エンターテインメント・ウェブマガジン
NHKで好評放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」。明治初期、松江の没落士族の娘・小泉セツと著書『怪談』で知られるラフカディオ・ハーン(=小泉八雲)夫妻をモデルに、怪談を愛する夫婦、松野トキ(髙石あかり)とレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)の何気ない日常を描く物語だ。第4週では英語教師の錦織友一が登場したが、第5週から本格的に活躍し、やがて夫婦となるトキとヘブンにとってかけがえのない存在となっていく。錦織を演じるのは、大河ドラマ「青天を衝け」(21)で主演を務めた吉沢亮。撮影の舞台裏や作品に込めた思いを語ってくれた。

吉沢亮(C)NHK
「ばけばけ」の制作統括の橋爪國臣さんやチーフ演出の村橋直樹さんとは以前、大河ドラマ「青天を衝け」でご一緒させていただいたことがあります。今回、同じチームの方々から再びお声掛けいただいたことをありがたく思い、お引き受けしました。さらに、台本を読ませていただいたところ、言葉の掛け合いが面白く、資料を拝見すると錦織友一のモデルになった西田千太郎さんも、とても魅力的な方だなと。それも、大きなモチベーションになっています。
「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一は、時代の変化を楽しむことができる人でした。でも、当時はそんな人ばかりではありません。時代の変化に取り残される人もいれば、いや応なくその変化に巻き込まれていく人もいた。その中で、錦織友一はどんな立ち位置にいたのか。役作りの一環として、そういうことを考える上では、「青天を衝け」で経験した空気感が役立っています。
以前から英語を学びたいと思っていたので、今回、挑戦させていただきました。英語のレッスンは、いかにも「練習しています」という感じにならないように、クランクインの4カ月くらい前から開始し、今も撮影の合間に週2、3回のペースで続けています。ただそれでも、思った以上に英語のせりふが難しく、現場では苦戦中です(苦笑)。
英語のせりふを覚えること自体は、頑張ればなんとかなるのですが、そこに感情を乗せて言うことが非常に難しいんです。しかも、英語のせりふには錦織自身の言葉として話す場合と、通訳として話す場合があり、そのテンションの違いも意識しなければいけません。それが、さらに輪をかけて難しくて。
その上、当時の日本人の英語との距離感は現代とはだいぶ異なり、日本語での会話の最中に“イッツ サプライズ!(びっくり!)”みたいなことを言うなど、急に英語が飛び出すんです。うっかりすると、コメディーのようになりかねなくて(笑)。そうならないように、毎日必死です。
東京に出てきた直後の錦織が「これから自分たちが日本を変えていくんだ!」という心意気に溢れた第4週は、秀才感を意識していました。ただ、第5週からは松江にやってきたヘブン先生に振り回されっぱなしなので、どちらかというとドタバタ感を意識しながら演じています。
第5週以降は髙石さん、トミーさんと3人でのシーンが増えてきます。目の前で起きるのは、やや重めの出来事が多いにもかかわらず、それをコメディータッチで演じるので、笑いが絶えません。しかも、お2人ともお芝居のテンポ感やテンションがとてもナチュラルで、コメディータッチでありつつ、オーバーにならないところが心地よくて。そういうお2人がすてきだな、と思いながらお芝居させていただいています。
インタビュー2025年11月17日
韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む
映画2025年11月14日
日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。 主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む
2025年11月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈 銭湯の湯け … 続きを読む
映画2025年11月13日
40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む
映画2025年11月11日
何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む