「好きな人に直球なところ以外は等身大の自分です」泉澤祐希(角谷三男)【「ひよっこ」インタビュー】

2017年4月18日 / 08:15

 NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」で、有村架純演じるヒロイン谷田部みね子の幼なじみで農家の三男坊・角谷三男役を演じる泉澤祐希。1149人が参加したオーディションで役をゲットしたが、気負うどころかありのままの自分で撮影を楽しんでいる様子。泉澤が、和気あいあいとした現場での様子を語った。

 

角谷三男役の泉澤祐希

角谷三男役の泉澤祐希

-「すずらん」「マッサン」に次ぐ3作品目の朝ドラ出演ですが、三男役に決まった時の率直な気持ちは?

 台本がとても面白くて、三男役を絶対に演じたかったので、決まった時はとにかくうれしかったです。「マッサン」は終盤からの出演で、すでに作られた雰囲気の中にポンと放り出された感じで不安でしたけど、「ひよっこ」は最初から出られるのでアウェー感もなく、一から関われるということもうれしかったです。

-三男役のどこに魅力を感じましたか。

 愛らしくて友達思いで、家族にはたたかれることが多くて邪魔者扱いされているけど、そこにはちゃんと愛があるし、そんな愛情深い人たちに囲まれているところです。角谷家は自分の家族と似ていて居心地が良いです。俺も兄貴としょっちゅうけんかするけど、この仕事を応援してくれているし、家族でしっかり支え合っています。

-どのような役づくりをされましたか。

 三男と同様に中・高・大学に行って幼なじみもいるし、友達や家族を大事に思っているところや、無理して笑う時もある感じは自分と似ているので、特に役づくりはしていません。好きな人(佐久間由衣演じる助川時子)に直球なところ以外は等身大の自分なので、素直に演じられています。

-茨城弁に苦労されるキャストが多いようですが。

 方言はやっぱり大変です。初めて台本を見た時は、濁点の多さにびっくりしました。それにちょっとしたイントネーションの違いで東北弁になったり、濁点を付ける場所を間違えると違う言葉になったりするし…。方言テープを聞いて練習して、本番で全く同じように言っても(方言指導の)先生に「ちょっと違う」と言われると、あれ?現場でせりふが変わったのかな?って(笑)。でも、舞台となる奥茨城村は架空の場所なので、せりふより芝居を重視してくれることもあります。

-有村さんと初共演の感想は。

 りんとしているというか、肝が据わっている女優だと思いました。最初はやっぱり緊張して話し掛けられなかったけど、幼なじみの役だから仲良くなっておかないと…と思い、今では普通に話せるようになりました。(幼なじみ役の有村、佐久間と)3人一緒の時は無言になることが多いですが、その空間は苦じゃなくて落ち着きます。3人の雰囲気がすごく好きです。

-佐久間さんについてはいかがですか。

 由衣ちゃんは自分の友達にも多いタイプ。時子みたいに少し無理して、ちゃんとしなきゃ!って思っていることが分かります。演技経験も少ないと言っていたので、助け合っていきたいです。

-個性的なキャストがそろい、登場人物もかなりユニークですが、気になる方はいますか。

 (小祝宗男役の)峯田(和伸)さんは、そのままでも役でもとても面白くてすごく好きです。(劇中では)毎回たたいてくるか、プロレス技をかけてきて、そのせいもあってか「三男はたたいてもいい」みたいな感じで、皆からたたかれるようになりました(笑)。おじいちゃん(古谷一行演じる谷田部茂)も格好良くて、そのたたずまいにほれました。どのキャラクターもしっかり作られているから面白いですね。

-思い出深いシーンを教えてください。

 聖火リレーでトップランナーを務めるシーンです。沿道でみんなが日の丸の旗を持って応援してくれている中、道の真ん中をトーチを持って走ることは、単純に気持ち良くて大物になった気分でした。「俺、日本代表じゃん!」みたいな(笑)。あと、聖火リレー実現のために青年団の会合に乗り込むシーンの撮影前夜は、緊張して眠れませんでした。三男が珍しく自分の感情をさらけ出す場面なので、小細工せずに素直に感情を出そうとしました。

-幼なじみ3人での印象的なシーンはありますか。

 奥茨城村でのバスのシーンが好きです。結構アドリブが多くて、みんなで変顔をしたり、せりふを付け足したり、自由にやらせてもらいました。あと、3人でポーズをきめるシーンは、監督から「なんかやって」と言われて始めたんですけど、テイクごとに違うポーズを迫られ、架純ちゃんもいきなり本番でポーズを作るので、「(架純ちゃんも)やったよ!」ってテンションが上がりました。すごく楽しんでやっているので、その空気感が伝わればいいな。

-今後の展開で希望することは。

 時子とくっつきたい。あそこまでいってくっつかないのは寂しいし、三男が報われない…。あんなに思いを告げてくれる男は中々いないですよ。今は時子にあしらわれているけど、「今に見ておけよ!」という期待はあります(笑)

(取材・文/錦怜那)


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。6月29日放送の第25回「灰の雨降る日本橋」では、浅間山の噴火によっ … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

 あのルパン三世が、約30年ぶりに2Dの劇場アニメーションとして帰ってくる。舞台は地図に載っていない謎の島。お宝を狙って乗り込んだルパン一行を待ち受けていたのは正体不明の存在だった。前代未聞のスケールで描かれ、全ての「ルパン三世」につながる … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

 日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件を題材にした福田ますみのルポルタージュを三池崇史が映画化した『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』が6月27日から全国公開された 。本作の主人公・薮下誠一(綾野剛)が勤める小学校の校 … 続きを読む

【週末映画コラム】『トップガン マーヴェリック』と兄弟のような『F1(R)/エフワン』/過酷な救急医療現場にリアルに迫った『アスファルト・シティ』

映画2025年6月27日

『F1(R)/エフワン』(6月27日公開)  かつてF1ドライバーとして活躍したソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)は、今は身を持ち崩し、フリーのレーサーとしてさまざまなレースに出場していた。だが、最下位に沈むF1チーム「エイペックス」の代表 … 続きを読む

Willfriends

page top