エンターテインメント・ウェブマガジン
“デジタル・タトゥー”とは、悪意に基づき、ネット上に誹謗(ひぼう)中傷や個人情報が書き込まれた結果、いつまでも消えずに人々を苦しめる様子を入れ墨に例えた表現である。本作は、この“デジタル・タトゥー”を題材に、50代の弁護士・岩井と20代のユーチューバー、タイガがコンビを組み、さまざまな事件に立ち向かう姿を描いたサスペンスドラマだ。5月18日の放送開始(NHK総合午後9時から。全5回)を前に、岩井役の高橋克実とタイガ役の瀬戸康史が、ドラマの魅力、撮影の舞台裏を語ってくれた。
高橋 SNSを扱ったドラマが最近増えてきた印象はありましたが、そこに弁護士が介在するという話を聞いたのは初めてでした。これからはこういうことが事件として扱われ、弁護士が出てくる事態が起きるんだなと。今後、ますます増えていくでしょうね。
瀬戸 僕自身もSNSを使っていますが、このドラマのように、自分が悪意の標的になることもあり得ます。そういう世の中で、どんなふうに発信していけばいいのかと、改めて考えさせられました。
高橋 弁護士役は初めてなので、なんとなく柔らかい感じかな…と思いながら台本を読んでみたら、ずいぶん迫力のある役で驚きました。「こんなものの言い方をするんですか?」と聞いてみたところ、“ヤメ検”と呼ばれる元検事の方たちは、大物と渡り合ってきた経験があるので、それなりに迫力があるんだと。僕は仕事で弁護士の方にお会いすることもあるので、その中でイメージが近い方の話し方などを参考にさせていただきました。
瀬戸 いろいろなユーチューバーの方の映像を見させていただきました。落ち着いた雰囲気の方からにぎやかな方まで、皆さん個性はバラバラでしたが、共通するのは、視聴者の年齢層が若いためか、テンションが高めだということ。なので、僕自身はどちらかというと落ち着いたタイプですが、ユーチューバーとしてのタイガを演じるときは、かなりテンションを上げていきました。
高橋 瀬戸くんと面識はありましたが、お芝居での共演は初めて。ただ、顔合わせや本読みのときから、すっと入っていくことができたので、初めてという感じはしませんでした。相性がいいというのは、こういうことかなと。
瀬戸 僕も同意見です。こんなにしっくりくる感覚は初めてで、かなり克実さんを頼りにさせていただきました。初めてタイガが岩井の事務所を訪ねるシーンでは、僕と克実さんの仲が良過ぎて、監督から「もう少し距離感を…」と言われました(笑)。
高橋 岩井は最初、タイガのことをうさんくさそうに見ていますが、距離が縮まるに従って、どんどん好きになっていく部分があったんだろうなと。実は後半、事情があってタイガが岩井のもとを離れるのですが、瀬戸くんと絡む場面がなくなり、僕自身も寂しくなってしまいました(笑)。
瀬戸 タイガには大物政治家の父親がいますが、事情があって疎遠になっています。その分、岩井に「理想のお父さん」のイメージを重ねていたのではないでしょうか。だから、「おじさん」と呼んではいるものの、実は「お父さん」と呼びたい気持ちもあるのかな…と。
高橋 今は「スマホやタブレットが使えなければ駄目」みたいな世の中になっていますが、書かれた文字だけでやりとりするのはとても怖いことだな…と。例えば、謝罪する場合、直接顔を見て「悪かった。あんな言い方するつもりはなかった」と言えば、表情で伝わるものもあるので、すぐに解決します。でも、文字だけで「ごめんね」と書くと、「そんな謝り方をされても…」と受け取られることもあるし、場合によっては「ばかにしている」と思われかねない。そうなると結局、会って話した方が早い。物事を伝えるスピードは速くなっているけど、その分、ややこしくなることも多い。そんなことを感じました。
瀬戸 第1回で、タイガが映像に映った制服から、どこの学校の生徒か調べる場面がありましたが、ソフトや機器の使い方さえ知っていれば、今はいろいろなことが簡単に特定できてしまうんですよね。それがとても怖いな…と。犯罪につながる可能性もあるわけですから。
映画2024年11月22日
『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開) 大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。 全員での内定獲得 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2024年11月20日
ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む
ドラマ2024年11月17日
毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む
映画2024年11月15日
韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。 地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む
ドラマ2024年11月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。 病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む