デーブ・スペクターがマイケル・J・フォックスの復帰作を語る  日本のドラマに警鐘も

2014年4月23日 / 16:36

 海外ドラマ専門チャンネルのスーパー!ドラマTVで、コメディードラマ「マイケル・J・フォックス・ショウ」が独占日本初放送される。放送に先駆け、海外ドラマや芸能情報に詳しいデーブ・スペクターが、テレビドラマにレギュラー復帰したマイケルについて、さらに日本のテレビドラマが抱える問題などを語った。

 ドラマは、パーキンソン病の治療をしながら俳優活動を続けていたマイケルが13年ぶりにテレビドラマに主演復帰した話題作。パーキンソン病のために一度は引退したテレビキャスターが仕事に復帰し、あらためて仕事や家族と向き合う姿をコミカルに描く。

 

ユーモアたっぷりにドラマについて語ったデーブ・スペクター

-マイケル・J・フォックスの印象はいかがですか。

 主演映画の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は言うまでもなく、非常に好感度が高くてみんなに好かれている人。僕もドラマシリーズの「ファミリータイズ」で彼が息子役をやっていた時代から大好きでした。当時テレビの脚本を書いていた僕の仕事仲間が「ファミリータイズ」の仕事をするようになってから、いつもその話を聞かされていました。1度だけ収録を見に行ったこともあります。

 

-ドラマをご覧になった感想をお願いします。

 このドラマは話題性が先行しました。マイケルの復帰作ということで、芸能ニュースだけではなく普通のニュースにもなったほどです。劇中でマイケルが演じる主人公も病気でキャスターを辞めてから5年たって「受け身の姿勢だけで生きていては何も進まない」という奥さんの勧めもあって仕事に戻る気持ちになります。実際のマイケルと同じような設定にして描いている。フィクションとノンフィクションが一緒になっているところが面白いですね。

 

-劇中で特に楽しめる部分はどの辺りでしょうか。

 マイケルがパーキンソン病を患ったことはみんな知っていて、その後どうなったのかと気に掛けている人も多かった。僕もまさかこの人が…という思いがあってショックでした。若年性ということもあり、病気は人を選ばないのだなと思いました。このドラマでは、復帰したマイケルの姿が初めてゆっくり見られます。

 

-日本では障害のあるキャラクターをコメディーで描くことは少ないですが、アメリカでの認識はどうなのでしょう。

 アメリカでは車椅子の人やダウン症の人、ゲイの人などをドラマで扱っても全く違和感も抵抗もないです。普通に接するのが正しいという感覚が一般的。むしろ一部の人が抱く差別や偏見の意識を変えたいから、障害者の方が社会復帰をするような番組を作るんです。啓発運動に近いですね。パーキンソン病はどちらかというと年配者がかかることが多い病気で、若年性のパーキンソン病のことは認知されていなかった部分もありますし。

 

-このドラマはマイケルによる啓発活動の一環という意味合いもあるのでしょうか。

病気になったからといって必ずしも仕事を辞めなければいけないということではない。患った病気を“重たい荷物”として背負ったままでは明日はないですから。マイケル自身も、病気を経験したことで啓発運動をしなければならないという使命感を持っているんだと思います。自分で基金を作って活動もしていました。もちろん芸能人だから一般の方と比べたら特別ではあるけれど「それでも生活できる。やっていける」というメッセージ性があります。

 

-ドラマの内容が全く暗くないところもいいですね。

 日本のドラマだったら、まず周囲のみんなが泣いていると思う。日本では視聴者からの抗議が来るから、障害者をテーマにしたものはあまり作らないですよね。例えば視聴者からの抗議でスポンサーが降りた最近のドラマはサッカーの無観客試合みたいに毎週CM無しでした。そうなると一歩踏み込んだ番組を作ってみようかと思っても事前にやめてしまって前に進まなくなります。

 

-日本にはシチュエーションコメディーがあまりないですよね。

 ドラマはドラマでシチュエーションコメディーは文字通りコメディーです。アメリカのシットコムを見ると分かりますけど、日本は“コメディー”だと言い切らずに“ドラマ”だと言うから視聴者は変に期待してしまう。そして実際に見てみると「なんだこのチャラいのは」とか「歯応えがない」と思ってしまうんです。過去にこけた幾つかのドラマも“ホームコメディー”や“ファミリーコメディー”だと言っていれば、別の目で見てもらえたものがあったと思うんです。

 

-マイケルは仕事から離れてまた復帰しますが、デーブさん自身が仕事から離れる事は想像できますか?

 考えられないですよね。自分の追悼番組の制作まで立ち会うつもりですから。出られなくなったらそのときに初めて考えるんじゃないですかね。それでも離れることはないと思う。例えば僕がハワイに隠居するとか、まったく似合わないしね。

 

 ドラマは4月25日午後8時から毎週金曜に海外ドラマ専門チャンネルスーパー!ドラマTVでオンエア。

 


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【大河ドラマコラム】「青天を衝け」第二十七回「篤太夫、駿府で励む」新しい時代の波に乗る栄一と乗り遅れた男たちの多彩な生きざま

ドラマ2021年9月23日

 9月19日に放送されたNHKの大河ドラマ「青天を衝け」第二十七回「篤太夫、駿府で励む」は、タイトル通り、かつての主君・徳川慶喜(草なぎ剛)が暮らす駿府藩で働き始めた主人公・渋沢栄一(篤太夫/吉沢亮)の活躍が描かれた。  パリで学んだ知識を … 続きを読む

【インタビュー】映画『カラミティ』レミ・シャイエ監督「主人公のマーサが性別を超えてトライしていく姿を描きたいと思った」

映画2021年9月22日

 伝説の女性ガンマン、カラミティ・ジェーンの子ども時代を、西部開拓を目指す旅団の中で、困難に立ち向かう一人の少女・マーサの話として描いたアニメーション映画『カラミティ』が、9月23日から全国公開される。前作『ロング・ウェイ・ノース 地球のて … 続きを読む

【映画コラム】事実は小説より奇なり。実話を基にした『MINAMATA-ミナマタ-』と『クーリエ:最高機密の運び屋』

映画2021年9月22日

 今回は、どちらも9月23日に公開される、実話を基にした、まさに「事実は小説より奇なり」の2本を紹介する。 水俣病の存在『MINAMATA-ミナマタ-』  1971年、ニューヨーク。かつてアメリカを代表する写真家とたたえられたユージン(ジョ … 続きを読む

【インタビュー】舞台「ザ・ドクター」大竹しのぶ 「座右の銘はまあいいか」でも「お芝居のことになると熱くなる」

舞台・ミュージカル2021年9月17日

 パルコ・プロデュース2021「ザ・ドクター」が10月30日から上演される。本作は、医療研究所の所長でありエリート医師のルースが、ある少女の死をきっかけに、宗教、ジェンダー、階級差など、あらゆる社会問題を通して、医師としての自分を見つめ直し … 続きを読む

本領発揮の後半戦に挑む!「皆さんのよく知る渋沢栄一の功績が、ここからどんどん積み上がっていきます」吉沢亮(渋沢栄一)【「青天を衝け」インタビュー】

ドラマ2021年9月17日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。いよいよ時代は明治に移り、パリから帰国した主人公・渋沢栄一が新しい日本を作るために奮闘することとなる。新たな展開が待ち受ける後半戦を前に、主演の吉沢亮が、今後の見どころや、ここまで栄一役を演じ … 続きを読む

amazon

page top