刀剣男士になったんだという実感がとても湧きました。

-本作の見どころは?

 客席が360度回転するIHIステージアラウンド東京が劇場ということではないでしょうか。僕は以前に観劇で訪れたことがありますが、それでも劇場見学に行き、客席を回してもらったときには「すげー!」となりました(笑)。それと劇場の奥行きや高さもかなりあるので、今まで見たことのない高さのセットになると思います。それだけでも迫力があって見る価値があると思います。

-本作の公演後に「大坂夏の陣」の公演が連続で行われるというシリーズ初の2作連続上演となりますが、そのことについてはいかがですか。

 そこに重きを置いているわけではないですが、やはり意識しているところがないわけではありません。もちろん本作だけでも完結した物語として楽しめますし、「大坂冬の陣」の後に「大坂夏の陣」を見ていただけたら、つながりがより分かってさらに楽しめると思います。

-稽古はどのような状況ですか。

 大きな劇場なので実寸での稽古はできないですし、稽古場に劇場とほぼ同じセットを組むことができないので、脚本・演出の末満(健一)さんが、「本作は全員で想像力を働かせないと実現しない舞台になっている」とおっしゃっていました。セットの模型の客席を手動で回しながら、僕らは景色を想像しながら稽古をしているので、そういった意味では難しさも感じています。ですが、末満さんはビジョンを明確に伝えてくださるので、こういう想像力を働かせる必要がある作品でも、末満さんが先導してくださることで座組みがガチッとまとまっています。

-殺陣に対して準備していることはありますか。

 日本刀を持つ役というのが2作品目になるので経験値は低いですし、今回は殺陣が何百手もあるということで、そこに対して周りに不安を抱かせたくないですし、何よりも刀剣を持っている時間が自分に一番足りないと感じているので、日常生活でも木刀や刀剣を持って家の中で歩いています。常に身近に置いています。そのかいもあって最近はかなりなじんできています。

-藤四郎兄弟の長兄にあたる一期一振が、鯰尾藤四郎、骨喰藤四郎と共演することも楽しみです。演じる前嶋曜さんと北川尚弥さんの印象は?

 尚弥とは別作品で数年前に共演していてよく知っているので、久しぶりに一緒になって頼もしくなったなという印象でした。曜ちゃんとは今回が初共演ですが、すごく努力家だと感じました。2人とも僕より年下なので、本当の弟のように見えています(笑)。

-前嶋さんと北川さんとの稽古はいかがですか。

 「兄弟感」というのは何だろうというのを3人で議論しています。僕も男3人兄弟の末っ子なので分かるんですけど、それはシンプルなことで、気を遣わない仲というか。普段は見せない一面が出たりとか、ちょっと柔らかくなったりとか、他の刀剣男士に対してこうは言わないけど、兄弟だったらこう言うとか。そういう点でも台本を解剖しながら議論ができているので、3人そろってお芝居をするシーンは今から楽しみです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「光る君へ」第四十四回「望月の夜」孤独を深める道長を支えるまひろとの絆【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月17日に放送された第四十四回「望月の夜」では、3人の娘を天皇の后にした藤原道長(柄本佑)が、有名な「このよをば わがよとぞおもふ もちづきの かけたることも なしと思へば」という「望月の歌 … 続きを読む

【週末映画コラム】『六人の嘘つきな大学生』/『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)

映画2024年11月22日

『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開)  大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。  全員での内定獲得 … 続きを読む

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

Willfriends

page top