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NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のヒロイン役に、直々のオファーで臨む有村架純。2013年放送の「あまちゃん」で、ヒロインの母の少女時代を1980年代アイドルの風貌で好演してブレークし、今では日本アカデミー賞など数々の映画賞を受賞する実力派女優に成長した。そんな有村が、異例の大抜てきで挑む本作に込めた思いや撮影エピソードを語った。
本作は、東京オリンピックが開催された64年から始まる物語。高度成長期の中、集団就職で上京した“金の卵”(若年労働者)のヒロイン谷田部みね子が、仲間との絆、切ない恋、人々との出会いと別れを生きる力に変え、自らの殻を破って成長する、波瀾(はらん)万丈の青春記だ。
すごくびっくりしました。朝ドラのヒロインに憧れていましたが、こういう形で出演できるとは想像していなかったので信じられなかったし、本当に私でいいのかな…、「えっ?」と思う方もいるだろうな…と思うと不安は大きかったです。
徐々に主演することを実感していき、(プロデューサーの)菓子(浩)さんや監督とお話しする中で不安が取れて、やるからには絶対に良い作品にしたいという思いがこみ上げてきました。どの作品も(役としての)第一声でキャラクターのイメージが決まるので、最初のシーンは毎回緊張しますが、今回は第一声からみね子の感じが出せたので、今はそれを信じて前向きに毎日楽しくやっています。
農家の娘役なので、普段は低糖質の食事ですが、クランクインの2カ月ほど前からお米を食べていました。米が持つ力とおいしさでパワーがあふれ、みね子もこうやって生活しているんだな…と感じました。今は、みね子の年齢によって体形を変えたいので、分からないかもしれないけど減量しています(笑)。
素直で少し抜けているところは、計算ではなくて一生懸命故の空回りだと思うので、考え過ぎずに感じるまま、(劇中の)家族や仲間からもらう気持ちを大事に(せりふの)キャッチボールをしています。それと、みね子は受け身で、他の方のせりふを受けて反応することが多いので、目の演技だけでなく顔や体を使って、少しオーバーにリアクションするように心掛けています。
「茨城弁は抑揚があると東北なまりになるので平板に」と指導を受けています。でも、語尾を上げるか上げないか、濁点が付くか付かないかの違いがいまだに分からなくて…。ただ、感情を優先して輪郭を付けずに流れるように話すようにしています。
最初に撮影した稲刈りのシーンは、初めて家族として演じたのにやりづらさが全くなく、その瞬間から家族になっていました。佳乃さんはいるだけで現場が明るくなって、みね子が大好きな美代子そのもの。理想の母親像です。
茨城編から東京編に舞台が変わる時は雰囲気がつかめなくて不安でしたが、今は乙女寮(工場の女子寮)の6人(佐久間由衣、松本穂香、藤野涼子、小島藤子、八木優希、和久井映見)がほっこりしてかわいいし、一緒にいられるのが楽しくて、ずっと乙女寮のシーンだったら…と思います(笑)。
東京に知り合いがいなかったので緊張や不安はありましたが、それよりも仕事や新しい事が始まることにワクワクしました。上京後は、人との出会いが影響して自分と向き合うようになり、ポジティブにもなりました。殻を破ったのは二十歳になった瞬間。お芝居に対してこれじゃ駄目だと思っていたので、さらに頑張る覚悟を決めた年齢でした。
充希は「とと姉ちゃん」がクランクアップした時に「お疲れさま」と連絡したら、「疲れたし大変だったけど、終わった後に見られる景色はすごく美しいよ。だから無理せず楽しんで」と言ってくれました。10カ月を乗り切った彼女の言葉には説得力があるし、私も終わった後の景色を目指して頑張ろうと勇気づけられました。太鳳ちゃんは、体調を管理するよう言ってくれて、「しんどくなったら太鳳がNHKに架純ちゃんを励ましに行くから、いつでも言ってね」という言葉をくれました(笑)。
(取材・文/錦怜那)
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