ひょうろく「一瞬ドッキリを疑ったんですけど、渡辺謙さんがいらっしゃったので、やっぱり本当だったのかと」 【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

2025年6月22日 / 19:59

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。田沼意知(宮沢氷魚)は抜荷(ぬけに=密貿易)の証拠をつかもうとする。そんな意知に協力を申し出たのが、吉原の花魁・誰袖(福原遥)だった。彼女は、協力する代わりに自分を身請けしてほしいと迫る。そして動き始めた誰袖がまず接触したのが、松前家当主・松前道廣(えなりかずき)の弟の松前廣年だった。廣年を演じた人気お笑い芸人のひょうろくが大河ドラマについて語る。

松前廣年役のひょうろく (C)NHK

-大河ドラマデビューということで、周囲の反響をどう実感していますか。

 僕は鹿児島県の出身なんですけど、やっぱり田舎の方では大河ドラマを見ている人はめちゃめちゃ多いみたいで、そこに僕が出るということですごく喜んでいただいています。だから周りの方の反応を見て、何かすごいものに出させていただいているんだと改めて思いました。

-今回はドッキリだとは疑わなかったのですか。

 一瞬疑ったんですけど、渡辺謙さんがいらっしゃったので、やっぱり本当だったのかと。渡辺謙さんが僕のために動くことは絶対にないので(笑)。あとはスタッフさんが「これドッキリかもよ」ってすごく言ってくださったんですけど、本当のドッキリの時って絶対にそんなことは言ってくれません。だからこれはちゃんとしたものだと思って逆に安心しました。

-今回のオファーについては、誰からどういうシチュエーションで伝えられたのですか。

 マネジャーさんからのグループチャットで「何か大河ドラマの話が来たよ」って。でもそれってめちゃくちゃうそっぽいじゃないですか。だから僕も「えっ大河ですか」ってなって。「多分出られても一瞬のことだから。でも出られれるだけでもうれしいです」って話をしたら、「ちゃんとせりふがあって、役もすごく面白いのを頂けるみたい」と徐々に話が大きくなっていきました。

-松前廣年という家老の役で言葉遣いも難しかったと思いますが、いかがでしたか。

 最初に言われたのが、「あまり演じることを意識しなくてもいいですけど、位の高い方なので一応りんとしていてください」と。僕自身は38年間ずっと普通に生きてきたので、上の人の立場というものがどうしても分からなくて。だから一つ一つのしぐさですごく悩みました。たやすくひれ伏さないようにするというか、普段は、困ったら「すいません」となりますが、多分それをしたら駄目なので。あまり「ありがとう」と思わないようにしました。

-松前廣年をどのようなイメージで演じましたか。

 一応、位の高い方ではあるんですけど、お兄さんが怖いので、どちらかというとしゅくしゅくと生きているという感じでしょうか。絵がお好きな方で、僕もそういうことが好きなので、絵を描いたりするシーンがあってもいいと思いました。でも本物の廣年さんの絵を見たら全然レベルが違いました。

-今回どうしてひょうろくさんにオファーがあったのかという理由は聞きましたか。

 これこれだからひょうろくさんにお願いしますみたいなお話は特になかったです。だから、僕は勝手に僕と(兄の松前道廣役の)えなり(かずき)さんの顔が似ているからなのかなと思いました。昔よく、えなりさんに顔が似ていると言われたんです。でも、何かほかに意図するものがあったのかちゃんと聞いておけばよかったですね。

-えなりさんとの絡みの芝居はいかがでしたか。

 兄に呼び出されるシーンがあるんですけど、えなりさんの笑顔と狂気が入り混じった感じが本当に怖かった。本当にこういう呼び出され方をしたら、めちゃくちゃ怖いなと思いながら見ていました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

えなりかずき イメージを覆す“暴君”・松前道廣役は「稲垣吾郎さんが『十三人の刺客』で演じた極悪非道な殿様を参考に」【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月22日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。幕府の財政再建を目指す老中・田沼意次(渡辺謙)は、抜荷(ぬけに=密貿 … 続きを読む

【週末映画コラム】老匠による究極の独り善がり映画『メガロポリス』/痛みに対する想像力を働かせながら見る映画『Mr.ノボカイン』

映画2025年6月20日

『メガロポリス』(6月20日公開)  21世紀、アメリカの大都市ニューローマでは、富裕層と貧困層の格差が社会問題化していた。新都市メガロポリスの開発を進めようとする天才建築家カエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)は、財政難の中で利権に固 … 続きを読む

松本利夫、EXILEパフォーマー卒業から10年 舞台は「山登りに似ている」 「よろしく候~BOTTOM OF HEART~」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年6月18日

 松本利夫が主演する舞台、LEGENDSTAGE feat.カムカムミニキーナ「よろしく候~BOTTOM OF HEART~」が6月26日から上演される。本作は、劇団「カムカムミニキーナ」の松村武が手掛ける幕末ヒューマンドラマで、17年ぶり … 続きを読む

濵田崇裕、「歌喜劇/~蘇る市場三郎 冥土の恋~」は「僕の代表作だと胸を張って言える」

舞台・ミュージカル2025年6月16日

 WEST.の濵田崇裕が主演する「歌喜劇/~蘇る市場三郎 冥土の恋~」が、6月30日から上演される。本作は、福田転球が脚本、河原雅彦が演出、濵田が主演を務める「市場三郎」シリーズの3作目。今回は、冥土を舞台に、三郎が女性と出会い、恋に落ちて … 続きを読む

恒松祐里「貴重な経験をさせていただいた現場でした」アットホームな現場で増したクリエーティブに対する意欲『きさらぎ駅 Re:』【インタビュー】

映画2025年6月13日

 6月13日から公開となった『きさらぎ駅 Re:』は、2022年にスマッシュヒットを飛ばした『きさらぎ駅』待望の新作続編だ。前作『きさらぎ駅』は、2004年1月8日、“はすみ”と名乗る女性がこの世に存在しない“きさらぎ駅”という異世界駅にた … 続きを読む

Willfriends

page top