エンターテインメント・ウェブマガジン
K-POPや映画などの大衆文化も素晴らしいですが、伝統芸術はそれよりもはるか以前から続いている文化です。私たちは、その伝統をただ守るだけでなく、現代的にどう再解釈するか、若い世代がどう自分たちの色に染め直すかを扱っています。なので、より長い時間を扱っていることに大きな意味があるのかなと思います。
とても難しい質問ですが、韓国には本当に多様なジャンルの芸術家がいます。それぞれが考えを持ち、悩み抜きながら活動していて。それらが、それぞれの場所で自分の表現を続けること、そしてその多様性に注目が集まることが、もっとも自然で確実な発展だと思います。全員が大衆芸能に偏る、あるいは(そうなることはないでしょうが)伝統芸能に偏るのではなく、それぞれが自分の持ち味を発揮していくことで、韓国文化の豊かさが伝わっていくのだと思います。
はい。私自身、伝統音楽を専攻してきたのですが、正直「伝統だけ」だと難しく、とっつきにくい部分もあると思います。だから、演じる側も、見る側も楽しめるようにしたい。伝統と現代、舞踊と音楽、アートと職人、そうした「出会い」をテーマに作品をつくっています。
職人が舞台上で仕上げた扇子と螺鈿作品
とてもあると思います。美術は大きなプロジェクトになるので個人では難しいですが、国の支援があれば実現可能だと思います。音楽に関してはもっと簡単に、日韓の若い伝統音楽家が出会い、考えを共有し、新しいものを作り出していくという流れがつくれるはずです。実際に、今年の年末には日中韓の伝統音楽家が集まる公演を企画しています。美術についても、日韓の職人と演奏者がコラボできたらいいですね。とても大変だとは思いますが、きっと楽しいものになると思います。
難しい質問ですね(笑)。日本の伝統を深く学んだわけではないですが、自分は韓国の伝統音楽をベースにしているので、個人的な印象としてお話しします。韓国の音楽は、形式がきっちり整っておらず、「恨(ハン)」や「興(フン)」といった感情や味わいがにじみ出るような部分がある気がします。日本の伝統音楽は形式が整っていて無駄がなく、洗練された印象を受けることが多いです。
私たちの公演をご覧になった方はお分かりだと思いますが、私たちは一つの型にこだわらず、さまざまな形、さまざまな味を見せていきたいと考えています。伝統だけでもなく、現代だけでもなく、音楽・舞踊・美術などが交わることで新しい表現が生まれます。ぜひ、もっと多様な文化を一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。
フィナーレで、二人の職人と並んで立つイ・インボさん(前列左から2番目)
プロフィール
84年生まれ。舞台演出家。リキッドサウンド代表。ソウル大学音楽学部国楽科卒。テグム(管楽器)専攻。フランスパリ第8大学演劇科学士・修士卒。2015年にリキッドサウンドを設立。同年、「舞踊劇 見えない境界」で演出家デビュー。代表作は「ギン:演戯解体プロジェクトⅠ」。2025年4月、韓国全州市にある国立無形遺産院で「職人の時間」を初演。
映画2025年7月3日
-実際に演じてみて感じたことや、演じる上で心掛けたことや気を付けたことはありましたか。 自分が桐島を演じる上で一番重要だと思ったのは、(偽名の)「ウチダヒロシ」として、1人の部屋で朝を迎えて、窓を開けてコーヒーを飲んでというシーンでした。 … 続きを読む
ドラマ2025年7月2日
磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む
ドラマ2025年7月1日
ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む
ドラマ2025年6月29日
-それが変わってきたということでしょうか。 物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む
映画2025年6月27日
-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。 やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む