「最初の父子のシーンでは、堺さんの提案で“付き合いたての恋人”みたいにしました」浦上晟周(真田大助)【真田丸インタビュー】

2016年11月14日 / 15:23

  NHKの大河ドラマ「真田丸」で、主人公真田幸村(堺雅人)の長男、大助を演じている浦上晟周(せいしゅう)。幼くして大坂の陣に参加し、父と共に奮戦する大助の気概を語る。

 

真田大助役の浦上晟周

真田大助役の浦上晟周

-出演が決まった時の感想は?

 大河への気持ちが強過ぎて、いつものオーディションより緊張して(せりふを)かみかみ。まさかと思いましたが、うれしかったです。

-現場の雰囲気をどう感じましたか。

 僕が大助として出演する前の、38話の草刈正雄さん演じる昌幸が死ぬシーンの収録を見させていただいたのですが、とても印象的でした。それまで草刈さんと一緒に作り上げてきたという思いがあるから、スタッフの皆さんの寂しさが伝わってきました。昌幸を演じた草刈さんは一人の武将として生きていたんだなと思いました。

-大助の生きざまをどう思いましたか。

 準備段階で調べている時は、時代の深刻さを身に染みて感じていました。演じる上では、口数は少ないけど、そこにどれだけ存在感を感じさせられるかがキーだとプロデューサーと話しています。普通の少年が戦(いくさ)を経験して武士になっていくというのをテーマとして演じてきました。

-大助はお父さんの幸村のことはどう思っているんでしょう。

 武将として尊敬していると思います。幼少時は家臣の高梨内記(中原丈雄)さんに育てられているので、子どものころ一緒にいなかった分、大坂城に一緒に入城して2人で戦を経験することで親子関係はできていったのかなと思います。最後の戦いの時も父上と離れたくないと言っていますので。

-内記との囲碁のシーンは面白いですね。

 内記さんは子ども相手でも真剣勝負ですが、変に気を遣わず、手加減なしに育てられた方が気持ちが通じ合うと思います。父上と内記さんという2人の存在は大きかったと思います。

-堺さんはいかがですか。

 監督と徹底的に話し合ってスムーズに行くようにしている姿を見て尊敬しています。それに初めて父子が親しく話すシーンでは「今まで父にちゃんと育てられてきたわけじゃないから、お互いどう接したらいいかまだ分からないはず。付き合いたての恋人みたいでいいのでは」と提案してくださって、2人で目をきょろきょろさせたり、目が合ったら外したりしていました(笑)。

-父上と母上の春(松岡茉優)から受け継いでいるところは?

 父上からは芯の強さ。春さんからは囲碁で負けた時の落ち込み方に似たものを感じます。ちょっと闇を抱えているところ、春さんの息子ならあり得るかな(笑)。

-松岡さん(21歳)とはそんなに年齢が離れていないですよね。

 親子役なのに違和感がないというので(松岡さんの演技力は)すごいと思いました。みんなで踊っているシーンで本番の時だけ、歌いながら松岡さんが背中に手をぽーんと母親のように置いてくださったんです。すごくうれしかったです。

-幸村の若い時と同じように敵を挑発するために旗を持って「高砂」を踊りますね。

 撮影の1週間ぐらい前に厳しい指導を受けたんですが、プレッシャーがすごくて。でも、監督からは「1秒たりともカットしてないから」と言われてうれしかった。「高砂」の撮影のためだけに岩手からいったん戻ってきてくださった所作の先生も「もう言うことはない」とおっしゃっていたみたいで、ほんとにありがたい気持ちです。

-同世代へのメッセージは?

 いまは争いもなく平和に生きていくことが当たり前ですが、大助という僕ら世代にとって唯一の等身大の人物がこうして戦場に出て自ら命を絶った。そういう人もいたんだということをちゃんと認識し直してくれるきっかけになったらと思います。

-いつかは幸村役をやってみたいですか。

 (昌幸を演じた)草刈さんが昔「真田太平記」で幸村役をやられているので、この流れで僕も(笑)。今まで演じてこられた役者さんみたいにちゃんとできるか不安ですけど、いつかは幸村を演じてみたいです。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

「ローマの共和制の問題点は、今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い」『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセン【インタビュー】

映画2024年11月15日

 古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む

Willfriends

page top