水上恒司、髙石あかり「大人の方たちにもぜひ見てほしいと思いました」『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』【インタビュー】

2025年5月1日 / 13:12

-それはご両親のイメージ?

水上 僕は九州出身なので、それはすごく感じます。男を立てるみたいな昔のイメージ。それがいいとか悪いとかではなくて、それは僕がそうした生い立ちだからこそ、そういうイメージが湧いてきたのかなと思います。

-自分が演じた役以外で好きなキャラクターはいましたか。

髙石 私は「わにくん」が好きです。

水上 僕は、関智一さんが声を当てたゴッチャンです。ゴッチャンとらいおんくんが出会うシーンのカットバック。あそこは技法的にもすごく引き込まれました。関さんとはご一緒したことがあったので懐かしさを感じながら、やっぱりうまいなと思いました。

-この映画のメッセージ性についてはどう思いますか。

髙石 人を笑顔にするという意味で言うと、大勢の人たちに対してというのは難しいと思いますが、自分の周りの家族や友達には笑顔で見てもらえたらうれしいという思いは常にあります。いろんな感情を表現して、気持ちが湧き立つようなお芝居を目指しました。

水上 多分これを見てくれる子どもたちは、見栄を張ったり、嫉妬したり、人の言うことを聞かなかったりという感情をまだ言語化できないと思うんです。このたべっ子どうぶつのキャラクターたちのように、何もかもうまくいかない中で、壁や何かしらの障害を感じながらも進んでいかなければならない。至極当たり前のことをこの作品では語っています。だからそれを言語化できなくてもいいから、子どもたちに感じてもらえればいいと思います。そして保護者の方々が、それを言語化して子どもたちに伝えてほしいです。その点では、大人の方にも見ていただける作品になっていると思います。

-完成作を見て改めて感じたことはありましたか。

髙石 最初にデータで頂いて小さい画面で見たんですけど、先日やっと大きいスクリーンで見ることができて、やっぱり映画館で見ていただきたいなと思いました。モフモフ感みたいなものが伝わるし、映像に対してもすごいこだわりが見えます。音楽も今回歌わせていただいたのもそうですが、劇中で流れるものもすごくすてきです。あとは色遣いがすごいです。

水上 アフレコの時にはまだ画になっていないところがあって、そこからどれだけの技術が盛り込まれたのかは分からないですけど、一般のお客さんたちと比べて少しだけ進んだところを感じられたからこそ、技術的なところにも興味を持ってほしいと思いました。僕らのアフレコを宣伝として使っていくのもすごく大事なことですが、それと同じぐらい製作過程を知ることも大事だなと。それを知ることでアニメを作りたいと思う子どもが増えてくれればいいなと思いました。

-最後に観客や読者に向けて一言お願いします。

髙石 まず物語性があります。それとたべっ子どうぶつたちのかわいらしさや、モフモフを感じに来ていただきたいところもありますけど、大人の方には、一人一人のキャラクターや人間味から感じる面白さとか、話全体の流れとしてのどんでん返しの面白さを感じていただきたいと思います。

水上 子どもたちと一緒に保護者の方が来ることも多いと思います。保護者の方は、子どもが感動していたら、この子は一体何に感動しているのかという視点を持っていただきたいと思います。どこがよかった、何が面白かったという話を親子でするきっかけの一つになったらうれしいです。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)ギンビス (C)劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】50年の時を経て製作された『新幹線大爆破』新旧2作を紹介

2025年5月2日

『新幹線大爆破』(75)(5月9日から2週間限定で全国リバイバル上映)  国鉄本社に、東京発博多行きの東海道・山陽新幹線に爆弾を仕掛けたという脅迫電話が入る。爆弾は時速80キロ以下に減速すると爆発するようセットされているという。大金を要求し … 続きを読む

中園ミホ「皆さんに“やなせたかしワールド”を知っていただきたい」連続テレビ小説「あんぱん」脚本家が作品に込めた思い【インタビュー】

ドラマ2025年5月1日

-のぶのモデルになったやなせさんの奥様の暢さんについてはいかがでしょうか。  打ち合わせを重ねた末、朝ドラらしく主人公は女性で、ということで、のぶが主人公ということになりました。暢さんのことはこれまで存じ上げませんでしたが、今回の取材を通じ … 続きを読む

大河ドラマ「べらぼう」 横浜流星コメントが到着

ドラマ2025年4月27日

 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の第17回(5月4日放送予定)より、蔦重が板元として本格的に始動する新章がいよいよスタートした。主人公・蔦屋重三郎を演じる横浜流星からのコメントが到着した。 -第17回からの成長した蔦重の変化とは? … 続きを読む

「蔦重のベースにあるのは、平賀源内から託された思い」演出家が語る舞台裏と今後の展望【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年4月27日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、4月20日放送の第16回「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」で大きな転機を迎えた … 続きを読む

鈴鹿央士「自分が結婚するとなったら、結婚式の前夜にこの映画が見たいと思いました」『花まんま』【インタビュー】

映画2025年4月25日

-鈴木さんと有村さんの印象は?  僕が台本を読んで、頑張って150パーセント理解できたと思っても、多分僕より人生を長く生きてきた人からしたら、50パーセントぐらいの理解度なんだろうなとは何となく思っていました。演じる自分としてはもっと理解し … 続きを読む

Willfriends

page top