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ダウンロード数300万を突破しているスマートフォン向けゲームアプリを原作にした舞台化作品『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズの最新作『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』〜Memory of Marionette〜が現在、上演中だ。約1年ぶりの“エクストラ・ステージ”となる本作では、原作のイベントストーリー「追憶*マリオネットの糸の先」「演舞 天の川にかける思い」「挑戦!願いの七夕祭」の3本が描かれる。18年9月に開催された『あんステフェスティバル』から「fine」の伏見弓弦役を務める渡邉駿輝と、18年10月に行われた『あんステフェスティバル』応援上映会で「fine」の姫宮桃李役として初お披露目された副島和樹が、東京、京都公演を終えた心境を語った。(※取材時は大阪公演前)
副島 僕は、2.5次元と呼ばれる舞台に出ることを夢見て2年前に上京したので、出演が決まったのは本当にうれしかったです。でも、その一方で、自分とは180度違うキャラクターを演じることに不安もありました。
副島 はい。僕は20歳まで海外に住んでいたのですが、その頃からアニメや漫画が大好きで、そのときにコスプレにも触れていたんです。コスプレはキャラクターというものを通して同じ趣味の方と通じることができる、コミュニケーションツールでもあったので、僕にとって大きなものでした。それでずっと2.5次元舞台にも憧れていたのですが、実際に出演するとなると、ただ衣裳を着て突っ立っていればいいわけではなく、キャラクターとして人生を生きなきゃいけないので、楽しい反面、すごく大変なことなんだということを日々、学んでいます。駿輝くんは?
渡邉 僕は、前回のフェスから出演しているのですが、そのときは本当に芸能界に入ったばかりで、何も分からず、ただただ出演できることがうれしいと感じていました。でも、稽古が始まって、そこで初めて、楽しいだけじゃ駄目なんだと気付きました。
副島 駿輝くんは、フェスのときに、ほかのキャストたちが集大成だと思って臨んでいる中に一人、パッと放り込まれて、かつ、フェスが終わっても自分は引き続き演じ続けるという、とても難しい環境だったので、大変だったと思います。駿輝くんはそこで、リアル「返礼祭」を体験したんですよね。先輩から後輩に託されて、彼は先輩たちの思いを今、体現してくれているんだと思います。
渡邉 いやいや、何を引き継げばいいのか分からなくて、次につなげるパフォーマンスということも分からなくて混乱して…今作での稽古でもいろいろと考えてしまって、ガチガチになっていましたが、fineのメンバーにフォローしてもらって、今、頑張れています。
渡邉 ダンスにまとまりが出た感じはします。
副島 開幕してから、fineのメンバー間に流れる空気が変わったんです。みんなで紡ぎあえて一つのパフォーマンスをするという感覚を体感できました。
渡邉 きっと、純粋に楽しめたからだと思います。稽古のときは、どうしても正確さを求めてしまうので、いろんなことを考えながら踊っているのですが、本番になったら、何も考えずに楽しめた。ペンライトでお客さんが応援してくれているのが見えて、気分がすごく上がりました。
副島 お客さんからパワーをもらったんだと思います。ダンスだけじゃなく、芝居の面でも、稽古中は原作のキャラクターに近づけることにばかりとらわれていましたが、公演を重ねていくうちにふっと力が抜けたのを感じました。桃李として言葉を発することができるようになってきて、キャラクター同士の関係性に加え、僕と駿輝くんの関係性もキャラクターに乗っかって、少しずつ深みが出てきたと思います。
副島 「Valkyrie」をメインとしたストーリーの中で、fineは今回、ヒール役に徹しています。登場するシーンは少ないですが、舞台の中では語られなかった天祥院英智(笹森裕貴)の思いや、それを知って着いていくfineのメンバーの気持ち、絶対王者であるfineの隠れた努力というものを、僕たちのパフォーマンスや空気感で伝えていきたいと思っています。
渡邉 それから、今回は、過去のエピソードも描かれています。斎宮宗(山崎大輝)と鬼龍紅郎(栁川瑠衣)の幼なじみという関係性が年を重ねたことで変化していき、微妙な距離感を持って対面したシーンとか…そういう細かい演技も見て欲しいです。