映画『俺俺』の初日舞台あいさつが２５日、東京都内で行われ、出演者の亀梨和也（ＫＡＴ－ＴＵＮ）、内田有紀、加瀬亮、三木聡監督が登壇した。
本作は、平凡な生活を送る青年（亀梨）が、成り行きから“オレオレ詐欺”をしたところ、自分の知らない“俺”が増殖していくという異色サスペンス。
亀梨は「撮影は去年の今ごろ。この１年はあっという間だった」と振り返り「映画のキャンペーンもずっとやってきたので『俺俺』という作品が、今日までずっと自分の中に存在していた。こうしてやっと公開を迎え、ついに皆さんと共有する日が来たんだなと思う」と感慨深げに語った。
この日は、シンガポールとロシアで本作の公開が決定したことも発表された。他にも世界各国から公開リクエストが多数届いていると聞いた亀梨は「すごい。めちゃくちゃうれしい。いろんな国でこの作品が増殖してくれたら。目指せ３３カ国！ 強気な発言ですみません」と喜んだ。
亀梨はイベントの最中に何度も手で顔をあおいだ。それを見た内田が「昨日は４分しか寝てないらしい」と明かすと、亀梨は「仕事があって。本当は１時間あったのになかなか寝付けなかった」と苦笑。「暑くてカラカラです」とこぼしながらも笑顔で舞台に立ち続ける亀梨に、加瀬は「相変わらずすごい。僕が同じ状況ならここに出てくるまでずっと文句を言っていると思うし、舞台上でも顔に出る」と感嘆していた。
これまで映画の大ヒットを祈願して、演じた３３役にちなんだ「俺、ライターを３３回連続着火します」「俺、３月３日、３時３３分に起きます」など３３のミッションに挑んできた亀梨。この日は最後のミッションである「俺、ストップウオッチを（体内時計で）３３秒で止めます」に挑戦した。
前面に大きな時計が付いた台が登場すると亀梨は「僕はいつまで（ミッションに）追い込まれるのかな」と嘆きながら「皆さん本当に勘違いされてると思うけど、僕は天才肌じゃないので。結構しくじって頑張っていくタイプ。そんな“持ってない”ですよ」と本音も漏らした。
１回目の挑戦は、惜しくも「３４．６７秒」で失敗に終わり、落胆した亀梨は地面にへたり込んだ。「どこで（カウントが）遅くなっちゃうんだろう…」とつぶやきながらも果敢に２度目の挑戦を行った亀梨だが、次は「３５．６７秒」とさらに目標から遠ざかる結果となった。
「もう１回お願いします。三度目の正直。行ける！」と自分を奮い立たせた亀梨は、宣言通り「３３．３５秒」で止め、見事にラストミッションを達成。ガッツポーズをして喜ぶ亀梨に、客席から大歓声と拍手が起こったが、亀梨は「人間ってなんか欲が出てきますね。せっかくなら３３．３３にしたかったな」と悔しがった。
「時間を（頭で）刻むのってめちゃ疲れますね。３３秒で相当な体力を使いました」と汗を拭きつつ「もう解放ですか？ 本当ですか？」とすべてのミッションが終わったことを確認した亀梨は「いつも『この先に何があるんだろう』と思いながらミッションをやってきて、そのたびに周りのスタッフさんから『大ヒットです』と言われてきたけど、（終わって）良かった～」とホッとした表情を浮かべた。
最後に、亀梨が「二度三度と見ていただくと、より一層深いメッセージ、監督が生み出した不思議な世界観というのが上塗りされていく作品。ぜひ飽きるまで見ていただいて、さまざまな感情を抱いていただけたら」と観客にメッセージを送り、イベントを締めくくった。