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拓也のものの言い方が変だなと思うところはありました。でも、ではどこまでいったら不自然じゃないのかと言ったら変ですけど、映画やドラマは作られたものだから不自然でもいいと思うんです。それでも、(渡邉崇)監督と僕の中で、許せる範囲ってどこなのだろうとかを話し合いました。
僕の場合は、主役じゃない役の方が多いので、求められる役割がはっきりしているんです。例えば、ここは面白くしてほしいとか、主人公をすごくけなしてほしいとか。今のところ自分の中ではやっていてそんなに大きな負担はないです。主役の場合は、例えば、この人は面白いことをやってくる、この人は自分のことをけなしてくる、この人は温かい言葉をかけてくれるというのを全部受けて出さなければなりません。それをやりたくないとは思いませんが、今までの経験値として、けしかける方が多かったので、主役じゃない方がやりやすいかなと。でも、どちらもバランスよくできたらいいというのが結論ですかね。
やればやるほど、主役も脇役もあまり変わらないのかもしれないと思います。例えば、さっき言ったような主人公をけなす役の人でも、少なくともけなしている時はその人が主役の瞬間があるというか。一つの作品における主役かどうかは、スポットが当たる瞬間の頻度の違いだけだと。そう考えると主役も脇役も大きくは違わないと思っています。今回もそれは思いました。
スタッフの中には映画製作の現場が初めての方も多くて、まるで全員野球のような現場でした。だからこそいろいろなことがありましたが、いろんな人がいて楽しかったです。一番印象に残ったのは、タクシーの走行シーンが最後の撮影だったのですが、タクシーの行灯が移動している途中でなくなってしまったんです。すると現場にいるスタッフが力を合わせて、文房具とか手持ちの道具を使って似たものを作り始めて。それを見た時に、これはこれですてきな出来事だと思いました。
拓也と両親(酒向芳、山下容莉枝)とのシーンがすごく好きでした。お二人ともすごく温かくて。変に作らなくても、あのお二人がいるだけで家族の雰囲気になれたというのは、僕の中では印象的なシーンでした。
ファンタジーでも、派手な物語でもありませんが、人によってはとても身近なものとして心に響くものがあると思います。物語の展開を楽しみながら、登場人物の誰かに共感できると思います。僕個人としては、少なくとも出し切ったつもりでいるので、どういう方に見ていただけるのかとても楽しみです。決して派手な映画ではありませんが、見終わった後にいろいろと考えることができると思います。
(取材・文・写真/田中雄二)
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