片山友希、MEGUMI「間違えても失敗しても、とにかく前に進み続けるということはお伝えできたかなと思います」『FUJIKO』【インタビュー】

2026年6月15日 / 15:30

-MEGUMIさんから見た彼女の演技はいかがでしたか。

MEGUMI 素晴らしかったです。今いろいろな方にこの映画を見ていただいているんですけど、ヨーロッパの方からも日本の方からも、「主演の片山さんが本当にすごいね」という声をたくさんいただいているので、この映画をよくしてくれたことに感謝しています。

-「ロックンロールのような人生」という表現が出てきますが、それがこの映画のテーマの一つでしょうか。

MEGUMI 太一さんが20年間イギリスに住んでいる方で、普段はミュージックビデオを撮っているので、やっぱりこの作品にそれを絡めないわけにはいかないと。彼のアイデンティティーですから。それと、富士子の、転がりながら富士子になっていくみたいなところとロックをリンクさせたところはあります。

-木村監督の演出はいかがでしたか。

片山 監督は「せりふをかんでもいい。飛ばしてもいい。つばが出てもいい。それがリアルだから。オーバーリアクションやお芝居をしているという感じは全部やめてほしい。もっとリアルにしてくれ」と言っていました。リアリティーがほしいというのが大きかったみたいです。

-個性的な共演者がそろっていましたが、特に印象に残った人はいましたか。

片山 イッセー尾形さんは、毎回お芝居するたびに全部せりふが違いました。でも、イッセーさんが台本にはないせりふをおっしゃっても、全然違和感がないんです。それを成立させているのはイッセーさんのキャリアと重みだと感じて、とても勉強になりました。

-完成作を見てどう感じましたか。

片山 例えば、賭博場のシーンは、全部音楽ありきでした。タンタンタンタンって包丁を使うシーン、タバコを吸いながらお札を数えるシーン、焼きそばを作っているシーン、投げた焼きそばをキャッチするシーンは全部リズムでやっているんです。だから、撮影の時は、何をしているのかは分かるけど、どういう音楽が流れてどういう感じになるのかは分からなかったので、完成作を見てすごく面白かったです。それはやっぱり監督がイギリスにずっと住んでいたことが影響しているのかなと。ずっと日本で生まれ育っていたらあまりない感覚だろうなと。日本だったら逆だと思います。お芝居ありきで、後でそれに合う音楽を探す気がします。だから、日本とイギリスがミックスしたような、見たことがないような映画だと思いました。

MEGUMI 4年ぐらい準備してやっとできたので、なかなか感情を抜いて見ることはできません。ただ、1970年代後期という時代背景の中で、こういう親子もの、家族ものを、このテンポ感と音楽で描いた映画は、日本にはあまりないと思ったし、それがわれわれの大きなチャレンジでもあったので、うまくいって本当によかったなと。今はほっとしています。

-最後に、これから映画を見る観客や読者の方に向けて一言ずつお願いします。

片山 とてもかっこよくて面白い映画ができたと思います。正直なところ、心が動く作品に出合えることは限られていると思いますが、この映画は本当に自分の心が動きました。「映画を見てください」と知り合いの人に言うと、「面白いの?」と聞かれることが多いのですが、今回は胸を張って「面白いです」と言えます。私自身、自信を持って面白いですと言える映画と出会えたことをとてもうれしく思います。

MEGUMI 私は自分が企画するものは女性のエンパワーをキーワードに作っていて、本作もその思いを込めて作りました。間違えても失敗しても、とにかく前に進み続けるということはお伝えできたかなと思います。女性ならではの細かい苦しさや、世の中に分かってもらえない悔しさみたいなものも入れ込んだと思うので、そうしたご自身の苦しみをこの映画で浄化して、パワーをもらって、日常に少しでも影響するようなことがあったら大変うれしいです。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2026 FUJIKO Film Partners

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