【インタビュー】舞台「アナスタシア」山本耕史「アスリートに近い鍛錬が必要になるのが舞台」 堂珍嘉邦「舞台には、役者のエネルギーが一つになる結束力がある」

2020年1月1日 / 12:00

 米ブロードウェーでロングラン上演され、高評価を得たミュージカル「アナスタシア」が本国のクリエーティブ・スタッフと日本のキャストによって3月1日から上演される。本作は、第70回アカデミー賞で歌曲賞・音楽賞にノミネートされたアニメ映画『アナスタシア』に着想を得て制作されたミュージカル。本作でグレブ役をトリプルキャストで演じる山本耕史と堂珍嘉邦に、本作への意気込み、そして互いの印象を聞いた。(※公演には、グレブ役として遠山裕介も出演)

共にグレブ役を演じる堂珍嘉邦(左)と山本耕史 ヘアメイク/国府田圭(堂珍嘉邦)、沖山吾一(山本耕史)・スタイリスト/Die-co★

-お二人は、TV番組での共演経験があるそうですね。

山本 10年ほど前、ぐっさん(山口智充)がMCをしていた番組でコーナーを持っていたのですが、そこに堂珍さんに出演していただいたことがあります。

-そのときと今とでは印象は変わりましたか。

堂珍 僕は変わっていないですね。

山本 よかった(笑)。僕、当時、ミュージシャンの方に怖いイメージを持っていたんですが、堂珍さんは終始、紳士な方で、すごく穏やかな印象で、こんなにすてきな人がミュージシャンをやっているんだ、すてきだなって思ったのを覚えています。

-堂珍さんは山本さんにどんな印象を持っていましたか。

堂珍 当時から、すごく大人な方というイメージがありました。それから、ギターもすごくお上手で、物作りや表現することが大好きな方という印象でした。僕も40代になって40代としてのたたずまいを考えたときに、耕史さんは絶好のお手本だと思っています。久しぶりにお会いして、お話させていただきましたが、今から一緒に出演させていただくのが楽しみです。

-堂珍さんはミュージシャンとしても活躍されていますが、ミュージカルや舞台に出演することにどんな思いがありますか。

堂珍 舞台には、役者のエネルギーが一つになる結束力があって、それがすごく楽しいんです。変な言い方ですが、生きている実感があると言うか…。それが、恋しくなるんです。でもそれは、音楽には結束力がないということではないですよ(笑)。ただ、音楽の場合は偶然が重なり、一つになった瞬間が気持ちがいいというところがあるので、舞台で感じる一つになる感覚は僕にとってとても新鮮なことなんです。

-普段、アーティストとして歌っているときと、ミュージカルの場合には発声が変わってくると思いますが、どのように使い分けているんですか。

堂珍 曲が変われば自然と自分のスイッチが変わります。なので、特に何かを気にしているわけでもないですし、訓練をしているわけでもないですね。

山本 僕自身は、ミュージカルだからこう歌わないといけない、というのはないと思います。たとえ、それがグランドミュージカルだったとしても、寄せる必要は全くない。ミュージシャンの方たちにはそれぞれの技術があって、良さがあると思うんです。もちろん、寄せていくのがいいと思っている人もいるでしょうが、そう思わない人もいる。だったら、寄せずに、自分の歌い方で歌うのがいいんじゃないかなと、僕は思います。演出家がその歌い方は違うというのであれば、それは直していく必要があると思いますが、それは誰かに似せるのではなく、抽象的な言い方になってしまいますが「前にある世界観」に寄せていくんです。歌い方を貫くのは大変なことでもあると思うんですが、僕は、堂珍さんはそれをされる方だと思いますし、素晴らしいものを聞かせてくれると思っています。

-山本さんはこれまでにも映像作品はもちろん、舞台にも数多く出演されていますが、舞台については、どのような思いを持っていますか。

山本 舞台をひとくくりにして語るのは難しいですが、でも、どんな舞台作品も表現の場所としてはたくさんの能力を必要とされる場所だと思います。俳優の仕事の中では一番アスリートに近い鍛錬が必要になるのが舞台なのかな、と。例えば、演技がすごくうまくても、立ち方が悪ければ、それだけでその人の魅力は落ちてしまいますよね。そういった、今まで気付かなかった部分まであらわになって、改めて自分を知ることができる場所が舞台だと思います。でもその一方で、突き詰めれば突き詰めるほど、迷わずに演じることができるようになるのも舞台です。映像作品は、次々に撮影を進めていかなければならないので、結局、自分のやったことが正解だったのかが分からないんですよ。分からないまま進んでいく。でも、舞台は人前で同じ演技を100回も200回もするので、自分にとってしっくりくるやり方を探れるし、自分が一番いいと思うものを提示することができるんです。そういった意味では、意外と簡単なのも舞台とも言えると思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

横浜流星「毎回皆さんをハラハラさせながら、しっかりと心に届く作品をお届けできるよう日々撮影に挑んでいます」「LOST10」

ドラマ2026年8月14日

 TBSの10月期金曜ドラマ「LOST10」に主演する横浜流星が、取材に応じ、作品に懸ける思いや、撮影の様子について語った。本作は、北海道を舞台に、登山ツアー中に発生した遭難事故をきっかけに、それぞれの運命が複雑に絡み合い、物語が展開してい … 続きを読む

中川大志、三谷幸喜の最新作は「現代にも通ずる、過去の出来事として片付けられないもの」を描く PARCO PRODUCE 2026「アメリカン・ドリーム」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年8月8日

 三谷幸喜が長年温めていたテーマを豪華キャストで描く、渾身(こんしん)の書き下ろし新作舞台「アメリカン・ドリーム」が8月15日からPARCO劇場で上演される。本作は、1940年代後半のアメリカを舞台に、反共産主義に基づく“赤狩り”によって告 … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#韓国人はなぜ「呼称整理」をするのか、「脱出おひとり島」が映す韓国社会

2026年8月7日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

福原遥「自分の大切な人を大事にして生きていこうと思いました」【インタビュー】『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』

映画2026年8月6日

 大ヒット映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の続編にして完結編『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』が8月7日から全国公開される。前作に続いて主人公の百合を演じた福原遥に話を聞いた。 -始めに、前作『あの花が咲く丘で、君とま … 続きを読む

【映画コラム】7月の公開映画から

映画2026年8月3日

「トイ・ストーリー5」(7月3日公開)★★★ おもちゃを取り巻く“変化”を描く  持ち主の少女ボニーの成長を見守ってきたカウガール人形のジェシー。だが、タブレット端末「リリーパッド」の登場で、ボニーは画面の世界に夢中になり、おもちゃと遊ぶ時 … 続きを読む

page top