服部樹咲「樹ちゃんが親友役と聞いてうれしかった」長澤樹「樹咲ちゃんに支えられた」初共演の2人が息ぴったりの好演『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』【インタビュー】

2024年10月11日 / 16:00

長澤樹(左)、服部樹咲(C)エンタメOVO

-劇中では史織の家の家業である機織り工場の様子をはじめ、服作りの過程が丁寧に描かれていますが、その印象は?

服部 服作りに限らず、「ものを作る」ってすごいことなんだなと、今回の撮影を通して感じました。機織り工場の中にもさまざまな工程があり、他にも仕上げ工場や紡績工場など、いろんな工場がかかわって、ようやく服ができるんです。それを初めて知り、職人さんってすごいなと。でもそれは、映画も同じなんですよね。スタッフやキャストの皆さんが切磋琢磨(せっさたくま)して作り上げ、お客さんに見ていただくことで、ようやく映画は完成するので。だから、いろんな人が関わる「もの作り」って、とてもすてきだと思いました。

長澤 劇中でも、史織が一本一本糸を通して作っていく過程が丁寧に描かれていたので、「すごい」と思いながら、真理子としてすぐそばで見ていた。タイトルにある「優しい服」ってこういうことなんだろうなと思って。そういうものを間近で見る機会はなかなかないので、私自身にとっても貴重な経験だった。

-本作は、史織が夢に挑戦する物語ですが、お2人が夢を実現する上で心がけていることは?

服部 私は、「いつか絶対にできる」と信じ続けることを大事にしています。クラシックバレエをやっていた頃も、「一位になりたい」と思ったら、そのことだけに集中して生活し、練習したおかげで、結果を出すことができました。「俳優になりたい」と思ったときも、親から反対されたんですけど、諦めずに願い続けたら、『ミッドナイトスワン』のオーディションと、運命的に出会うことができて。「言霊」も信じていますし、絶対かなうと信じ、やり続けることが大事なのかなと。その点、やりたいことに真っすぐ向き合う史織には、共感する部分が多かったです。

長澤 「やり続ける」、「思い続ける」って大事だよね。やらなければできないのは当たり前で、やってできないことと、やらずにできないことは全然違うから。それと、私が最近大事にしているのが、楽しむこと。つらいことも含め、全てを楽しめたら、すごく幸せだし、気持ちがポジティブな方が運を引き寄せると思うから。いつか夢がかなったとき、「つらかったけど、楽しい思い出だったな」と思えたらすてきだよね。

-それでは最後に、お2人のこれからの夢を教えてください。

服部 私は、いろんな役を演じられる俳優になりたいです。普段の自分のテンション感や雰囲気とまったく異なる役をやれることのすごさに、演技を始めてから気付いたので。特に、「二十五、二十一」(22)という韓国ドラマに主演しているキム・テリさんが、役によって声まで変えているのがとても魅力的で、ファンになりました。だから、私もいろんな役にどんどん挑戦していきたいですし、韓国語をしゃべれるので、いずれは大好きな韓国の作品にも出演してみたいです。

長澤 私も、海外の作品に出ることは夢の一つ。でもそれ以前に、挑戦することが大好きなので、今回の真理子役もテンションの高い役を演じるという挑戦だったし、それがこの先、どんな未来につながるのか考えると、すごく楽しみ。だから、そういう挑戦の連続をこれからも続け、どんどん新しい未来を切り開いて行きたいです。

(取材・文・写真/井上健一)

©2024映画「BISHU 世界でいちばん優しい服」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作『宝島』/純文学風ミステリーの趣『遠い山なみの光』

映画2025年9月18日

『遠い山なみの光』(9月5日公開)  1980年代のイギリス。日本人の母とイギリス人の父との間に生まれロンドンで暮らすニキ(カミラ・アイコ)は、大学を中退し作家を目指している。ある日、彼女は執筆のため、異父姉の景子が亡くなって以来疎遠になっ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

▼新しい美の概念  志賀直哉や武者小路実篤らと文芸雑誌『白樺』を創刊し、西洋美術を紹介していた柳宗悦(1889-1961)は、浅川兄弟との関わりで初めて朝鮮に興味を持つことになる。  「(彫刻家を目指していた)伯教さんは『白樺』を読み、柳先 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

-劇中に流れるさまざまな曲は、全て監督のチョイスですか。  音楽は全て私のチョイスです。こういうシーン、こういう状況だったらこの音楽は意味があるかなと考えながら一つ一つ選んでいきましたが、いろんな人たちの意見も聞きましたし、私自身もたくさん … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

-お芝居に悩んだり、難しさを感じたりすることはありませんでしたか。 前田 たくさんあります。でもその都度、松井監督と相談しながら進めていきました。迷ったときは、松井監督を信じればいい、という信頼関係が出来上がっていたので。 窪塚 松井監督は … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

-ルンメイさん、夫・賢治役の西島秀俊さんの印象はいかがでしたか。 ルンメイ 今回西島さんと一緒にお仕事ができたことはとても光栄でした。西島さんは経験豊かな方なので、私は現場でとても安心して演技をすることができました。西島さんがいろんなエネル … 続きを読む

Willfriends

page top