エンターテインメント・ウェブマガジン
集中することでした。実際に起きたことでも、当時の人はその先に戦争が起きるとは思ってもいなかったと思うんです。でも演じている僕らはその先に起きることを知っています。だから、起きることの真実に対して集中する、そこに全力を傾けるということを考えながら人とも対峙していたし、いろんなシーンで常に集中していました。
共通点があるからこそ魅力を感じたんだと思います。やり方が微妙に違うかもしれないけれど、自分の中に入れてそれを出すという部分では通じるところがあると思います。和田さんは電車の中とかでもブツブツしゃべっているんです。僕もせりふを覚える時にはブツブツしゃべっている(笑)、その辺は似ているというか一緒だなって。和田さんは、飯を食っていても、人と会っていても、何をしていても、アナウンスをするということが常に頭の中にある。僕も常に自分のせりふを覚えなきゃいけないという思いがある。そこは何か一緒だなという感覚があります。
そうですね。アナウンサーは伝える仕事なので、自分からどういう音を出すのか、演出の一木さんとも相談しましたし、原稿を読むシーンでも、当時の癖というか、そういうことも練習させてもらいました。特に僕は舞台をやる時は、どれぐらいの声でお客さんに届くのか、お客さんの手前で止めるのか、直接表現するのか、その先に行かせるのかということは意識してやっています。今回は映像でしたが、言葉をどう伝えるのか、表現するのかということを探っていたような気がします。
今の日本は、ある意味、平和で安心な国という感じですけど、海外では戦争が起こっているし、日本も明日はどうなるか分からないという意味もあります。それと、今回は言葉というものが大きなテーマになっていますから、今も言葉で人を傷つけたり、傷ついたりする人もたくさんいると思うので、決して昔話ではないと。僕と同世代の人や若い人たちももっと言葉について考える必要があるんじゃないかと思いました。
この役を演じられたことは、僕にとっては宝物です。それは個人的な感情です。自分の心が動く作品や役に出合えることはなかなかないと思うので、そういう作品に出合えたことは財産だと思います。自分の中ではもう終わった役ではありますが、こうして映画になると1人でも多くの方に見ていただきたいという思いが湧いてきます。
(取材・文・写真/田中雄二)
(C)2023NHK
ドラマ2025年7月2日
磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む
ドラマ2025年7月1日
ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む
ドラマ2025年6月29日
-それが変わってきたということでしょうか。 物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む
映画2025年6月27日
-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。 やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む
映画2025年6月27日
-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む