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高畑充希がヒロインの小橋常子を演じている連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の放送もあとわずか。第23週では、ようやく結ばれるかと思われた星野武蔵(坂口健太郎)との切ない別れが放送された。仕事にまい進する常子と、子どものことを最優先に考え、転勤の内示を受け入れた星野。2度目の“別れ”という結末に、常子を演じる高畑は何を思ったのか。現場で感じた揺れる思いを語った。
20週ぐらいから再登場するのは聞いていましたが、再会の仕方は全く知らなかったので、本人より先に子どもに会って、という展開は驚きでした。実際に坂口さんと撮影で会わないのは短期間だったので、既に結婚して子どもがいるというのが私自身はショックでした。でも、常子からすると15年経っているわけだから、自分の15年前は…とさかのぼって考えてみると、結構遠い昔だなと納得しましたが。
そうですね。改めて関係を築く感じでした。やはり二十歳ぐらいの2人の時とは全く違う空気があります。あとは“夢をかなえている人”と“夢を諦めた人”というのもなんとなく切ない感じがしました。星野さんとのシーンは苦しいシーンが多くて、撮影後は少し傷ついて帰ることもありました(笑)。
一緒に過ごす時間が楽しければ楽しいほど苦しいです。星野さんというよりは子どもを含めた星野さん一家とのお付き合いなのですが、2人の微妙な距離の変化が苦しくて。例えば、子どものために星野さんの家にお手伝いに行って、最後に星野さんからお金を渡されるシーンがあったのですが、それってかなりキツイなと思って。女心も傷つくし、やっぱり学生時代に「結婚してください」と言ってくれた人とはもう違う人で、お子さんもいるし複雑に考え過ぎちゃいます。
後半になるにつれて、本当の夫婦のような感じになってきたと思います。普段は言い合いばかりして怒られることもありますが、相手を本当に思いやる目線がフッと挟まれるシーンとかもあって。(演じていて)すごい照れくさいんですが、そのお互いを思いやる感じが常子と花山さんなのかなと思います。
関係性としては片方が(立場が)上になったり、片方が下になったりと、グラグラする感じがすごく面白いです。もちろんいろいろなことの主導権は花山さんが握っているのですが、たまに常子の思いつきの提案が花山さんをグラつかせたり…。シーソーみたいな関係がとても夫婦らしいと思います。
唐沢さんはすごく楽しい方なので、とりあえず“ちゃんと付いて行こう”という感じです。実際の唐沢さんは、大先輩だし、私が結構長い撮影で息切れしかけると、アミノ酸やクエン酸をくださったりします(笑)。
ご飯もたくさん連れて行ってもらっています。唐沢さんも私も肉好きで。食事の席では、たまにはお芝居の話もしますが、とにかく唐沢さんがたくさん話します。結局、最後はカラオケで熱唱したり(笑)。唐沢さんはめっちゃタフな方です。
そうですね。常子にとって花山さんは“乱してくれる人”ですかね。自分の考えとか、発想のきっかけをくれる人だし、刺激の人だと思う。一方、星野さんは癒やしの存在。常子にとっては、もしかしたらどちらかだけだと物足りないのかも。わがままですが。
常子は“仕事と結婚した女性”という描かれ方をしていますが、バイタリティーの人でもあるんです。乱してほしいけど、慰めてもほしい。その思いが二つに分かれて、(具現化した)2人のキャラクターになっている気がします。本当は(仕事を)バリバリしながら結婚するというのがベストなんですけど、そう、うまくもいかないので。
入るスイッチは違うかもしれないです。私自身、撮影と家にいる時のオンとオフが結構分かれているタイプですが、花山さんと星野さんは、それぞれ常子のオン、オフという感じです。花山さんと仕事をワ~と楽しんで、星野さんに会って癒やされて…。でも癒やされているだけだときっと常子は物足りない。大事なのはバランスなのかもしれません。
はい。現場で落合さんからも「(物語として)充希の“相手役”は唐沢さんだから」と言われていました。それを聞いた坂口さんは「俺じゃないんだ…」と落ち込んでいました(笑)。常子にとって、恋愛感情を抱いているのはもちろん星野さんなんですが、花山さんは“魂のパートナー”。結びつきがとても強いんです。
学生時代は、相手役は坂口さんだと思っていたのですが、後半に落合さんから「相手役は唐沢さん」と聞いて「そうなんだ」と。でも言われてみればそうだなと。星野さんとくっつきそうでくっつかないのは、やっぱりどこかで“縁がなかったのかな”と思います。「もうちょっと頑張ればくっつくのに!」っていつも思う。でも、そこで頑張らないということは、やっぱり何かが違うのかな、って。だって、花山さんに関しては、常子はかなり(説得を)頑張ったんですよ。(仕事のパートナーに)なるべくしてなったんです。だから星野さんもすてきなお相手だけど、パートナーはやっぱり花山さんなんだと思います。
“ドラマの真ん中に立つことの極意”みたいなものを、失敗を重ねながらも周りの方に教えていただいて、いろいろ経験できました。こんなに時間をかけて教えてもらえることはなかなかないので、初主演が朝ドラというのはすごく恵まれていると思います。また、撮影中に唐沢さんから「主役はそこに居れば良い」と言っていただいたので、とにかくちゃんと「居よう」と思って。転んだりしながらも、いろんなことを吸収しなきゃと。立ち止まらずに来られたのが良かったなと思います。
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