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本当にきれいな映像で、すごくすてきなんですけど、温もりを感じるというか、温かみのある絵だなという印象です。温もりを感じるのは、やっぱり人の手が入っているからだと思いました。ロズもロボットなのに、かわいらしくてゴテゴテしていない感じです。でもちょっとした瞬間に、どう動くか分からない予測不能なところが怖く見えることもありました。ロズが特別な個体であることが分かるシーンがあって、それを見た時に、かわいらしくてすごくいいロボットに見えるけど、同時に脅威の部分も持ち合わせているというロボットの本質が表現されているところもあります。
普段はこんなしゃべり方ですが、テンションが上がればもっと声が高くなります。キラリの声は、子どもの頃はかわいらしい感じで、ちょっとずつ大人になっていって、渡りを経て成長していくという変化を出すことが大切でした。心の中での表現ではありますが、何か感じてもらえたらうれしいです。
以前、舞台とアニメーションの声当てを同じ時期にしていたことがあって、その時に声を出すことと、声を形に残す声みたいなことをすごく学びました。そのすぐ後に「仮面ライダー」をやらせてもらったのですが、その二つの経験がなかったら、仮面ライダーをやった時に、役の形がずれてしまったのではないかと思います。声優をやる時は、はきはきとしゃべったり、通る声、芯のある声を心掛けます。それができるようになった時に、普通のお芝居でも生かせるというのはすごく大事なことだと思いました。
ピンクシッポの子どもたちがすごくかわいいのと、クビナガもすごくすてきなキャラクターでかわいくてかっこいい。チャッカリも好きです。キラリでなければチャッカリの声をやってみたかったです。
キラリで言えば、渡りに向けてトレーニングをするところはすごいです。トレーニングの一つ一つが連なって、一つのシーンになるところはすごくいいと思いました。クライマックスのシーンはハラハラドキドキしながら、胸がぎゅぎゅんとなるというか、苦しくなりながらも感動します。そこまでの作品の雰囲気とはガラッと変わります。
あとは、キラリとロズの関係がどう変化していくのかというところです。大人のガンとして成長していかなければならない葛藤や、本当の母親ではないロズとの関係性がどう広がっていくのかを見てほしいです。自分がキラリをやっているので親子としての絆や、彼の成長みたいなところがすごく刺さりました。中盤でロズから親離れをしますが、そこでは終わらないところがこの作品のすてきなところだと思います。多分そこで終わることもできるし、ハートフルな作品として終えることもできる。でもそこからもう一展開あるところがすごくいいと思います。
この映画は、見る年代によって受け取るメッセージや印象も変わってくるとは思いますが、親子や友達、大切な人と一緒に見るのもいいし、自分はほかの人とは違うと感じている人が1人で見ても勇気をもらえると思います。ちょっとでも気になったら、ぜひ映画館で見てほしいです。心温まる作品ですし、年代やタイミングによって受け取るものがたくさんあると思います。誰に感情移入するかによっても変わってくると思います。その瞬間を楽しんでもらって、この作品のエネルギーを感じて、何かを受け取って持って帰っていただけたらうれしいです。
(取材・文・写真/田中雄二)

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