吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

2025年10月31日 / 08:15

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」。明治初期、松江の没落士族の娘・小泉セツと著書『怪談』で知られるラフカディオ・ハーン(=小泉八雲)夫妻をモデルに、怪談を愛する夫婦、松野トキ(髙石あかり)とレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)の何気ない日常を描く物語だ。第4週では英語教師の錦織友一が登場したが、第5週から本格的に活躍し、やがて夫婦となるトキとヘブンにとってかけがえのない存在となっていく。錦織を演じるのは、大河ドラマ「青天を衝け」(21)で主演を務めた吉沢亮。撮影の舞台裏や作品に込めた思いを語ってくれた。

吉沢亮(C)NHK

-まずは、本作に出演する決め手となったことを教えてください。

 「ばけばけ」の制作統括の橋爪國臣さんやチーフ演出の村橋直樹さんとは以前、大河ドラマ「青天を衝け」でご一緒させていただいたことがあります。今回、同じチームの方々から再びお声掛けいただいたことをありがたく思い、お引き受けしました。さらに、台本を読ませていただいたところ、言葉の掛け合いが面白く、資料を拝見すると錦織友一のモデルになった西田千太郎さんも、とても魅力的な方だなと。それも、大きなモチベーションになっています。

-舞台となる明治初期の時代は「青天を衝け」とも重なりますが、当時の経験が今回に生かされている部分もあるのでしょうか。

 「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一は、時代の変化を楽しむことができる人でした。でも、当時はそんな人ばかりではありません。時代の変化に取り残される人もいれば、いや応なくその変化に巻き込まれていく人もいた。その中で、錦織友一はどんな立ち位置にいたのか。役作りの一環として、そういうことを考える上では、「青天を衝け」で経験した空気感が役立っています。

-錦織は英語教師ということで、英語のせりふが多いのが特徴ですね。

 以前から英語を学びたいと思っていたので、今回、挑戦させていただきました。英語のレッスンは、いかにも「練習しています」という感じにならないように、クランクインの4カ月くらい前から開始し、今も撮影の合間に週2、3回のペースで続けています。ただそれでも、思った以上に英語のせりふが難しく、現場では苦戦中です(苦笑)。

-英語のせりふのどんなところに難しさを感じていますか。

 英語のせりふを覚えること自体は、頑張ればなんとかなるのですが、そこに感情を乗せて言うことが非常に難しいんです。しかも、英語のせりふには錦織自身の言葉として話す場合と、通訳として話す場合があり、そのテンションの違いも意識しなければいけません。それが、さらに輪をかけて難しくて。

-見ているだけではわからないご苦労があるのですね。

 その上、当時の日本人の英語との距離感は現代とはだいぶ異なり、日本語での会話の最中に“イッツ サプライズ!(びっくり!)”みたいなことを言うなど、急に英語が飛び出すんです。うっかりすると、コメディーのようになりかねなくて(笑)。そうならないように、毎日必死です。

-錦織は「大盤石(だいばんじゃく)」と呼ばれた松江随一の秀才だそうですが、演じる上で“秀才感”のようなものは意識していますか。

 東京に出てきた直後の錦織が「これから自分たちが日本を変えていくんだ!」という心意気に溢れた第4週は、秀才感を意識していました。ただ、第5週からは松江にやってきたヘブン先生に振り回されっぱなしなので、どちらかというとドタバタ感を意識しながら演じています。

-第5週からはいよいよヘブンが松江を訪れ、錦織とも関わっていくということで、吉沢さんと高石さん、トミーさんの共演も楽しみです。

 第5週以降は髙石さん、トミーさんと3人でのシーンが増えてきます。目の前で起きるのは、やや重めの出来事が多いにもかかわらず、それをコメディータッチで演じるので、笑いが絶えません。しかも、お2人ともお芝居のテンポ感やテンションがとてもナチュラルで、コメディータッチでありつつ、オーバーにならないところが心地よくて。そういうお2人がすてきだな、と思いながらお芝居させていただいています。

 
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