若村麻由美が挑む「幽閉されたクイーンと国家の中に幽閉されたクイーンの物語」 パルコ・プロデュース2026「メアリー・ステュアート」【インタビュー】

2026年3月3日 / 08:00

 第27回読売演劇大賞優秀女優賞など多くの賞を受賞し、ドラマ、映画、舞台と多岐にわたって活動を続ける若村麻由美。4月8日から上演される、パルコ・プロデュース2026「メアリー・ステュアート」では、イングランド女王エリザベス1世を演じる。本作は、実在のスコットランド女王とイングランド女王の数奇な運命を描いた舞台公演。演出を栗山民也が手掛け、スコットランド女王メアリー・ステュアートを宮沢りえが務める。若村に本作の印象や公演への意気込み、人生において大切にしていることなどを聞いた。

若村麻由美 【ヘアメーク:保坂ユミ(éclat )/スタイリスト:岡のぞみ】 (C)エンタメOVO

-運命に翻弄(ほんろう)された二人の女王を巡る物語です。演出を務める栗山さんとのクリエイトで楽しみにされていることを教えてください。

 これまでもご一緒させていただいていますが、大好きな演出家さんです。この作品はまず、戯曲がすばらしかった。その上で、栗山さんがどのように演出されるのか、今はとても期待しています。これまでも「なるほど!」と思いながらお稽古させていただくことが多かったですし、いつも私の不安を払拭してくださるので、安心して楽しんで作品に臨もうと思っています。

-本作の戯曲を読んでどのようなことを感じましたか。

 私はあまり歴史的な知識はありませんが、戯曲を読んで、今この作品を上演する意味を一番強く感じました。女性トップリーダーがどれだけの苦悩を抱え、国家、国民のためにと考えていたのか。そうした裏側が描かれています。これはイングランドとスコットランドの話ですが、今だからこそ見えてくるものがきっとお客さまの中にもあるのではないかと思います。そうしたところがすごく楽しみです。

-エリザベス1世、そして本作の魅力はどこにあると思いますか。

 この戯曲は、幽閉されたクイーンと国家の中に幽閉されたクイーンの物語です。それはどちらも牢獄にいることになるのでしょうか。エリザベスは(身体的に拘束されているわけではないから)いろいろな差配もできますが、選択肢が少ない中、いかに自分の信念を貫いていくのか苦悩します。バージン・クイーンという呼び名の通り国家と結婚して、それでも自分の思うようにならずに生きていきます。子どもの頃から虐げられ、幽閉され、突然「クイーンになれ」と言われて、自由に選択できない中で女王になり、その責務を果たすという強い信念の元に生きる人です。なかなかそのようには生きられませんが憧れるところもあります。そういう意味で、演じさせていただけることをとても楽しみにしています。

-エリザベス1世について、本を読まれたり、知識を得られていく中で、最初の印象から変化を感じる部分はありましたか。

 「よろいを着た女性」というイメージを持っていたので、より人間的だなと感じるようになりました。愛を含めていろいろな感情を持っていて、女性として思うようにならないことが多い中、信念を貫いていこうと覚悟を決めるというのは本当にすごいことだなと思いました。

-対峙(たいじ)するメアリーの人物像に関して、今はどのように考えていますか。

 対照的な二人だと思いますが、置かれた境遇という意味では、どちらも幽閉されているという共通点があります。先ほども話しましたが、牢獄にいることが捕らえられていることなのか、牢獄にはいないけれども捕らえられているのか。そうしたことを感じながら見ていただけるのではないかと思います。(取材当時は)栗山さんがどのように演出されるのかまだ分かりませんが、現代にフィードバックができる物語になるのではないかと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ユースケ・サンタマリア「クイズ番組が題材のミステリーが面白そうだなと」傑作ミステリー小説の映画化で好演『君のクイズ』【インタビュー】

映画2026年5月15日

 テレビで生放送中のクイズ番組の決勝戦。賞金1千万円を懸けた最終問題に、挑戦者の本庄絆(神木隆之介)は“一文字も聞かず”に正解する。前代未聞の事態は世間を騒がせ、本庄は姿を消す。番組の総合演出を務めた坂田泰彦(ムロツヨシ)は、生放送でその検 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第18回「羽柴兄弟!」新登場した羽柴家臣団期待の俳優陣【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月14日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=羽柴小一郎長秀/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月10日に放送された第18回 … 続きを読む

佐々木蔵之介「毎朝、亡き大森一樹監督に思いをはせながら現場に通っていました」名監督の遺志を継いで主演に挑んだ時代劇『幕末ヒポクラテスたち』【インタビュー】

映画2026年5月8日

 大ヒット作『ゴジラ-1.0』(23)からNHKの大河ドラマ「光る君へ」(24)まで、幅広い作品で活躍を続ける佐々木蔵之介。その主演最新作が、幕末の京都の小さな村を舞台にした医療時代劇『幕末ヒポクラテスたち』(5月8日公開)だ。中国・唐由来 … 続きを読む

ミュージカル「メリー・ポピンズ」通算250回公演達成! 濱田めぐみ「長く長く上演していけたら」 大貫勇輔「毎公演、奇跡を起こせるように」

舞台・ミュージカル2026年5月5日

 ウォルト・ディズニーが映画化し、アカデミー賞5部門を受賞した映画を原作とした、ミュージカル「メリー・ポピンズ」。現在上演中の日本プロダクションが、5月6日に記念すべき250回公演を迎える。それに先立ち、メリー・ポピンズ役の濱田めぐみと、バ … 続きを読む

三山凌輝、「愛の不時着」でミュージカル初挑戦 「これまでのパフォーマンスの集大成でもある」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月3日

 元BE:FIRSTのメンバーで、朝の連続テレビ小説「虎に翼」でヒロインの弟役を演じて話題を集めた三山凌輝が、ミュージカル「愛の不時着」でミュージカル初主演を果たす。韓国の財閥令嬢と朝鮮人民軍軍人の国境を超えた愛を描いた本作は、2019年か … 続きを読む

page top