エンターテインメント・ウェブマガジン
やっぱり(舞台は)生ものなので、毎日違うというところが面白いです。お客さまも毎日違うので、その日によって反応も違いますし、反応していただけることで私たちの気付きにもなります。毎日、お勉強をしている気持ちです。そして、映像では、普通に会話している声でも伝わりますが、舞台ではこの大きさの声では絶対に伝わらないです。なので、声や体の使い方も変わります。そういう意味でも、全身を見られているという意識を持って演じなければいけないと思います。
映像は、私たちのお芝居に監督の視点が入って、どこを見せていくのかを編集作業で決めていきます。一方で、舞台ではどこを見るのか、どこにフォーカスを当てるのかはお客さまの自由。それもまた違いだと感じています。
劇場に入る前には必ず、運動をしています。劇場でも声を出したり、瞑想(めいそう)のようなことをしていますね。そうすることで集中できますし、役や世界に入っていくことができるんです。それから、あとは好きなものを好きなだけ食べる。体はなるべく冷やさないですかね。
映像のときはやらないです。映像の撮影現場には、私はあまりカチカチに決めないでいくようにしています。フワッと入っていくというイメージです。現場によってスタッフさんも変わっていくので、まずは、その現場の空気感に体をなじませるというのが、私のやり方です。撮影1日目は、ただ歩くだけというような、軽いシーンを撮ることが多いんですよ。なので、そこからだんだんと作り上げていって、最終的には無理なくそこにいられる状態にします。舞台は、本番までに作り上げたものがありますし、最初から最後まで必ず毎日演じなければいけないので、体は作っておくためにもルーティンが必要です。
空気感はすごく大事にしますね、映像のときは。それから、どれだけ一人で準備する時間が持てるかどうかが、私にはすごく大事になります。舞台では、みんなで作っていけますし、みんなの意見を伺える時間がありますので、そこは違いますね。
私たちの仕事は、基本的にオファーをいただいてお仕事ができるものなので、いただいたお仕事を一生懸命にやることだと思います。一生懸命にやるというのは当たり前のことではありますが、とにかく一生懸命にやることで、また次の作品につながっていくのだと思います。人との出会いを大切にして、遅刻はしない(笑)。「時は金なり」ですので。
多くの方に見ていただいたことを実感しました。私は、単館系の映画からキャリアがスタートしているので、東京などの都市部でのみ上映される作品に参加することが多かったのですが、大河ドラマは全国の皆さまに見ていただくことができる。ですので、地元に帰ったときに、お世話になったおじいちゃんやおばあちゃん、両親のご友人などにも声をかけていただいて、とてもうれしかったです。母からも「本当にうれしかった」と言ってもらえたので、少しは親孝行できたのかなと思います。
呪詛はしないので、ぜひ安心して見に来ていただきたいです(笑)。(「光る君へ」に藤原兼家役で出演した)段田(安則)さんも本作に出演されるので大河ドラマをきっかけに劇場に足を運んでくださるお客さまがいらしたら、「またあの人、殺しちゃうのかな」とイメージしてしまうかもしれませんが(笑)、今回は笑って楽しんでいただける、心温まる不思議なお話です!
今回は、大阪を舞台にしているので、関西弁に挑戦させていただきます。とってもこわいですね(笑)。不安もありますが、芸達者な方が集まっていますので、ものすごく面白い舞台が作れるのではないかと思います。私はついていくのに必死になりそうですが(笑)皆さん、余裕がある方ばかりで、どんなアドリブが飛んでくるのか。おとなの御伽噺、お楽しみいただければと思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)
シス・カンパニー公演 日本文学シアターVol.7「夫婦パラダイス~街の灯はそこに~」は、9月6日~19日に都内・紀伊國屋ホールほか、愛知、大阪で上演。
ドラマ2025年7月1日
ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む
ドラマ2025年6月29日
-それが変わってきたということでしょうか。 物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む
映画2025年6月27日
-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。 やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む
映画2025年6月27日
-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む
映画2025年6月27日
『アスファルト・シティ』(6月27日公開) 犯罪と暴力が横行するニューヨークのハーレム。クロス(タイ・シェリダン)は医学部への入学を目指し勉学に励む一方で救急救命隊員として働き始める。 ベテラン隊員のラット(ショーン・ペン)とバディを組 … 続きを読む