NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で、井上真央演じるヒロイン文の幼なじみの一人、入江すみ役を演じている宮﨑香蓮。すみは、文の兄・吉田松陰(伊勢谷友介)の主宰する松下村塾の塾生・入江九一(要潤)の妹で、後に塾生の伊藤利助(後の博文)の最初の妻となる。宮﨑が大河初出演を果たした喜びと、役に対する思いを語った。
-大河ドラマは初めてですが、オファーを聞いたときの感想はいかがでしたか。
こんなに早く出られるとは思っていなかったので、最初に聞いたときはすごくうれしかったです。同時に気が引き締まりました。また、一番に家族に伝えたいなと思いました。
-入江すみは、伊藤博文との結婚、離婚を経て、博文の仲人で別の人と結婚するという、激動の人生を送った女性ですが、宮﨑さんはどう感じられましたか。
すみさんはどういう気持ちだったのか、資料を探してみましたが、見つからなかったので、想像するしかないのですが、ほかに女の人をつくられて別れさせられたけど、彼に仲人を務めてもらったということは、やはり彼を愛していたのかなと…。私にはできないし、そんなに広い心の持ち主ではないので、すみさんはすごいなと思いました。
-伊藤博文を演じる劇団ひとりさんの印象はいかがでしたか。
まだお会いしていないので、劇団ひとりさんの作品を探して見てみました。映画『八日目の蝉』などいろいろあるのですが、『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』という映画があって、何だろうと思ってDVDを借りて見たら“そういう”内容だったので…。伊藤博文はプレーボーイだったとプロデューサーの方からお聞きしたので、配役はピッタリだなと思いました(笑)。
-収録が始まり、実際に現場に入った感想をお聞かせください。
やはりスタッフさんの数がすごいですね。あと着物でお芝居するということ自体、私には新鮮でした。時代劇は一度経験があるのですがやはりまだ不慣れなもので。でも一度飛び込んでみると、意外とやることは普通のドラマと変わらないし、現場の一つ一つをこなしていくという点では同じです。
-井上真央さんとの初共演の印象はいかがですか。
本当にお姉さんみたいで…。私が緊張しているのを感じ取って話し掛けてくださったりしました。あとは(吉田ふさ役の)小島藤子ちゃんと3人で仲が良い設定なので、着物の色がそれぞれ赤、青、黄みたいな感じで、信号機みたいだねという話をしました(笑)。
-兄役の要さんとは一緒に撮影されましたか。
はい、ワンシーンだけ一緒に。扉戸を介してのお芝居だったので、まだ絡んではいないのですが、すごくクールなお兄ちゃんだなと思いました。一方で、もう一人のお兄ちゃん、野村靖役の大野拓朗さんも、まだごあいさつしただけですがすごく穏やかな目をされた方だなと感じました。
-どんな三兄妹を想像されていますか。
台本に、私がお兄ちゃんに皮肉を言って小突かれるみたいなシーンがあったのですが、なんかいいですよね。天真らんまんな妹が、お兄ちゃんたちにも突っ掛かっていって、それをお兄ちゃんがイジるというか、そういうところは今の兄妹とそんなに変わらない関係性なのかなと、思いました。
-ドラマでは、「女性は政治の話に首を突っ込むな」と言われたりしますが、宮﨑さんはどう思われますか。
今よりは女性の立場が低いというか、「女は家を守っていろ」みたいなことを言われるのですが、もし私がその時代にいたら、やっぱり悔しいし、女だからといって何でそんなことを言われなきゃいけないんだろうと感じると思います。一方で、文にはそれに屈しないパワーがあるように感じているので、男性のそういう目線に負けないでほしいと思います。
-その一方、家を守る女性像も描かれますが、裏方に徹する女性を宮﨑さんはどう思いますか。
記者会見で、先輩女優の方々が「内助の功」ということをおっしゃっていたのがとても印象的でした。確かに内助の功が回り回って男性のパワーになって、政(まつりごと)がどんどん変わっていくということも実際にあると思うので。私も九州出身なので、父が強くて母が支えるというような家庭環境で育ったのですが、ドラマの全体を通して見ると女性が一番強いのかなとも思えてきます。最終的には女性たちがいないと世の中が回っていかない。「花燃ゆ」はそういうところもフィーチャーしているので、ぜひ女性にも見てほしいと思います。
-大河の魅力とは?
一人の役者さんが長い間同じ人物を演じて、その変化を楽しめるところです。ほかにも知らなかった歴史の事実や、実在の人物でも、あの人ってこういう人だったのかなという想像ができるのがすごく面白いなと思います。