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【2.5次元】ミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2020 阿久津仁愛「これから先、いつまでたっても僕にとっての原点」

 2014年11月に始動したミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン(以下、テニミュ)の集大成として行われる、ミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2020が5月22日から大阪城ホールで開催される。通称ドリライと呼ばれる「Dream Live」は、テニミュの出演キャストたちが、同公演の楽曲を披露するコンサート形式のイベント。約3年半にわたって、主人公の越前リョーマを演じてきた阿久津仁愛(にちか)が、ドリライへの意気込み、そしてフィナーレを迎える3rdシーズンへの思いを語った。

越前リョーマ役の阿久津仁愛

-3rdシーズンの締めくくりとなるドリライが決まったことを聞いたときの気持ちは?

 ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編中にドリライの開催が発表されたのですが、まだ本公演も残っていたので、「本公演は最後だけど“卒業”はまだ先だ」という安心感がありました。僕自身は、ドリライに出演するのは3回目なのですが、また大きなステージに立たせていただけるのは本当にうれしいですし、またあのペンライトの景色を目に焼き付けられたらいいなと思います。

-今、「全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編」公演を終えて、改めてドリライに向けて力が入っているのでは?

 そうですね。「集大成」を見せることができる場なので、みんなの輝いている姿を見せたいですし、青学としてもこれまで以上に格好いい姿を見せられたらと思っています。今回のドリライは3rdシーズンのフィナーレを飾る公演ではありますが、僕自身、1stシーズンや2ndシーズンの楽曲をやるかもしれないという期待もあるので、それも楽しみです。

-ドリライの稽古は、本公演とはまた違うものですか。

 全然違います。本公演の稽古では、試合やラリーシーンの稽古もありますが、ドリライは歌って踊ることに100パーセントの力を懸けられる期間なので、本公演ではやらなかったところまで練習しています。そうやって準備もたくさんして臨みますが、それでも、本番でステージに立つと、本公演とはまた違った特別な感覚があるんです。その感覚は、ドリライのステージに立たないと味わえないものですね。

-お客さんからの反応も大きいと思いますが、阿久津さんが最初にドリライでステージに立ったときには、どんな思いでしたか。

 本公演はお芝居なので大きな声援が続くことはないですが、ドリライでは歓声がとにかくすごくて…緊張し過ぎてふらついてしまいました(笑)。でも、お客さまの声が力になって、稽古場よりいいものをお見せできたと思いますし、僕たちもすごく楽しく公演できました。

-お客さんも、キャストも、楽しむ要素の強い公演でもありますからね。

 はい。ドリライでは、ほかのチームの歌やダンスを見ることもできるので楽しみです。日替わり要素のあるMCコーナーも、チームのみんなで考えて作り上げているので楽しみなコーナーでもあります。本公演では、「相手に勝つ」という強い気持ちでステージに臨んでいるのに対して、ドリライはお客さまを楽しませることだけを考えているので、気持ちの面でも大きく違いますし、自然と笑顔になっていると思います。

-阿久津さんは、2016年の「青学vs六角」公演から越前リョーマを演じていますが、改めて今、振り返ってみて、ターニングポイントとなった公演はどの公演でしたか。

 現青学にとって初めての本公演となった「全国大会 青学vs氷帝」公演です。それまでの青学9代目では、僕はどちらかというとほかの青学キャストに引っ張っていってもらう立場で、みんなが僕をサポートしてくれているような感覚がありました。でも、現青学になり、僕だけが9代目から出演していて、ほかのキャストはテニミュには初出演という状況になって、僕が引っ張っていかないといけないという気持ちが強くなりました。それから、久々に長い試合ができる公演だったといううれしさもありました。僕が初めてリョーマを演じた「青学vs六角」公演にも氷帝は出ていたので、その氷帝と戦うということで、六角公演のときとは違う自分を見せたいという思いも強かったんだと思います。

 そういう思いもあって、「全国大会 青学vs氷帝」公演の東京公演の初日で、青学の楽曲を歌った瞬間は、どの公演よりも覚えています。僕は、普段はあまり負けず嫌いではないのですが、そのときはとにかく「自分は強い」と感じることができて、「絶対に負けたくない、僕だけを見て」と心から思ったんです。そこから、現青学とステージに立っているときには、「絶対に勝つ」という強い気持ちが生まれるようになりました。

-3年半にわたってリョーマを演じてきたことで、ステージに立つと自然とリョーマとしていられるようになってきましたか。

 テニミュのキャストたちは、舞台袖ではリラックスしていても、ステージに立った瞬間に役に入り込む人が多いので、自然と僕もそうなっているのかなとは思います。ただ、公演中は一人で考える時間を増やしたり、一人で行動する時間を意識的に作るようにはしています。そうしないと、笑顔になっちゃうんですよ(笑)。僕は、普段はずっとニコニコしているので、気を抜くと笑顔になってしまっていたり、ラリーを見ているときに、無意識に足でリズムを取ってしまっていたり(笑)。自分では格好いいリョーマを見せたいと思っているのですが。

-今、テニミュに対して思うことは?

 まだ携わっている最中なので、今も進行中ではありますが…これから先、いつまでたっても僕にとっての原点であり続けると思います。原作も、テニミュも大好きな作品です。3rdシーズンはドリライでフィナーレを迎えますが、その後もテニミュに関わるお仕事ならば積極的にやらせていただきたいです。それから、テニミュに出演した今だからこそ、客席からこの作品を見てみたいですね。絶対に見るポイントも変わってくると思うので、すごく楽しみです。3rdシーズンは終わっても、今後も続いていくことを願っています。

(取材・文・写真/嶋田真己)

ミュージカル『テニスの王子様』コンサートDream Live 2020 (C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト (C)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会

 ミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2020は、5月22日~24日、大阪城ホール、5月29日~31日、横浜・ぴあアリーナMMで開催。
公式サイト https://tennimu.com/

※本公演は、新型コロナウィルスの感染拡大の状況及び政府や地方自治体の方針を鑑みて全公演中止となりました。