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ザ・ビートルズを世界的な成功に導いたマネジャー、ブライアン・エプスタインの実話を基に描いた伝記映画『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』が9月26日から全国公開される。本作で主人公のブライアン・エプスタインを演じたジェイコブ・フォーチュン・ロイドに話を聞いた。
ジェイコブ・フォーチュン・ロイド(C)Andrew James
ある日、エージェントから「ミーティングがある。ブライアン・エプスタインをやることになるかもしれない」という電話を受けましたが、その時僕は「ブライアン・エプスタインって誰だっけ?」みたいな感じで、彼のことを全く知りませんでした。その後、プロデューサーに会い、オーディションを受け、台本を受け取ってという流れになりました。ブルジット・グラントという素晴らしい脚本家が書いた台本を得て、ブライアンについて何も知らなかった僕が、数日後には彼のことよく知っているという状態になりました。
多分ほとんどの人がブライアン・エプスタインがどんな人だったのかを知らないと思います。ビートルズやあの時代の音楽のファンであったりしない限りは、たとえあの時代に生きていたとしても、知らない人は多いと思います。ブライアンのことがこんなに知られていないというのは、ある意味奇妙なことだとも思います。
僕はこの人は多くの矛盾を抱えた人だと思いました。誰もが矛盾を抱えていますが、普通の人よりも大きなものを抱えていたと思います。芸術的なセンスやテイストに関してはすごく自信を持っていたと思いますし、成長する過程が他の人よりも早く、若いのに成熟した人だったとも思います。それと同時に、すごくシャイでもありました。そして、自分自身に対するフィーリングがとても複雑で、自分を愛せなかったということもあると思います。人生の後半になると文化的な影響力もあり、とても裕福になるのですが、彼自身のゲイであるというセクシュアリティーが起因して、自分が犯罪者であるかのように思っていたところもあると思います。それによって、脅迫もされたし、ダメージも受けたと思いますが、やはりこの両極端、個人の感情とパブリックイメージのはざまで生きていた人なのではないかと思います。
また、すごく真面目でシリアスな人だったということです。例えば、オフィスでは、皆に「ミスター・ブライアン」と呼ばせていたようですし、自分にも他人にもスタンダードの基準がとても高かったのだと思います。自分にも他人にも期待値が高く、その期待に応えることはほぼ不可能だったと思いますし、結果的に自分にも他人にもプレッシャーを与え続けることになったのだと思います。
でもその一方では、すごく優しい人で、紳士ですし、愛にもあふれていた人だとも思います。だからこそ、ビートルズのメンバーもブライアンのことが大好きだったのでしょう。それはブライアンに責任感があって大人だったからです。実際、ブライアンはビートルズのためにいろんな世話をし、彼らが音楽に集中できるような環境を作りました。それと同時に、ブライアンにはユーモアもあって、ビートルズもブライアントと過ごす時間がとても好きだったようです。本当におじさんみたいな、親子みたいな、友達みたいな関係性だったのだと思います。
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