「仲間がいるからこその楽しい歌や仲間の温かさをこの映画から感じてほしいと思います」小関裕太『モアナと伝説の海2』【インタビュー】

2024年12月6日 / 16:36

 モアナが壮大な冒険の末に故郷の島を救ってから3年。人間を憎み世界を引き裂いた“嵐の神の伝説”を知ったモアナは、人々の絆を取り戻すため立ち上がることを決意。風と海をつかさどる半神半人のマウイや島の新たな仲間たちと共に危険に満ちた冒険の旅に出る。海に選ばれた少女モアナが繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメーション・スタジオによる長編ミュージカル・アニメーション『モアナと伝説の海』(17)の続編『モアナと伝説の海2』が12月6日から全国公開される。本作の日本語吹き替え版で、モアナと共に旅に出るモニを演じた小関裕太に話を聞いた。

モニを演じた小関裕太

-今回は、オーディションでモニ役に決まったそうですが、どういうオーディションを受けたのか、また役に決まった際の心境を聞かせてください。

 まさか受かるとは思っていなかったので、マネジャーから「受かった」という連絡がきたときはものすごくうれしかったです。そして、オーディションを受けた際はできる限りのことは事前準備していきましたが、本当にその時に出せるものだけ、瞬発力だけを試されたという感じでした。そういう意味でも受かった実感はあまりなかったです。ですが、この作品に選んでもらえたことがすごく自信になりました。

-演じたモニというキャラクターをどのように捉えましたか。

 モニには、モアナとマウイに対する熱い思いと憧れがすごくあります。モアナとマウイには一緒に旅に出てみんなを救ったという実績があって、モニが見たことのない景色もたくさん見ています。なので、モアナに対しては、自分と同世代だけどすごいなという思いがあり、尊敬も含めた憧れがあるのかなと思いました。「自分も何か踏み出してみたい。自分もモアナみたいになりたいけど憧れが強過ぎてそんなことは言えない、彼女には勝てない」みたいな気持ちがあるのではないかと思いながら演じていました。

-そういう思いも踏まえて、実際に吹き替えをした時に何か気を付けたことや心掛けたことがあれば

 一番はやっぱりモニが抱くワクワク感です。モアナとマウイに対する憧れがあるというのは大前提として、その中でどういう言葉や瞬間に喜びを覚えて、どういうタイミングで興奮するのかみたいなことは考えました。モニは興奮すると声が高くなってしまうイメージがあったので、具体的にどういうものに興奮してテンションが上がったのかは、レコーディングをしながら、または台本を読みながら、モニに成りきって彼の目線で考えたと思います。

-吹き替えは難しかったか楽しかったか、どちらの思いが強かったですか。

 ストーリーテラーの部分で大きな役割を担っているキャラクターという部分では難しくもありましたが、歌を歌うキャラクターというのも含めて、楽しかった方が強いです。ディズニー作品への憧れもあったので、レコーディングの最中は「ついに自分がやっているんだ」という実感がすごくあって。このキャラクターに声が乗って、お客さんやモアナファンはもちろん、これから生まれてくる子どもたちにも届くということにとても興奮しました。

-実写作品とアニメーションの吹き替えに違いはありますか。

 演技をするという点では同じなのですが、実際は全く違うものだと思います。声優は声が全て。実写なら伝わるものが、アニメーションに乗せるとただテンションが低くて聞きとりにくい声になったりもします。だから、例えば暗いシーンの中の暗いせりふでも、割とパワフルに表現しないと声が乗らなかったりするので、同じせりふでもテンションやイントネーションは実写とはだいぶ変わると思います。アニメーションに合ったイントネーションや声があると思うので、全く違う職業のように感じます。

 
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